孤独に蝕まれる

毎日、やばいなあ、これやばいなあ、と思っている。

約束なしに会える人はいない。ご飯は基本、ひとりで食べている。
そんなだから会話能力は衰えるばかりで、ますます人とからむのが億劫になる。

孤独に侵食されきって、心はいつも灰色。スカスカの水ぶくれ。芯のない浮き雲。なにかしっかりした柱のようなものは、ボロボロに崩れて今にも崩壊しそうだ。

誰かとの関係が深まったり発展したりすることに期待する心がない。だってわたしは、一番身近な家族と、親密な関係を築けていない人間だから。

これが、わたしの現状。

でも、変化が起きている。

自分の家族って、いいな。生まれて初めてそう思ってる。
去年、「たったひとりに出会う」というコンセプトが生まれて初めて腑に落ちた。
お姫様と王子様の物語をはじめ、世の中は「たったひとりに出会った」物語であふれている。でも、それがずっとしっくりこなかった。
同じように、「わたしと夫と子どもたち」っていうコンセプトがずっとしっくりこなかった。お母さん役、やりたくないし。みんながやってることをやって何が楽しいの?
みんな、自分が生きた証を残したい。その根源的な欲求を満たせるのが子孫を残すことだから、やってるのかな。
そんなふうに思ってた。

それが、なぜか突然、腑に落ちた。
素直に、いいものだなって、思った。
自分に合った人と結婚して、生活をともにして、家族になっていく。
結婚式でよく言う"家庭を築く"。"人生を共に歩む"。

それって素晴らしいことじゃないかと、そう思う。
そして、そんなに自分の全存在をかけて仕事しなくてもいいじゃないか、とも思う。

「あれ、わたし何のためにこんなに頑張ってるんだろう。頑張ってるっていうより、意地を張ってる?」

そう考えたら、家族とかそれを含む世の中のためにヒーローになろうとする男どもの気持ちも理解できる。うざくない。むしろ、かわいい。

応援しあえる関係。それが理想だ。

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