それがいま僕なら、それでいい-N.Flying Youについてー
N.Flyingの正規1集、Man on the Moonに収録されているYouという曲がものすごく好きです。どのくらい好きかというと、Apple MusicのReplay 2021でよく聴いた曲ベスト100にある日突然56位に入ってきたぐらい、すごい勢いで猛烈に好きです。
この曲の好きなところは本当にたくさんあります。
跳ねるようなイントロは心が晴れやかになるし、出だしのスンヒョプのラップはわくわくするし、ユフェスンはほんっっっっっとうに歌が上手いんだな、と聴くたびに新鮮に驚きます。
でも、私がこれは記事にして残したい!と思ったのは、サビの
という歌詞がものすごく好きだからです。
"잊혀지는(忘れら去られる)"という、どちらかというとネガティブな言葉の入った文章が"돼(いい)"で締めくくられているのが引っかかり、初めて聴いたときからすごく印象的でした。
記憶に残っていた一方で意味を理解するのが難しかったので、私なりに言葉を補って解釈してみると
「あらゆる出来事や瞬間は、時間が経てばいつか忘れられてしまうだろう。でも、いつか忘れられてしまう瞬間の一つだとしても、君の今を共に過ごしているのが僕なら、それでいい。」
ということかなと思います。これを思いついたとき、すごく素敵な歌詞!と、感動しました。
この歌詞の直前は
と、すごく優しくて思いやりに溢れているのに、そういう「今」がいつか忘れられてしまうことを見据えているのが切なかったり新鮮だったりして、でも一方ですごく共感しました。
人生の中て忘れてしまった出来事はとても多いし、特に瞬間の単位で覚えていることはごくわずかです。覚えていると思うことも、もしかしたら歪曲された記憶かもしれないと考えると、ちゃんと記憶していることがどれだけあるのだろうと不安になります。それは、自分の中の記憶だけでなく、他の人、特に自分にとって大切な人の記憶の中に自分の居場所があるのか、という不安にもつながります。だから私は、「あなたのことは忘れないよ」と言われると、嬉しいのにその言葉の真偽を疑わずにいられません。
でもこの歌詞は、今が未来において忘れられてしまうことを受け止めて、その上で今を共に過ごすことの大切さやありがたさを噛み締めている歌詞だと思います。「今、君といられることが何よりも大切だよ」と言ってもらえたら、未来の約束なんていらなくて、だからこそ今を大切にしなくては、とすっきりした覚悟を決められるような気がします。
今よりも未来のために頑張らざるを得ないような日常の中で、こんなふうに今を抱きしめる気持ちは私にはとても眩しく、同時に、自分の中でちゃんと育てたい、離したくないものです。だから、この歌詞をきくたびに胸がキュッと縮むような、でも温かいような気持ちになります。
一つの歌詞について長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!
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