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「東京都多摩東部」で起きた地震をまとめてみた

【はじめに】
今回は、「東京都多摩東部」を震源(震央)として起きた地震を纏めます。

なお、元にしたのは、気象庁の「震度データベース」のデータです。

1.震央:多摩東部では、約100年で約80回

まずは、「震央地名:東京都多摩東部」で調べられる全期間を対象に検索してみました。それがこちらの図です。

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奥多摩以外の東京都市部全体が範囲のようで、震源が点在していることが、この表からもはっきりと分かります。過去100年近くで、発生は約80回ですから、1年に1回起きるかどうかという単純計算となります。

ちなみに、震度計が沢山設置されるようになった2000年代以降で見ると、2000年代が10年間で11回、2010年代は10年間で16回。いずれも最大震度2以下ではありましたが、震度観測網の密度が高まったことで、単純な回数は2桁に達するようになりました。

2.M4.5以上の地震は過去100年で7回目

それでは、2021年11月に起きた様な「M4.5」以上の地震はどれぐらい起きているのでしょうか。それがこちらの図でして、全部で7回でした。

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今回の地震が一番右側にある黄緑色の丸です。東京23区との境目あたりで、西東京市の地下深くということになりましょうか。それではその過去7例を簡単に見ていきましょう。

(1)1923/11/05 48km M6.3 中震

関東大震災の翌々月に起きた地震では、熊谷で「中震(震度4)」を観測しています。ただ、現在でいう東京都下でM6を超える地震となれば、もし現代に発生していれば大混乱に陥ったことでしょう。

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2021年10月に起きた千葉県北西部の地震は、これより規模は小さいM5台でしたが、帰宅困難者が多く生じ、生活に大きな支障を来しましたから。

(2)1924/01/15 39km M4.5 軽震
翌年にも、東京・横浜で震度2を観測する地震が起きています。

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(3)1931/06/17 57km M6.3 強震

近畿地方から北日本まで有感となった1931年の地震は、1923年と並び、M6.3という規模。1923年のものよりも遥かに揺れが大きく、東京では「強震(震度5)」、北西から南東方向に「中震(震度4)」を観測しました

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(4)1931/06/30 61km M5.0 弱震
その半月後には、M5.0の中規模地震が起きています。一見すると震度分布は最大震度3ですが、このクラスでも現代の東京は混乱に陥ることでしょう。

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(5)1956/12/19 103km M5.2 弱震

過去に比べて西側を震源としており、八王子市のあたりが震央です。関東の内側で震度3、関東地方の周辺を含めて震度2に達しました。

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(6)1981/11/25 140km M4.5 軽震

昭和、そして20世紀最後の事例は、深さ140kmというやや深い地震。体感の時代ではありますが、都心周辺では震度1に達さず、その周辺(銚子や宇都宮で震度2など)に揺れが届いているのが特徴的な分布です。

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(7)2021/11/20 99km M4.6 震度3

そして平成以降で初めてとなるM4.5以上の地震は、2021年11月に発生。やや深めな「深さ99km」。過去の事例と同じく、震源に近い東京や横浜よりも、「熊谷」などで震度が大きくなりがちな傾向が認められました。

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