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クイズ作問のコツ(カプリティオラジオ#07より)

はじめに

皆さんは、クイズ王の古川洋平さんらによるYouTubeチャンネル『カプリティオチャンネル』をご覧になったことがありますか?
普段から楽しいクイズ企画、面白いクイズを提供してくれている同チャンネルから、『ラジオ』形式の動画から1本ご紹介しようと思います。
(※ チャンネルそのものやメンバーの皆さんについての説明は割愛しますが、その前提知識がなくても良いよう努めます。)

☆(参考動画)2020/04/22「カプリティオチャンネル」
 カプリティオラジオ#07 「クイズを作るコツについて」

この動画のメインテーマは、タイトルにもある通り、「クイズを作るコツ」について です。
偶然でしょうが、私の作問スタイルとかなり似ている(少し誇張して言えば、私も殆ど同じ作り方をしてきた)ので、「共感・共鳴」した部分を中心にご紹介できればと思います。

1.クイズのアイディアをメモる!

リコ「時間を決めてというより、普段、思いついた時に、スマホにメモ書きするのが一番多い」
古川「日々思いつくものメモしておかないと忘れてっちゃう」
石野「確かに、メモしておかないと、将来の自分が(そのアイディアを)覚えているという自信がないから、(寝る前とか)すぐメモっちゃう」
AT「時々、自分でメモったの後から見て、何書いてたのか分かんなくなる時がある。未来の自分に託したのにww」

『お前は誰だ?』(by 映画『君の名は。』)ではないですが、確かに、自分で書いたのに、何を残そうとしてたのか思い出せないメモは、クイズのネタに限らず“メモあるある”だと思いますww
・ただそれでも、スマホのメモ帳なり、すぐに開けて思いついた瞬間に残せる「メモツール」を用意しておくのは大事だと思います。
※ちなみに経験則から言って、『メモを取るのが億劫(めんどくさい)』ってなるやり方では、長続きしませんから、極力、手間が掛からずに作業を終えられる方が結果的には良いと思います。

・例えば、『クリスマスの時期に出したいネタ』を春に思いついたとして、それを半年以上記憶に留めておくのはキャパ的にもシンドいでしょう。
『必死に覚えておかなくても良いように』また『忘れないように』メモしておくと、結果的には捕捉率が高まるんじゃないかと思います。

・メモの仕方は人それぞれですが、『アイディアメモなら、成文化は後回しにしても良い』と考えています。それこそ、
 ・答えにしたい、調べたい「単語」の名称のみ
 ・「作家の◯◯、歌手の××、あともう1人 → 名字:△△」
 ・『~~~』の2期の制作決定(mm月dd日のニュース)
 とか、これよりも短くても『思い出せればOK』『思い出せなくてもまあしょうがない』ぐらいの気楽な感じで、沢山メモすることが大事だと思います。

2.参考にしたい「時事系サイト」はこれだ!

・まずは時事の話題について。

石野カプリティオのツイッターで、毎日『時事問題』を更新してるけど、その作問の時に参考にしてるのは、
 ・Yahoo!ニュース
 ・スポーツ新聞のホームページ(sanspo.comとか)
 ・普通の新聞のホームページ(読売朝日とか)
 ・ORICON NEWS
 ・ねとらぼ が結構多いかな。」
古川「へぇー、固いのから俗なものまで広くって感じなんだ。」
石野「あと、Yahoo! とかツイッターとかのトレンドから作ってますね。」
古川「トレンドって今の時代って何よりも表してるかも知れないね。」
石野「知らない単語とかあると調べようってなるし。
 (デレステのキャラだったり、グラブル、FGOとかが多いけどww)」

・ここに挙がっているサイトは、石野さんが例示したものに過ぎないので、具体名に固執したり、偏見をもってご覧いただかないようご注意を。
・大事なのは、色んなアプローチから『話題の幅広さ』を確保すること、いわゆる『アンテナを高くする』こと(への意識)だと思いました。
・続いて、「辞書」系のサイト等についてです。

3.参考にしたい「辞書系サイト」はこれだ!

