予感
武井和子
歩いてきて
気付けば
そこは街中の
ささやかな公園
七本の欅と
五本の桜が
あたりを涼しくしているのだ
有りともなしの
風と木の唄に
鼻から胸が透きとおる
と
分別くさい顔をして
向こうから犬が来る
その犬に飼主が従ってくる
不意に新鮮な緊張が崩れて
この一日が
なんだか面白くなりそうな
※詩誌「爪」146号
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