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大型台風の接近に寄せて Vol.5

台風の片付けをする周辺の人々の楽観的なムードに違和感を感じながら、エアコンが動かない部屋で昼寝をしている孫を見ながら、このままここに留まって父を助けるのか?それとも孫をつれて安全なところへ移動するのか?をずっと考えていました。
僕は、大切な人を天秤にかけるような思考を何度も繰り返し、父という立場で物事を考えることしました。
父として、我が子と孫の健康と安全こそが最も大切なものであり、自分の命と引き換えにできる存在であるという「結論」を導き、その結論に従って行動を始めた。父に自分の決定を話すと「そうしたほうがいい。こっちはなんとかなるから」と快く受け入れてくれた。
正午を過ぎた頃から、携帯の電波は微弱になってきており、GoogleMapの表示にももの凄く時間がかかり、思うルートは果たして通行できるのか?
14:00、できるだけ車を軽くするために、荷物を宅急便へ持っていくと、Computerが止まっていて荷物の預かりが出来ない様子。受付の女性が「体制が整ったら荷物をお引き取り伺い、大阪へ送りますよ」と言ってくださり、荷物の件はなんとか解決。
15:30頃、孫と嫁を乗せて大阪へ向けて出発。
ただ、ガソリンが半分程度しかなく、航続距離は230Kmと表示されており、鴨川で唯一停電してないガソリンスタンドの長い列に並んだのですが、20分ほどすると「売り切れました」とスタンドの人が一台一台に声を掛けて行き、ここでの給油を断念。
通行止めになっていない房総スカイラインに入ると、前後に数台の車はいるものの、時折対向車が走ってくる程度で、かなり走りやすい状況だったので、一安心すると前の車が急ブレーキ、追突を免れて停車すると、車線に倒れた大木があり、わずかな隙間を慎重に抜けると、ハイビームの先には、折り重なる倒木が見えます。するとその間から対向車のライトが見え、なんとか行けると判断してリスタート。
突然現れる倒木、走行を断念したトラックや路線バスの間を抜けて、君津に入ったけれど、灯りは全く見えず、真っ暗闇。
携帯もつながらず、車のナビだけを頼りに、木更津に向かうと、突然の大渋滞。
東京アクアラインに繋がる感染道路に入り込む車で、1時間で3km走れるほどに。
所々に灯りが灯っており、営業中のコンビニがあったので、トイレ休憩しましたが、棚にはほとんど何もなく、夕食を買うことは出来ませんでした。
いつもなら、こんなに長い時間車に乗っているとグズグズいう孫も、おとなしく遊んでおり、胸に響くものを感じながら、燃料計とにらめっこしながら、アクアラインを目指してノロノロと進みます。
(画像は読売新聞から)

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