リコ「辞書系のウェブサイトだと、『ウィキペディア』も勿論見るけど、
  『コトバンク』を良くみる。」
(注)『ウィキペディア』は、有志が編集したウェブ辞書(一般人)
   『コトバンク』は、本で販売されているような辞書を収録(専門家)
古川「それは、コトバンクを色々眺めてって感じ?
リコ「いや、クイズにしたいワードが思いついてから、調べる感じ。」
古川「裏取りを兼ねてって感じね。」

・『コトバンク』について補足すると、
 ・新聞社が主体となって取り纏めたインターネット百科辞典
 ・辞書一覧 にあるとおり、『プロが執筆・編集した信頼性ある情報のみを
  掲載』することで他との差別化を図っている とのこと。
・複数の辞書を手軽に検索できるという点で、非常に有益です。

・ここで、カプリティオラジオには登場しませんでしたが、私(Rx)から
 類似辞書サイトとして『weblio辞書』があります。
・大きな違いとしては、収録辞書数の多さと、幅の広さが挙げられます
 (『Weblio 登録辞書一覧』)ので『読み物』としてもご参照ください。

4.『ウィキペディア』は、こう使い倒せ!

古川「何か、ウィキペディアで作問してるって言い辛い風潮あるじゃん。」
石野「まあまあ、『着想を得』たりとかは良いと思うけどね。」
古川「そうそう。ウィキペディアって、『ありとあらゆること』が載ってるじゃん?例えば、辞書にはない『嵐(ジェニーズアイドル)の曲』とかもあって、そこに載ってる面白い裏話とかがあると、へーって思って。
 まあ嘘かも知れないから、別のサイトとかで確かめたりはするんだけど、まさに着想を得るにはウィキペディアって有益だと思ってる。」

・『ウィキペディアを信頼してはいけない』というのが、十数年前においては大正解でした。2000年代中盤の履歴を見れば一目瞭然です。2ちゃんねるから転載したかのような事実無根の噂や、罵詈雑言など、今のウィキペディアからは信じられないぐらいの『洗練されなさ』具合です。
・そこから時代は下って、2020年代を迎えた現代において、ウィキペディアは、『着想を得る』のにおいては最適だと思います。他人(いわゆるガチ勢)の衆目に晒されるという恐怖が定着してきていますから。

古川「あと、学生の頃、今から10年前とかは『ウィキペディアで作問するのダメ』って風潮が強かったけど、その後の何かの調査で、
 ・『書物』での(誤植とかの)事実間違い  と、
 ・『ウィキペディア』の内容の事実間違い  を比べると、
 ウィキペディアの方が正確だって結果が出たらしくて、
 『本だから正確』ってのも違うかなーって、やっぱり2つだね。2つから情報取るのが大事かなって」
石野「うん、“最低”2つは調べるって感じだね。」
AT「ウィキペディアのページの下の方に『ソース』が書いてあるのは、結構信頼してる。『~~~』って本の何ページとかね。」
古川「◯◯新聞、とかね。」

・古川さんは『ウィキペディアの方が正確』と言っているのではなく、『本だから正確・安心』というのは誤解で、ネットでも紙媒体でも『裏取りは必須』だと警鐘を鳴らしているのだと思います。
・そして、裏取りで今、注意が必要なのは、『(明示していないけど)実はウィキペディアを出典』にしている他サイトが年々増えてきているという点だと感じています。

石野「英語版ウィキペディアとか良いよね。」
AT「日本語版には載ってない情報が結構あったりするからね。」
石野「◯◯賞の受賞者とかは、英語版の方がビッシリ載ってたりするから、別途、裏を取ってって感じ。」
古川「いやぁー、英語なんて読めないよぉー」
AT「まあ全部読んでる訳じゃないから。翻訳の精度も上がってるしww」
古川「AIの精度も上がってるんだろうけど、向こう数十年は、クイズの作問をクイズ作家にやらせて欲しいよね。クイズ自動生成できる説なんてのもあるけど、俺たちのきめ細やかな所は我々人間らしいのをね。」
AT「自動生成クイズ、今の所はそこまでどこも本腰入れてないからね。」

・英語版ウィキペディアまで行くと、有段者の話題になってきますが、ここでも『他にはない情報を得る』ことと『情報を鵜呑みにせず裏を必ず取る』ことは徹底して意識されています。皆さんも肝に銘じましょう。
・まずは皆さんは、『日本語版ウィキペディア』を活用しての作問で腕を磨いていくことをオススメします。
・自動生成のクイズに、まだ人間が完敗していない『今(2020年代)』が、クイズ作問の(ラスト)チャンスかも知れませんよ、皆さん!

