RTAを始めたいあなたへ

はじめに

 はじめまして、きせあきと申します。我こそ日本RTA術の行く末を真に憂う者である。…嘘です。別にそんなでもないです。RTAの未来は明るい。多分。
 この記事は昨今密かに流行っていたりいなかったりすると話題のRTAを始めてみたい、なんとなくRTA配信を見てるけどRTAって実際よくわかっていない。そんなあなたに一走者の立場から参考程度の知識やアドバイスをお届けしたい、そんな感じのささやかなものです。

 ご了承いただく事項として、本記事の内容は個人の意見に基づくものであり、ここから発生する不利益その他に対し一切の責任を負いません。もちろん記事として起こす以上、正しい知識をお届けすべく尽力いたしますが、間違いなどありましたら申し訳ないです。また、有識者様からのご指摘や訂正などもお待ちしております。ご教示いただけますと幸い。どうぞよろしくお願いいたします。
 
 さて、この記事ではきせあき個人の体験を基にRTAをどうやって始めていけばよいのか、もろもろのツールの使い方や設定はどうすればよいか、ついでに配信してみたいけど何からやりゃいいのなどなんとなく知ってる気でいたけどそういえばよくわかっていないあれこれなを解説して参ります。
 あくまで個人の体験に基づくため、自分がやってないことはわかりません。そこはごめん。

 また、思い切って筆を執ったはよいですが、実際のところ世の中にはRTAPlay!というRTA初心者向けの情報をまとめたサイトですとか、最新のイベント情報やトピックなどを発信されているRTAGamersといったサイトが既に存在しており、そちらで有益な情報はおおよそ拾うことができます。
 ですので、この記事についてはしつこいようですがそれらを個人で実際に行っている実例としてご紹介するものと捉えていただきたく。いよいよもってこの記事の需要とは。
  
  また、宣伝ですが下記でRTA配信をはじめあれこれとやっています。応援していただけるととっても嬉しい。フォローお願いします。
https://www.twitch.tv/rocked_clown/

 例によって長くなっちゃったので下記の目次からお目当ての情報を拾っていかれるがよろしいと思います。


RTA概論

そもそもRTAってなに

 一応には一応、ここから話を始めてまいりましょう。
RTAとはRealTimeAttackの略称で、ゲームのプレイ開始からクリアまでのタイムを計り競う遊び方のことです。最近はゲームじゃないRTAもちらほら見かけますけども。
 要はゲームという遊びに競技としてのルールを定めてタイムを競う、それくらいの解釈でいいのかなと思います。また、海外ではもっぱらSpeedrunと呼ばれています。

RTAとTA

 RTAという語を厳密に定義しますと、リアルタイムアタックという通り現実の時間で計るもののことを指します。逆に言えばそうではないものも存在します。ゲームによりますがクリアリザルトやメニュー画面などでIGT(In-Game-Time、つまりゲーム内時間)が表示されるものや、複数のプラットフォームで遊べるゲームでは機種によるロード時間の差をなくすためにロード時間を省いたタイム(w/o load,without loadなどとも表記される)で競われることがあります。そちらはシンプルにTA(TimeAttack)と略されることが多いようです。
 また、RTAやTAのことをひっくるめた語としてSpeedrun(スピードラン)という言葉が使われます。実際のところ、日本ではなんとなくRTA≒スピードランとして使われがちな感じがあるので厳密な使い分けをしないと怒られるってこともなさそうですが、自身が走りたい/よく見ているゲームがRTAなのかTAなのかは知っておくとスマートです。よくTA警察が湧くし。

カテゴリについて

 それぞれのゲームには、そのゲームをプレイしているプレイヤーたちによってルールが定められた「カテゴリ」が存在します。有名なものではAny%(スタートからエンディングまでを最短で進むもの)や、100%(収集可能なアイテムや図鑑などすべての収集物を集める。どこまでやるかはゲームごとに違う)など。そこに、Glitchless(バグ禁止。逆に何も書いてないものは原則バグありなことがほとんど)やNMG(NoMajorGlitch、主要なバグ技の禁止。何を禁止するかはゲームによってまちまちだが大体はゲームをぶっ壊すようなデカいバグを禁止している)などの副条件が付いてきたりします。
 そのほかにもゲームごとにバリエーション豊かな様々なカテゴリがあり、中にはゲームプレイヤー間で蛇蝎のごとく嫌われているムカつくNPCをぶっ飛ばすまでのタイムを計測するものもあったり。

どうやって始めるの?

