熱烈応援！ 岡山マラソン

        大谷朱美

四年ぶりの岡山マラソン
我が町平井は  三十キロ地点
スタートから四十分後
颯爽とトップランナーが駆け抜ける
       がんばれ!  がんばれ!

パンパンパン  パンパンパン
風船をたたいて  熱烈応援！
続いて  続々とランナーたちがやってくる

好タイムを目指す
ランナーたちが通り過ぎると
マラソンを楽しむランナーたちがやって来る
マリオ  ゴジラ  アンパンマン
    牛  虎  亀  ヒヨコ
双子のバナナ  桃太郎や鬼もいる
         がんばれー！  がんばれー！!
応援に手を振ってこたえてくれる
だんだんと後ろの方になると
少し疲れたランナーが増えてくる
        あと七キロです  がんばって！
歩いている人も  応援の前では小走りになる

最後の集団は
疲れ果て  やっと歩いている人たち
そりゃあそうだ
三十五キロも走ったんだもの
｢がんばって！｣なんて
気安く言える状況じゃない
｢あと七キロ…｣と言ったら
あきらめてしまいそう
でも  応援したい  できるなら完走してほしい
        あと少しです  がんばってください！

嘘だけど  七キロは少しじゃないけど
ちょっとでも元気がでれば

皆が通過したあと  バスがやってきた
二百メートルほど先で
ランナーを拾っていく
お疲れ様
岡山マラソン  来年も来てね

※詩誌｢爪｣146号