5.各人のこだわり と「おまかせ表示」

リコ「まあ、作るだけだったら出来ても、面白いクイズ作るのは別だと思うけどねー、面白い問題作りし集団じゃん、俺らーww」

古川「石野は、作問する上でのこだわりってある?トレンド作る以外では」
石野「こだわりかー、これ僕の自己満なんですけど、問題文でボケて、解答者がツッコむ 的な問題を作ってる(全員に無理強いは出来ないけど、仲間内の時は。)何でそんな問題作ろうと思ったんだよー、的な。
 クイズ歴が長いから、そういうのに手を出してる部分もあるんであって、基本をちゃんと抑えてからの方が良いとは思うけどね。」

AT「早押しクイズを作る時は、自分の知らなかったことをクイズで出すようにしてる。」
古川「ついつい自分の知ってることを出しちゃいたくなるけど、」
AT「これ答えにしようかなって思うワードを色々調べて、そのうちに、『知らなかったけどこれ面白いな』ってエピソードとかを、問題文に入れたりする。そうすることで自分の知らなかったことを作問を通じて吸収できる(知ってることだけ出しても、自分の知識が増えない)から。」

・作問のこだわりみたいな部分が明確に出てきている部分なので、抜粋。
 そこから話はウィキペディアに戻って、知らなかったことを知るキッカケとして、『おまかせ表示』の話題になります。

石野「そういう意味だと、ウィキペディアの『おまかせ表示』を良く使うんだけど、」
AT「イタリアのコムーネ(基礎自治体)とか良く出るやつね。」
石野「そうそうww イタリアのコムーネを幾つか飛ばしてーww
 問題にできそうなヤツを選ぶ、知らなかった単語をクイズにするときは、おまかせ表示を良く使うって感じかなぁー。」

・イタリアのコムーネは、『おまかせ表示』あるあるですよねww
 ちなみに、8,000個ぐらいあるんだそうです。

・と、ここから10分以上の脱線(?)トークは、
 ぜひ本編の動画をお楽しみ下さい!

6.初心者は「紙の新聞」がオススメ!

石野「1個良いですか!? 『紙の新聞』めっちゃ良いよ! 『紙の新聞』からはめっちゃクイズ作れるから、初心者の方はオススメです!」
古川「新聞は結構信用たるソースだと思うわー、分かるは。」
石野「新聞は自分がアンテナを張ってない(苦手ジャンルの)話題の情報も提供してくれて、苦手を補完してくれるので、新聞はオススメです。」
古川「新聞(しんぶん)って凄い名前だもんねー」

・番組終了直前に、石野さんがおっしゃってましたが、『紙の新聞』の密度の高さは、確かに評価に値すると思います。
・新聞を『作問する』という視点で見るのは、私も学生時代にやってたことがあるのですけれど、やはり初学者から手近な媒体として良いと思います。
・動画にも書きましたが、休みや暇な時などに新聞を開いて、『知らない話題や単語』を調べる糸口にしてみては如何でしょう。

※動画のチャットでもつぶやきましたが、一つの目安として『1面につき1問ずつ』作問するだけで、数十問作問できますんで、時間がある時にチャレンジしてみてください!

7.おわりに

古川「難問から、簡単な問題まで幅広く作れるのが『良い作り手』かなって思うので、(質問をくれた方を始め)リスナーに届けられたら良いかなって思います。」

・と、ここまで5,000文字近くを使って、『カプリティオチャンネル』さんの動画の内容を紹介してきました。
・プロのクイズ作家の4名が、どうやって作問のアイディアを得ているか、そして、どういうこだわりを持っているかが聞ける機会が個人的には新鮮だったので、(無断ではありますが)纏めさせてもらいました。

・ぜひ、クイズが好き、作問に興味がある方の、『ヒント』になればと思います。ではまた次の機会にお会いいたしましょう。

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