 そもそもタイムアタック自体遊び方の一つでしかなく、ごくシンプルなところからであればゲームをプレイできる環境とキッチンタイマーがあればだれでも始めることができます。ゲーム内にタイマーがあったり(レースゲームなど)、タイムアタックモードが搭載されているゲームがあればプレイするだけでもタイムアタックと呼べるのです。が、おそらくこの記事を読まれる方が知りたいのはそのラインではないと思うのでもう少し掘り下げましょう。

 他の人とタイムを競うために必要なものは録画とリーダーボード(ランキング表)です。
 ランキング表についてはいくつか存在しますがとりわけ有名なのはSpeedrun.comというサイト(よくSRCと略されます)、ついでニコ生RTAwiki(現在はニコ生で配信していなくても掲載可能なよう)などです。
 その他、MegaManLeaderBoard(ロックマンシリーズ)やSpeedSouls(ソウルシリーズ)など、シリーズ特化のサイトも存在します。
そういったサイトに自分の取ったゲーム動画を投稿(つべに上げた動画やツイッチの配信ダイジェストのランの切り抜き部分などのリンクを貼る)することで精査してもらい、ランキングに載るわけですね。

RTA一問一答

 こちらではRTAをこれから始めたいあなたの疑問(当社調べ)にお答え!不安を解消してRTAライフを楽しんじゃおうというコーナーですね。そういうわけでいきましょう。

RTAってゲームが上手い人がやるものでしょ?

 そうではない…というよりは因果関係が逆だと思っています。上手い人がRTAをやるのではなく、RTAを始めて練習しているうちにうまくなっていく、といった形。
 中にはそのゲームが上手いという自信があって始めてる人もいますが、全員がそうではありません。最初は何年ぶりに触るんだろうってくらいの、思い出しながらのおさらいプレイから始めても大丈夫。ちょっとずつ練習していきましょう。
 僕は自分が好きなゲームでもただ目的もなくプレイしているとすぐ飽きちゃうのでタイムを縮めるという動機付けをして自分が好きなゲームを飽きずに無限にやれる口実としてRTAをやってる節があります。RTAもゲームの遊び方の一つですし、そんなもんでいいんです。

走者になるなら配信しなきゃダメ?

 別にそんなことはないです。RTA走者と一口に言ってもいろんな生態の走者が生息していて、大分すると二通り。
 各種配信サイトで配信して走る走者と、表には現れず録画だけして記録を詰める走者ですね。
 ついでに言っちゃえば配信者も二通りいて、RTAを配信コンテンツの一つとして行い、雑談や初見ゲームプレイなどもするタイプと配信アーカイブで記録を残すことを主目的にしてマイクなどつけず淡々と走る方とがいます。
 今あげたのはあくまで例で、いろんなやり方をしている人たちがいます。ここで伝えたいことは走り方に強制や制限はないので好きにやればいいということ。配信をするもしないも自由、走者を名乗るなら配信でRTAしかしちゃいけないなんてこともありません。

RTAするからには世界1位を目指さないといけないんでしょう?

 Noです。断じてNo。
 もちろん世界記録を目指すのはとても素晴らしいことですが、決して強制されるべきものではありません。ランニングが好きで走っている人間はオリンピックや東京マラソンの1位を目指さなければならないとかそれくらい素っ頓狂な話です。
 目標設定は個々でしてよくて、100位以内を目指したい!でも〇分切りを目指したい!でもいいし、バグ技決めるのが楽しいからチャートなぞりたい!でも一緒に始めたあいつにだけは勝ちたい!でもなんでもいいんです。
 むしろ世界記録を取った後でも、いや、まだ縮むな…とかいって走り続ける人だって多いです。

走るからには一つのゲームを終生走りこまなきゃいけないんでしょう?

 これもNoです。
 このゲーム合わねえな…って思ったり他に面白そうなゲーム見つけたりちょっとメインのゲームにつかれたり、おすすめされたゲームが思いのほか面白かったり。そんな時に別のゲームをやることは多々あります。
 一応付記しておくともしあなたがRTA走者です!と名乗りたいのであれば、自分にとってのメインの作品(orシリーズ)などを看板として据えておくとこの人って●●走ってる人だよね~って認知してもらえるので何かとメリットがあるのは事実です。
 だからと言って走り始める前から俺はこのゲームを絶対メインに据えるんだ!って作品を決めて始める必要はありません。RTAをやっているうちに偶然出会ったゲームにドハマりしたり、ちょっと人にもらったりすすめられたゲームを走っているうちに面白くなってきて自然とメインになることなんでままある話です。
 例えばソウルライクのゲームを走りたいな♪って思って始めたはずなのに偶然出会ったブラジルの神ゲーにRTAライフを狂わされた人間だって世の中にはいるわけです。
 こ、こんなはずでは…。でもそんなもんです。実際。でもあのゲームブラジル人に曰くブラジルのダークソウルらしいし本懐は遂げているのかもしれない。

