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民間外交の主人公は誰なのか

今年の春休み。新たにバングラデシュ、台湾に訪問した。これは人生35カ国目の訪問国だ。振り返ると今年度は、人生で初めてマレーシア(3回)、ベトナム(4回)、インド(2回/1ヶ月)、インドネシア(2回/1.1ヶ月)、シンガポール、モルディブ、スリランカにも訪問できた。それぞれ、多くの方のおかげで自身の事業での連携や現地アテンドが出来るほど深い関係を築くことが出来ている。また毎回泊まらせて頂くメンバーの親御さんには感謝しかない。

とりわけ私の銀行口座からお金はとことん無くなったが、10代の最後に多くの国に実際に足を踏み入れ、現地の人々と交流し、新たな視座と関係を掴み取る過程は言わずもがな確かに「自分の成長」と「会社の未来」への投資になっている。恐れ多くも、今日はここに「日本」を追加しようと思う。

その理由が、本題の「民間外交」になる。つまり、企業や市民による外交関係の補完という意味だ。あまり意識している方は少ないかもしれないが、日本では、その国の一生活者として暮らす我々も、海の外では「旅行者」ではなく「外国人」であり、「日本人」として認識される。俗にいわれるその国の代表であるという感覚である。

無論、国と国の外交はその政府間において築かれることには変わりがないが、それだけでは成り立たない。そこには切っても切れない経済関係が存在し、行き来をする民間人がいる。その人々がどのような「イメージ」や影響を訪問国に与えるか。そして、どのような新たな関係接点を構築するべきかについては、とりわけ地政学的にみても難しい局面に置かれがちな日本において、政府や民間を問わず、重要性を増している。

では、民間外交の主人公は他国に訪問する人だけを指すのだろうか?いや、そうではない。2050年に外国籍人材が人口の1割に近づくと予測される我が国において、これは「訪問する時だけ」に起こる事象ではないだろう。

外国籍留学生、外国籍人材とは、(やや乱暴に)言い換えれば「他国とリアルタイムに繋がる民間外交人」なのである。とりわけ留学生の場合、親御さんが経営する会社において日本との接点構築を目的にご子息を日本で勉強させるケースや将来的に政府や軍の重役になりうる人も少なくない。そして、その相手をしているのは日本にいる我々であるというリアルを現地で親御さんらにお会いして痛感してきた。

つまり、意識の差はあれど、民間外交の主人公には誰でもなりうるのだ。

私の自宅では最近ホームステイがプチブームだ。今はパキスタンとミャンマーから2人の留学生が住んでいる。食費や光熱費の高騰で苦労しているが、それでもなんとなく「使命」的に寛容に受け入れる家族の姿がある。いつの日か母が「息子が現地でお世話になってるから、どんな親御さんかも分からないけど、面倒をみることは親同士の見えない約束なのよ」と話していた。(今では約束関係なく、ホームステイの受け入れが楽しいらしい)

ベトナムでも、インドネシアでも、バングラデシュでも、「この国にいる時は何があっても面倒を見るから、日本で息子/娘に何か起こった時に頼むね」と決まって言われる。もしかしたら当たり前の一言なのかもしれないが、これが本質な気がするし、今思えば幼少期から受け続けたこの言葉の積み重ねが、今の自分をつくり上げてくれた気がする。

以前、航空会社のPeachの社長インタビュー記事を拝見し、「我々の会社は戦争をなくそうとしている。だって、若者が安く世界に足を運べれば、現地に友達が出来るでしょう。友達がいる国に爆弾なんて落としたくなくなるじゃない。」というメッセージの意味を今は確かに咀嚼できる。

我々Emunitasも、そんな民間外交の先にある平和を思い描きながら歩んでいきたい。

だからこそ今日も、一刻も早く外国籍留学生が自身のポテンシャルを活かせる職業体験の機会を日本企業や地域とともに創り上げるために奮闘する。

そして、外国籍人材を総合的に評価し、彼らの能力を社会に証明できるシステムを一刻も早くつくり上げる。

とても優秀な在学中の外国籍留学生と一緒にお仕事したい企業様、絶賛募集しています!https://twitter.com/Yfree14

2008年ノーベル平和賞受賞者のユヌス博士と
バングラデシュ国軍の大将らと。
バングラデシュ国軍クミラ駐屯地を治める軍幹部との意見交換の様子


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