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明けまして初購入2024。



この世には眼鏡が多すぎる。

私は強度近視一歩手前の近視と乱視持ちで、眼鏡もしくはコンタクトが無いと生活できない状態である。
眼鏡の寿命は4-5年程度、と言われて東京に出てから買った今の相棒を見ると寿命をとうに超えていることに気付いたところで、
JJF活動の一環で去年の春から眼鏡を探そうとしたのだが、びっくりするぐらい眼鏡には種類がある。
安価で何本も作れるようなものからハイブランドまで。
国産、外国製。形も様々。
自分の顔にピタリとハマるようなものに出逢えるか?となると膨大な数にうっとなってしまう。

究極の自問自答かもしれない……とくらくらしながらJJGの眼鏡探しレポートを読んだり、時に試着の旅に手伝って貰ったりで様々な知恵を借りたのだが。

「……私、みんなが探してるタイプの眼鏡がほしいんじゃないのかもしれない……?」

皆が気に入るような眼鏡、オススメのお店、沢山情報はあるのに私には何かちょうどいいしっくり感がない。
今の眼鏡もちょっとくせのあるデザインだったし、と買いに行った店も見に行ったが残念ながら好みのものはなかった。
何より「今時はやりの眼鏡」が滅茶苦茶に合わない!!
セルフレームだめ!クラシックな形だめ!!なんでみんなかっこよく着けられるの!!

と、打ちひしがれた先にあったのが、天啓だった。

「お客様にはこれだと思います」

新宿伊勢丹の7階にある眼鏡フロアを見て何気なしに試着をしていたところ、そちらも素敵ですけどね、とそっと近づいてきたお年を召した店員さんに声を掛けられた。
「ですがお客様がいらしたときにこれだと思ったものがありまして、こちらいかがですか?」
と差し出されたブランドがBOZだった。
(それにしても私は「何か見透かされるような店員さん」にお世話になることが多い。何故だろう)

その時は予算と金額の面でもなかなか購入が難しく見送ったのだが
あのティアラみたいな眼鏡が欲しい……と通ってみたがいつの間にか売り切れてしまった。
しかしそのうちにBOZのデザイン自体に惚れ込んでいた自分は他の在庫も夢中になって掛けていた。

それ以外にも良いと思ったのは大体フランス産のデザインのもので、眼鏡探しの旅ではBOZかlafont.で迷うことが非常に増えた。

そのうちわかるようになったのは、形はフォックスが一番望ましい。
レンズが四角でも丸でも、デザインで端っこがつんと尖ったシェイプを持っているものを選ぶと良いこと。(確かに今の眼鏡のデザインもそう)
眉にカーブが合うレンズが大きめの眼鏡の方が似合うということ。
(私は瞼が広いのでなおのこと空間を埋めるための大きなレンズが必要そう)
それを十分に満たしてくれるBOZの在庫が一個だけ、新宿伊勢丹に残っていた。

一度通い、二度通い、店員さんに「以前もいらっしゃいましたね」と言われながら三度通い。
いついってもまだいる。まだ残ってる。なんだったら自分で棚を開いて在庫を確認するレベル。
待っているかのように、その一個の眼鏡はずっと残っていた。

そして時は2024。

少し出遅れたが、まだ松の内ということで伊勢丹詣をしたのだが、セールセールセールと並ぶ文字とほどほどの人の多さに疲れて、春服の予感として感じていたデニムを探しにメンズ館にまで行って(女性ものだと股下の長さが足りないケースが多いので)何本も試着したのだがなんだかピンとくるものがない。
「(デニムならdaskaで今日履いた半額で自分の型紙で作って貰える)」
と思いながら結果としてデニムを探すのを諦めた。

と、なったときにはたと閃いたのが本館7階の眼鏡フロア。
果たしてあの在庫はシンコンセプトの「正しい方向を照らす悪い先生」に合いそうか?
ソーイングビーのエズメみたいな人になれそうか?
(ちなみに今、配偶者にデザインを見せたところ「淡々飄々として小話が面白いタイプの先生」と言われたが、実際のところ私は『これ』に近い)
勝手知ったる在庫の棚を開いて在庫があることを確認してもう一度掛けてみる。

……うん、いいかわるいかはわからないけれどなんか面白いことをやらかしてくれそうな先生だ。

色々掛け比べてみたけど「先生」なのはこれしかない。
ということで改めて検査して貰ってパソコン用に手元と遠目を調整できるレンズにして貰う。
またこのレンズが高いんだ。フレームよりも高い。
だが仕方が無い、と諦めて出されたお値段の分をきっちりとお支払いして下旬には届くようになった。

帰り道、電車に揺られながら考える。
「(買ってしまった、トータルで家賃より高い眼鏡ーー!!)」
レンズに気を遣うとこういうことになるのだが在宅勤務が続くことやこれからおしゃれ眼鏡としても着けることを考えるとこれぐらいは致し方ないかもしれない。

まあ眼鏡なんて毎日着けるのだから減価償却なんてあっという間だ。そうだろう?と信じながら私は新しい眼鏡が届くのをこころから待っている。あえて今回は買ったデザインは上げないでおくことにする。いつしかどなたかにお会いしたときにもしも眼鏡姿で出逢えたら、ちょっと自慢げに見せてしまうかもしれない。

なんせ、何度も逢瀬を重ねてお迎えしたキスマークが素敵な人ですから。

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