配信のあれこれ

 さて、おそらくこの記事を読んでいる皆様はRTA in Japanなどのイベントや各人の配信などを見てRTA配信をしてみたいと思う方が大半であろうと思う。配信せず裏で走るタイプの人は大体こんなもん読まないで自分で調べて走ってることがほとんどなので。 というわけで配信の準備の話をしていきましょう。
 RTA配信において必要なものはおおよそ、
・PC
・ネット回線
・配信ソフト
・マイク(と任意でカメラ)
・ゲームのキャプチャ環境(家庭用ゲーム機の場合)
・やりたいゲーム
・タイマー
あたりになってくるでしょう。

 もっと極論でいえば、スマホのカメラで直撮りしながらお隣にキッチンタイマーでも置けばやれなくはないんですけど、本記事ではとりあえず記録申請と配信が十分に可能な環境の構築を目指します。
 PCやネット回線については深く触れません。強けりゃ強いほどいいです。それはまあそう。しいて言うならもしあなたがVtuberとしてデビューし、ついでにPCゲームも遊びたいならば一般にハイエンドPCと呼ばれるくらいの高スペックを用意しておいた方が後々後悔しないかもしれません。
 あと回線についてテザリングで配信やるのはまず無理なのでご自宅にネット回線を引くとよいです。

配信ソフトの話

 まずはこれがないと始まりません。僕はTwitchでの配信しかしていないのでそれを準拠して説明します。配信周りの話は調べれば大量に出てきますので他のプラットフォームのことは下手なことを僕が言うより調べてもらった方が確実です。
 配信ソフトについては今人気のものが二つ。
 OBSTwitchStudioです。TwitchStudioは最近Twitch公式から出てきた配信ソフトで、Twitch配信に必要なあれこれを全部入れこんだ非常にわかりやすいデザインとめんどくさい設定をオートで全部やってくれちゃうところがとっても優秀。なんですが配信設定をオートでやるとだいぶ攻めたセッティングにされるので注意が必要かも。
 OBSはあらゆる配信プラットフォームで使えるソフトで詳細な設定が可能なところ、そして有志が作成している多種多様なプラグインによってさまざまな便利機能を取り入れることができる点が魅力。拡張性が多く、知れば知るほどやれることが増えていきます。
 配信ソフトの詳細をここに書き始めると記事の長さが何倍にも膨れ上がるので、細かい使い方はこちらこちらをご参照いただきたい。記事によっては情報が古かったりするかも。

マイクやカメラの話

 この辺は配信をするなら思い切っていいものを買っちゃいましょう。安物だと予想以上に質が悪く、すぐにいいやつに買い替えなきゃな…となって無駄な消費になってしまいます(体験談)。安いマイクを使っていると音がガビガビになっちゃって配信においての大きなディスアドバンテージになりがち。1万~2万くらい出すつもりでいたほうがいいかなって感じです。
 マイクについてはダイナミックマイクとコンデンサマイクの別があったり機材の幅が本当に広い。僕もとてもじゃないですが語り切れません。参考までに僕はHyperX Quadcastを使っています。OBS側でコンプレッサーなどをかけている程度でおおむね不便なく使えています。そのほかShureのマイクとかもだいぶ人気な印象。

 もしボイスチェンジャーやエフェクトを使って遊びたいなら、オーディオインターフェースは必須です。マイクもオーディオインターフェースを通せるかを調べて買いましょう。ちょっと後悔してる。
 安物マイクとフリーソフトのボイチェンコンボはよっぽど知識があって完璧に調整できる人間でない限り大事故を起こします。

 カメラについては申し訳ない、実は僕がGoProをwebカメ代わりに運用してしまっているので具体的なおすすめができませんがこちらも1万円程度は見ておきたいところ。ちょっと詳しい人に聞いて追記しますね。

キャプチャ環境の話

 本題に入る前に一つ、ディスプレイは2枚用意しておくとよいです。片方にゲーム、片方に配信管理画面を出しておくと何かと便利です。もうあたし1画面に戻れない。
 さて本題ですが、PCゲームであればそのまま起動して配信ソフトで画面を取り込めばよいでしょう。家庭用のゲームの場合キャプチャーボードと呼ばれる機器が必要になってきます。値段もピンキリですが、最終的にはいいやつを使いたいところ。安価なものを買う場合でも「パススルー機能」があるものを選んでおくのが吉。
  パススルー機能は、取り込んだゲームの映像や音声をPCだけでなく他のディスプレイなどにも直接表示できる機能です。

