#33 障がいとユニバーサルデザイン
障がいとは
障がいとは、「身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」 と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」(障害者基本法 第二条)。先天的なものと後天的なものがあります。
一般的には、障害っていうけれど、私は、害ってことばが好きではありません。「障碍」って書いたり「障がい」って書いたりしますが、ひらがなで書いていきたいと思います。
最近は、障がい自体が問題なのではなく、社会における適切な支援や合理的配慮が欠けていることが障がいの本質である、という理解が進んでいます。
障がい者への適切な支援や合理的配慮があれば、社会参加が可能になるという理解です。
目に見える障がい、見えない障がい
例えば、交通事故で足を失ってしまって車いすに乗っている方がいるとします。その場合、障がいとなるのは、健常者が移動できない段差を一人で移動できない、公共交通機関に乗ることができない、トイレが使えないことなどがあります。
この場合、駅員さんを呼べるようにインターフォンがついていて支援が受けられたり、合理的配慮としてスロープがついていたり、電車に乗り降りするための支援が受けられたり、車いすの方でも使えるトイレがあったりします。
それでは、精神障がいを抱えている場合はどうでしょうか。色々なケースがありますが、外から見えないことと、ひとりひとり障がいに多様性があるため、一概にこうしたらいいという合理的配慮が難しかったりします。
ヘルプカード
個人で「こんな配慮をしてほしい」と示すのに、ヘルプカードというものがあります。駅や役所の福祉課や障がい課などで聞いてみると、もらうことができます。
ヘルプカードは、障がいなどのある人が困った時に、周囲の方に配慮や手助けをお願いしやすくするために、情報を伝えるためのカードです。首にかけるタイプと、ストラップタイプがあります。
パニックなどの発作が起こったときにどう対処するといい、とか、連絡先などが書けるようになっています。私も、長男が一人で小学校に通うようになったときに、万が一のことがあったら、と、持たせていました。
個人で情報を伝えるヘルプカードのほかに、公共の場所での合理的配慮の例として、ユニバーサルデザインなどの工夫がされるようになりました。
ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザイン(UD)とは、障がいになっている困難さを取り除くだけではなく、障がいの有無に関わらず、はじめから誰もが(年齢や能力、状況)使いやすく利用できるように、施設・製品をデザインするという考え方で、1980年代にアメリカのロナルド・メイス博士が中心となって提唱しました。
ユニバーサルデザインとバリアフリーは、少し異なります。
ユニバーサルデザインは、万人にとっての使いやすさを重視したデザインのことをいい、一方バリアフリーは、障害を持つ人や高齢者を対象にした、困難さを取り除く配慮のこと(車いす用の施設や点字ブロックなど)を言います。
ユニバーサルデザインは、7つの原則をもとにデザインされています。
学校でのユニバーサルデザイン
インクルーシブ教育が言われるようになり、ICTが取り入れられるようになって、学校現場も少しずつですが変わってきているように感じています。
と文科省のHPに書かれていますが、色々な子どもが一緒に学ぶなら、ユニバーサルデザインは必要になってきます。小学校で働いていたのは少し前になりますが、当時から言われていました。
黒板が見にくい子や、漢字を覚えるときに空中に指でなぞるのが、分からない(学習障がいの一症状)、という子のために、スクリーンを取り入れてしている授業が見やすく、私たちが子どもの頃にはなかったな、と感心したことがありました。
電子黒板やタブレットが普及していますが、何でもすぐに調べればいい(自分の頭を使わない)など、道具に頼りすぎることなく、子どもたちが主体的に学んで考えるにはどうしたらいいか、考えていきたいと思っています(家でも一緒ですよね)。
そして、ユニバーサルデザインとはいっても、子どもたちの困難さは、ひとりひとり違うので、これをやったから大丈夫と慢心することなく、個々を感じていくことも大事だなと思います。
本も色々出ていますね。
終わりに
今日は、障がいについて書きました。目に見える障がいと、ぱっと見では分からない障がいがあります。
外から分からない障がいを取り除くために、ヘルプカードを使ったり、ユニバーサルデザインという考え方があることを述べました。学校でも、ユニバーサルデザインの考え方は広まっていることについても書きました。
何か作ったり発信するとき、相手を想定することがあるなら、誰もが使えるデザインを、ユニバーサルデザインの7つの原則を取り入れながら考えてみてはいかがでしょうか。
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それではまた明日!