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震源地別(岐阜・長野県境)地震まとめ

【はじめに】
この記事では、岐阜・長野県境付近を震源とする地震について纏めました。

※2021年9月19日、2020年に続き、群発して発生した地震を受けての公開

1.奥飛騨・上高地付近

◎2020年春の事例

◎2021年秋の事例

2021年9月19日(速報値:M4以上)
17:18 10km M5.0 4 軽 岐阜県飛騨地方
18:59 極浅い  M4.4 2 微  〃
19:04 極浅い  M4.6 3 微  〃

ここ四半世紀の3例では、いずれも「群発化」の傾向がありました。最初に起きた地震と同程度の揺れを伴うケースがあるため、暫くはご注意下さい。

2.乗鞍岳付近

もう少し下った乗鞍岳(剣ヶ峰)付近でも、何例が中規模地震があります。

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1944/12/16 16:38 27km M5.0 弱   岐阜県飛騨地方
1986/03/07 03:25 04km M5.1 弱    〃
2011/02/27 02:18 04km M5.0 弱 4  〃
2011/02/27 05:38 04km M5.5 中 4  〃

ここ100年では数十年おきで3例(4回)起きています。直近では、東日本大震災の半月前にあたる2011年2月27日に発生した事例が印象的です。M5.5に達し、「高山市桐生町」でも震度4を観測しました。

3.王滝村付近

長野県中南西部にある「王滝村」付近でも、ここ半世紀で何度も中規模地震が発生しています。

1978/10/07 05:44 00km M5.4 弱   長野県南部
1984/09/14 08:48 02km M6.8 中 6
      08:57 08km M5.1 弱
      12:49 08km M5.2 弱
  /09/15 07:14 06km M6.2 弱
      07:39 09km M5.6 弱
      09:05 10km M5.2 弱
  /10/03 09:12 05km M5.4 弱
1985/02/26 19:53 08km M5.2 弱
1993/04/23 05:18 08km M5.1 軽
1995/03/17 00:08 10km M5.3 弱
2017/06/25 07:02 07km M5.6 弱 5強

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その中でも大きな被害をもたらしたのが、1984年9月14日に起きた「長野県西部地震」です。Mj6.8(Mw6.2)とほぼ大規模でした。

「御嶽崩れ(伝上崩れ)」と呼ばれる山体崩壊等により、犠牲者29名という甚大な被害が出ました。集落を引き裂く様な画像は多く引用されています。

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当時の震度観測網では、本震(M6.8)が震度4、その後の余震(翌日にはM6.2というかなりの規模)が震度3とされましたが、今であれば震度5~6クラスは間違いない所でしょう。

その後もしばらくは地震活動が続き、直近では2017年に「M5.6」という昭和60年以降では最大規模の地震が発生、新震度階級で「5強」となりました。

4.岐阜・長野・愛知県境付近

南下して、愛知県境付近となると、何例か中規模地震が発生しています。

1926/03/15 32km M5.3 軽   愛知県西部
1963/04/21 05km M5.0 弱   長野県南部
1981/08/18 50km M5.1 弱    〃
1993/01/11 56km M5.0 弱   愛知県西部
2011/12/14 49km M5.1 弱 4 岐阜県美濃東部

こちらは、南海トラフに近づくということもあり、深さ50km付近の地震で、広く揺れが伝わる地震が目立ちます。

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直近では、東日本大震災の起きた2011年の年末に、M5の地震が岐阜県美濃東部を震源に発生し、中部地方で震度4を記録しました。この付近ですと、普段地震の少ない岐阜市や名古屋市付近にも揺れが伝わり、規模が大きくなると、「エレベーターでの閉じ込め」などが懸念されます。

【おわりに】

最後に、県境付近を四角く囲っての中規模地震をプロットしてみました。

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今回は、大体4つに分けましたが、その他の地域でも地震が起き得ますし、規模が大きければ、震央から遠くても揺れが伝わって被害が出るかも知れません。時期によっては雪害にも警戒が必要になることを再確認ください。

そして、「最初の地震が必ずしも最大の地震ではない」ことや、「震央付近では緊急地震速報が間に合わない」こと、「地震が連続して発生するケースが何例もある」ことを肝に銘じて頂ければと思います。ではまた。

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