 家庭用ゲームのRTAをSwitchなどの新しいハードであれば普段画面にさしてるHDMIケーブルをキャプチャーボードにさしてあげて、そこからPCに接続すればOK。
 レトロゲームのキャプチャはちょっと複雑になってきます。三色端子やS端子をHDMIに変換してあげる変換機が必要になります。また、そのまま変換すると出力遅延が出てきてしまってゲームがしづらいので中には遅延の少ないRetroTinkなどの変換機を使ってらっしゃる方もいます。
 また、レトロゲームのキャプチャ環境についてのまとめ記事やご自身の環境を子細に紹介してくださっている方がいらっしゃるのでご紹介します。

【ガイド】GV-USB2の使い方・設定方法。レトロゲーム用に
https://vip-jikkyo.net/how-to-use-gv-usb2

レトロゲームのRTAを始めたい初心者向け配信環境の紹介(PS2配信の場合) - ゴミ捨て場
https://popotan322000-memo.hatenablog.com/entry/2023/01/25/190158

ゲームの話

 やりたいゲームについてお手元のゲームを遊んでいただければ基本それで大丈夫なのですが、ちょっとガチ勢向けの話をすると複数のハードで出ているゲームやバーチャルコンソールが存在するゲームではハードによる最速環境というものが明確にあったり、ハードごとにカテゴリがわかれていたりしますのでSRCを見たり先駆者に聞くなどして調べておくとよいでしょう。
 最速環境の例でいえば、64のソフトだがWiiのバーチャルコンソールでプレイするのが最速であるためヤフオクやメルカリで当該のソフトが入ってるゲーム機を探す必要があったり、海外版が最速であるため海外版のゲーム機とソフトをあの手この手で引っ張ってくる必要があったり、なんてことがあります。

 ですが、これはそのゲームを本当に突き詰めたくなった時に検討すればよいとおもうので、とりあえずはお手元のゲームでやってみましょう。
 Switchオンラインに収録されているSFCゲームなどの場合、巻き戻し機能が使えるためそちらの方が練習しやすいなんてこともありますし、まず無理のない範囲で準備してみて本気で走りたくなったら最速環境の導入を考える程度で大丈夫。

タイマーの話

 タイムアタックである以上、画面上にタイマーを載せておく必要があります。IGTがゲームクリア後のリザルトに表示されるなどで必須でない場合や記録動画に後からタイマーを載せることが許可されている場合もありますが、ペースを把握してラン中に戦略を変えたりすることもできますし、まずおいておいてよいです。
 RTAにおける現在の主流のタイマーはLiveSplitです。別に普通のタイマーでも問題はないのですが、livespritは自分で設定した区間ごとのタイムを取れたり、自己ベや世界記録比の±ペースを視覚的に出すことができたり、背景や区間に画像を設定したり、区間ごとに設定したメモを表示しておくなどプラグインを利用して細かい情報分析や表示が可能でとにかく便利です。
 現状はよほどのこだわりがない限りこちらを使っておくのがよいでしょう。子細な使い方については下記の様にまとめてくださっている記事などがあります。

[RTA]LiveSplitの基本的な使い方
https://note.com/castella1013/n/n76efb7db505e

難しそうな単語が出てきますが頻出単語をまとめておきます。また、下記のような用語集も参照すると理解が早いでしょう。

Livesplitのこの数字やあの設定、どんな意味? Livesplit用語辞典
https://rtagamers.com/rta-tools/post-13064/

工事中・・・。急いで整備します。ごめんね。

RTAのあれこれ

 さて前項では配信にフォーカスした情報をまとめてきました。ここからは実際にRTAを走っていくための知識やヒントをまとめていきます。どっちかっていうと調べても出てこない系の知識はこっちの方なんですが、調べても出ない理由は本項の内容が個々の考え方によるものだからです。ですので、これは筆者の考え方、一例ととらえていただき、ご自身でより良い考え方ややり方を考えていっていただければと思います。

走るゲームの選び方

 走りたいゲームが決まっている方は飛ばしていいので心に決めたゲームを思う存分走り狂ってください。
 結局のところ、自分が好きなゲームを走るのがモチベーションにも一番良いです。が、好きなゲームいくつかあるけどどれにしよう~~とお悩みの方や、好きなゲームあるんだけど走るのに向いてねえんだよなアなんて方もいるかと思うので、RTA初心者が練習を続けやすいゲームの特徴を述べておきます。候補の中で以下に合致する点が多いものを選ぶとよいでしょう。

