『答え』を求めず『応え』に応える
昨日で今年度の慶應大学藤沢湘南キャンパス(通称SFC)の授業が修了しました。
クォーター制(2コマx7週間)で登録をさせて頂いているので、あっという間に時は過ぎてしまいます。
2007年から授業を担当させていただいて17年!
そろそろ担当した頃に生まれたよー!って学生も登場しそうです。が、毎年飽きることなく、毎週をワクワクしながら過ごすひとときです。
昨年までしばらく最終プレゼンテーションを「楽しみながら今日からできるSDGsへのアクション」に変容するプレゼンテーションを行っていましたが、今年は原点回帰して『I have a dream=自身の夢を語り、聴衆を変容する3分のプレゼンテーション』というお題で行っていただきました。
なぜ、I have a dreamにしたのか?
わたしは、今年に入ってGlobal Play Brigade One AsiaというプロジェクトのリーダーとしてPLAYやPERFORMANCEを通して、お互いを尊重し合える良好な関係創りや平和な社会づくりの活動をしています。
それぞれの国に住む多くの人たちは、お互いを尊重し合い、平和な関係性を望んでいるにも関わらず、いまだに、武力による脅威で従わせる、目には目を歯には歯を・・な政府の姿勢。
私にも夢がある
ずっと言い続けているんですが、『足ひっぱるより、手ひっぱれ』
自身のエゴと向き合い、問い、手放すことができたら、手をひっぱれる人になれるんじゃないか・・・
そんな安心で安全を感じる人と人の温かい関係がある社会を創りたい
そのためにいま私ができることをできる場所から活動していますが、そんな想いも込めて、関わる大学生たちが自身の夢と向き合い、それを深掘り、それを伝え、支援者やファンに変容する場としての今回のSFCプレ技の最後の2週間をデザインしました。
プレ技生のみんなは、「そもそも"夢”ってなんだ?! という問いから始める人たちも多く、三味線、ピアノ、ダンス、雅楽、、、 あらゆる自身の夢とつながる表現を駆使して、素敵な素敵な3分間を届けてくださいました。
名残惜しい・・・・と見つめ合える間もなく、次の授業の学生のみんなが教室に入ってきて、あれよあれよ・・と授業を終えた昨日ですが、いまもまだ50名のプレ技生たちの夢の欠片を温かく胸に抱えながら、今日もわたしは自分の問いを続けます。
『答え』を求める教育から『応え』に応える教育へ
こういう授業づくりを通して、これだけの感動を胸に、自身の夢と向き合え、それぞれの夢を応援していきたいと想う気持ちがエネルギーとなり更なる学びにつなげていけるのは、授業の中で決して「正解探し」をする授業にしなかったから・・と確信しています。
いろんなゲームを通し、体感をした学生のみんなに向けて問いを放り込む。そして、そこから学生たちの応え(Responses)に応えていく。
彼らが感じたことからの応えには、決して間違いは存在しないから。
わたしから正解を訊きたい学生には、「あなたはどう思うの?」と更なる問いが待っている。
Right Answer(正解)ではなく、自身の中で生まれたResponse(問いに対して応える)を言語化し伝えてもらうことで、わたし自身にも多くの気づきや確信、また新たな問いや疑問が生まれる。
常に「本当にそうなのか?」と問い続けられること。
この姿勢がいまの社会にとても必要だと感じています。
主体性が育まれる環境づくり
そして、Responseしてもらえるには、安心安全な環境や関係性づくりがとても重要です。
問いを投げる人自身が、自分の中に正解をもってしまい、それにしがみついていることもしてはいけないことのひとつと考えます。 なぜならば、そうである限り、感受性豊かな若者たちはその人の中の正解を探ることにしか労力を惜しまないからです。
包み隠さないResponsesを受け取り(YES)、そこに自身の考えや更なる問いを返す(AND)をくり返しながら、それぞれの軸にResponsibility(責任)を持てるようになっていく。
この数か月、多くの人たちと「主体性」を再定義する対話の時間を持ちましたが、問いを出す側が「正解」を握りしめていると、そこからは主体的な応えも行動も出てこないということを改めて認識しました。
どんな「応え」が返ってきても、COOLな頭とHOTな心で好奇心をもって受け取り、自身の言葉で反芻し場に返し、そこから対話を発展させていくこと。
頭ごなしに否定されない環境や関係は、安心で安全な場を育み、すこしづつResponseの幅を広げていきます。
勇気をもって伝える夢
今回は、そんな声がたくさん聴こえてきました。
このメンバーにだから、語れた自分の夢。自分の本心。
語ることで本気になる。本気になったから語れる。
そんな覚悟や、意志をたくさん受け取った素晴らしい2週間でした。素晴らしいひとときをありがとう!
社会のひとりひとりが自分らしくを楽しめる文化にしたいと一言でまとめきれないくらいのいろんな活動をしてます。 感謝と愛に溢れた社会づくり・人づくりにすこしでも貢献できたら、と、学びを楽しみに変える教育の改革活動をしています。 サポートいただけたら勇気になります!ありがとうございます