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火山爆発指数(VEI)で過去の火山噴火をピックアップ(by Wikipedia)

【はじめに】
この記事では、2022年のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の噴火で、目にする機会が出てきた「火山爆発指数(VEI)」について、日本語版ウィキペディアの内容を再編集してみました。

※2022年、約3万年前の「姶良あいらカルデラ」に関する報道で過去の噴火が注目され、火山爆発指数(VEI)への関心も一部で高まったと見て公開します。

火山爆発指数(VEI)の区分

VEIで分類した噴火の例

(VEI2)2000年:北海道・有珠山

  • 1959年 沖縄県・硫黄鳥島
    明王朝へ進貢する硫黄の産地だったが、1959年6月8日の噴火(VEI2)で島民全員が那覇などに移住し、1967年以降は無人島化。

  • 2000年 北海道・有珠山
    3月27日に噴火が予知され、29日に気象庁が緊急火山情報を発表。31日にマグマ水蒸気爆発。

(VEI3)1986年:伊豆大島・三原山

  • 1785年青ヶ島
    全家屋が焼失、八丈島への避難が間に合わなかった島民の半数弱が死亡。その後、約40年間は無人島化。

  • 1986年 伊豆大島(三原山)
    全島民および観光客の1万人超が全員避難。

  • 1990~1995年 雲仙岳
    火山活動は数年に及んだが、1991年6月3日の火砕流での被害が有名。

  • 2000~2002年 三宅島(雄山)
    6月26日からの「伊豆諸島北部群発地震」 → 8月にかけ大小の噴火。

  • 2011年 新燃岳
    東日本大震災の直前(1~3月にかけて)13回の爆発的噴火。

(VEI4)1914年:鹿児島県・桜島

  • 874・885年 開聞岳(鹿児島)
    別名「薩摩富士」。遺跡の発掘された地層によって時期が推定可能

  • 1741年 渡島大島(北海道)
    「寛保津波」で死者2,083名、津波は最大で10m超

  • 1783年 浅間山
    別名:天明の浅間焼け。「天明の大飢饉」の一因とされる

  • 1888年 磐梯山
    死者400名以上(明治以降最悪)

  • 1914年 桜島
    地震と合わせ多くの犠牲者。大隅半島と陸続きに。「科学不信の碑」

  • 2021年 福徳岡ノ場(小笠原・南硫黄島付近)
    国内戦後最大級、軽石が全国に漂流

  • 2010年 エイヤフィヤトラヨークトル(アイスランド)
    火山灰によりヨーロッパ中心に航空機が交通麻痺

(VEI5)1707年:富士山・宝永大噴火

  • 915年 十和田湖/十和田火山
    紀元以降では国内最大規模の噴火

  • 1640年 北海道駒ヶ岳
    寛永の大飢饉の一因か。山体崩壊で現在の形に。

  • 1707年 富士山(宝永大噴火)
    南海トラフの3連動巨大地震の49日後に噴火、宝永山が形成。

  • AD79年 ヴェスヴィオ(イタリア)
    世界史でも習う著名な噴火。ポンペイ市が埋没

  • 1980年 セント・ヘレンズ山(アメリカ)
    ワシントン州にあり、山体崩壊の瞬間が写真や動画などで数多く収められたことでアメリカでは広く知られる噴火。

(VEI6)1991年:インドネシア・ピナトゥボ山

  • 1257年 リンジャニ山(インドネシア)

  • 1600年 ワイナプチナ(ペルー)

  • 1783年 ラキ火山(アイスランド)

  • 1883年 クラカタウ山(インドネシア)
    津波などにより死者36,417人以上。東京でも1.45hPaの気圧変化、日本やフランスでも海面変化(衝撃波によるもの)

  • 1902年 サンタマリア山(グアテマラ)

  • 1912年 ノバルプタ(アラスカ)

  • 1991年 ピナトゥボ山(インドネシア)
    20世紀の陸上噴火最大級。噴火で標高が259m低下。1993年には日本でも冷夏となり、俗に「米騒動」と呼ばれる不作に。

(VEI7)1815年:インドネシア・タンボラ山

  • 10.6~10.9万年前:洞爺カルデラ (北海道)

  • 10.5~11.0万年前:阿多カルデラ (鹿児島県)

  • 約9万年前    :阿蘇カルデラ (熊本県)

  • 約4.4万年前   :支笏カルデラ (北海道)

  • 約3.9万年前   :屈斜路カルデラ(北海道)

  • 約2.2万年前   :姶良カルデラ (鹿児島県)
    2022年1月、産総研により「噴出物の総量800~900km^2」、鹿児島市内で厚さ100mに達したと推定。定義上VEI8に近い破局的噴火か。

  • 約7300年前    :鬼界カルデラ (鹿児島県)
    過去1万年で世界最大規模、九州南部の縄文人が絶滅と推定。【鬼界アカホヤ火山灰】が各地に分布。九州・四国にも巨大津波が到達。

  • BC4860年頃:マザマ山(クレーターレイク)(アメリカ)
    巨大カルデラが形成され、そこに雨水が溜まって「クレーターレイク」と呼ばれるカルデラ湖。現在はオレゴン州にある国立公園に指定され観光地に。インディアン(クラマスの人々)の古い言い伝えに、現代の地質学上の知見と合致する部分があるという。

  • BC1628年頃:サントリーニ島(ミノア噴火)(ギリシャ)
    アトランティス伝説や「ノアの箱舟」伝説等に影響との説あり。エーゲ海一帯に数十メートルの巨大津波が襲来。ミノア文明の衰退に繋がったか。

  • AD180年代:タウポ湖(ニュージーランド)
    ニュージーランド最大の表面積を持つ湖。

  • 946年:白頭山(中国・北朝鮮国境付近)
    紀元後の東アジアで最大級。幾つかのステージに分けられる。偏西風に乗って、北日本に大量の降灰のほか、京都でも降灰の記録。

  • 1815年:タンボラ山(インドネシア)
    降灰、大火砕流、大津波などにより直接死1万、関連死は数万人以上。「火山の冬/夏のない年」が世界的に認められた。

(VEI8)約7.3万年前:インドネシア・トバ湖

  • 約7.3万年前:トバ湖(インドネシア)
    「トバ・カタストロフ理論(トバ事変)」と呼ばれる学説があり、人類の進化に大きな影響を与えたと考えられている。「ボトルネック効果」の例であるとされ、人口が千から万の単位まで激減したと想定。

  • 約2.65万年前:タウポ湖(ニュージーランド)
    直近の「VEI8」とされる破局的噴火。(通称:オルアヌイ噴火)


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