【桜桃選栞|02】山形県議会2月定例会〜副知事人事混乱の裏側〜
現在開催中の山形県議会で『 副知事人事 』が墳丘している。
副知事の任期は3月10日で満了するため
新しい副知事を決めなければならないが
すんなり決まりそうにはない。
副知事人事が決まらないのには原因がある
ポイントを押さえて解説していこう。
1、副知事決定プロセス
県知事は”選挙”で決まるが、副知事は県議会の”承認”を得て決まる。
吉村美栄子知事が再選し若松正俊副知事に引き続き仕事を任せたくても
議会の"賛成"を貰わなければ他の人を探さなければならなくなる。
吉村美栄子知事が知事選に圧勝した勢いそのままに
「 若松副知事再任案 」を議会に提出したのだが、
自民党県議が反対票を投じることを表明し”否決”される見通しとなった。
県議会の議席数は43議席、そのうち26議席を自民党が保有している
ひっくり返ることはないのだ。
2、自民党が反対する本当の理由
「知事選を機に知事と一部の首長の関係がうまくいかなくなった
コロナ禍の大変な時期に連携不足を問題視」
自民党があげた理由はこれだ。対する吉村美栄子知事は
「私が首長を無視した事実はなく、
間で取り継いだ”職員の対応が不十分だった”」と弁明した。
さらに自民党は、職員の対応が不十分だったとしても
連携不足は事実と問題視し副知事人事・組織の見直しを訴えた。
これは表向きの理由、実情はこうだ!
県知事選で対立した大内候補を支援した首長に意地悪したからだ!
支援状況は以下の記事に記載。
意地悪が始まったのは1月25日、知事選の翌日からだ
最短で意地悪を仕掛けてきている。他にすることあるよね。
意地悪の内容は以下の通り
1、一部首長との面会を拒否
2、フラワー長井線(山形鉄道)への予算カット
(詳細は以下の記事に記載)
3、東北公益文科大学の公立化計画白紙化
などだ。(別途記事を公開予定)
口頭での通達だったようで、やりすぎたと思ったのか
県側は2と3の事実はないと否定している。
自民党県議の意思は硬い
「 倍返し 」
とはいかないが吉村美栄子知事に抵抗をみせている。
3、副知事再任案が否決されるとどうなるのか?
県は「 若松副知事再任案 」を議会に提出している。
このまま議事にかけられ採決されると"否決"されることになる。
若松氏推しの吉村美栄子知事は何度も同じ議案を提出できるのか?
残念ながら、できないようだ。
私も最近知ったのだが、県議会には以下のルールがある
「”否決”された議案は内容を変えなければ再提出できない」
(文言は正確でない可能性あり)
人事案件なので若松氏がダメとなった場合は
別の誰かに代えなければ議会に提出できないのだ。
(次の議会には再提出可能)
4、吉村美栄子知事に打つ手はあるのか?
吉村美栄子知事にとって若松正俊副知事は欠かせない人材なのだろう。
”否決”されると副知事交代、さらに副知事が決まらず空席の可能性もある。
”否決”を避けたい知事は副知事再任案が議事にかけられる直前に
議案を取り下げたのだ。取り下げは聞いた事ないが可能のようだ。
否決されると若松副知事の線はなくなる、
一旦取り下げて自民党県議に譲歩を求めるのだろう。
少し時間を稼いだ状態だが副知事任期はもう目の前だ
今のまま自民党県議にお願いしたところで認められるだろうか?
5、吉村美栄子知事にできること
議会の承認を得るには自民党県議の理解を得なければならない
何らかの謝罪や和解なしで進むようには思えない。
いまのままでは打つ手は限られる。
1、若松副知事を再任させるため自民党県議を説得
【難易度:大】知事の謝罪や組織の改善がなければ難しい
2、他の人を副知事に選び今議会に提出
【難易度:大】すぐに代わりの人事は決まらない
3、”否決”覚悟で若松副知事再任案を提出し意思が固い事を示す
【難易度:大】2月定例での若松副知事は諦めて、
会期後に時間をかけて自民党を説得を目指す。
副知事が空席となるのは知事にもダメージが大きい
(今議会で副知事が決まらなければ空席となるが、
次の県議会(6月定例会)に若松副知事再任案を再度提出は可能)
八方塞がりのように思う、強力なサポートがあるだろうか?
吉村美栄子知事は県知事選に勝ち強めのマウントを取りにいったが、
議会の抵抗にあい自分に強く跳ね返ってくる結果となった。
吉村美栄子知事は一連の意地悪への関与を認めていないので
謝罪するつもりもないのだろう。
「県民は誰一人こんなごたごたを望んではいない!」
知事には事業が滞る事のないよう県議や首長と十分話し合って欲しい。
県議会は会期中なので今後の動向を見守りたい。
【追加記事情報】
山形県議会2月定例会終了時の完結編を絶賛公開中。
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