1.日本人の現役走者、RTAコミュニティが存在する
 ゲームを選ぶうえで大きなポイントです。ゲームそのものや配信について、RTAテクニックについて質問をするとか、上達が停滞してしまった時にアドバイスをもらうなどコミュニティから受けられるサポートは何にも代えがたいものです。何事にも先達はあらまほしきことなりと昔の人も言っている通り。
 先駆者が一人もいないゲームを走り始めてみたもののチャートの組み方がわからなかったり上達の実感がわかず練習の仕方もわからずモチベーションが尽きてやめていく…となってしまうと悲しいものです。そんな時に頼れる人やコミュニティはとにかく重要です。

2.走りやすいゲームを選ぶ
 というと抽象的な物言いですが、具体的にはステートセーブ機能がある、コンテニュー区間が多くリセットやミスした時のリカバリがしやすい、乱数によるタイムブレが少ないなどの要素があると走りやすいです。
 リセットのたびに飛ばせない長いOPを何分も見なくちゃいけなかったり、ミスしたらめっちゃ長いステージのはじめっからやり直しになったり、自己ベペースでラスボスまでたどり着いたのにラスボスが乱数による遅延行為を一生行ってくるせいで自己ベが消えるなんてことが起きるとマジでやる気がゴリゴリ減ります。そういうゲームはRTAを始めたてのうちは避けた方が無難かも。もちろんそんな要素があっても自分のゲーム愛で逆境を跳ね返せるなら全然OK。手前みそではありますが、筆者もソニックアドベンチャー2のナックルズ乱数で記録をなくしたことは10回20回ではすみませんがゲームが面白くて通すのが楽しいので全然気にせず走れてます。

3.リーダーボード上の走者が多いゲームを走る
 これは1,2と大きく関連する要素…というかもはや1,2に当てはまるゲームの探し方みたいなもんなんですが、走者が多いゲーム=人気なので日本人コミュニティがあるし走りやすいゲームである場合はほとんど。
 何より走者が多いゲームの場合、「初心者向けルート」、「中級者向けルート」、「世界記録狙いルート」などしっかりと別れていることが多く、習熟度に合わせて比較的難易度の低い技からちょっとずつ習得して段階的にうまくなっていく過程を楽しむことができてとても楽しいです。解説動画や記事が豊富にあったりして独学がしやすいのもうれしいですね。
 走者が数人しかいない場合、1位の人がやってる技やチャートを無理やりまねして通すとかになりがちでつらくなっちゃうことも。

 それかRTA in Japanなどのイベントで見て面白いと感じたゲームを走るのもありです。実際先駆者がそこにいるわけで聞きに行くことだってできますし。

 以下は個人的おすすめですが、もし走りたいと思ったゲームがマイナーなゲームであった場合、まずは上記のようなゲームでRTAという遊びそのものに慣れてみてからチャレンジすると続きやすいかも。もちろんこれはあくまで一例で、やりたくてたまらないゲームがあるなら気にせずやっちゃいましょう。それが一番楽しい。やってみて無理なら一度離れて、別のゲームは知ってからもう一回戻ってきたっていいんです。

RTAってどうやって練習するの

 んまあぶっちゃけゲームによりますよね。とかいうとこの記事の意味がなくなるので、ある程度の共通項や事例などをあげてみましょう。

 まずは解説動画や記事があるならちゃんと目を通す。見つからないなら先駆者にお願いして聞いてみる。そのあと解説動画とか誰かの自己ベ動画とかを見てお手本にしながら区間区間にちゃんと分けて練習していくのが基本です。
 例えばマリオなら1-1を途中途中止めてお手本見ながら練習していく→1-1全体をお手本見ずになんとなくできるようになってきたら1-2へ。1-2も途中途中止めてお手本を見て…という感じで練習して、最後に全部組み立てていく。
 とはいえ、区間全部完璧にするまで通しはやらないぞ!って根詰めすぎるとつらくなっちゃうので、ある段階でスタートから今自分が練習できたところまでを通してやってみるとか、思い切ってタイマー付けて通しやっちゃうとかぜひやってみてください。通しやってみると思いのほか「あ、ここわかんね」とか「通しだとここ全然できねえな」みたいなポイントが出てくるので練習の質が上がったりします。
 上級者になってきても上記のサイクルはそんなに崩れません。通しをしてうまくいかないところを区間練習して、また通して…というサイクルをずーっとやります。そうしてタイムが縮んでいくのがたまらなく楽しい。

 テクニックやバグの練習は、入力表示をつけてくれている人の動画を参考にすることが多いです。YouTubeに上げてくれている動画をコマ送りで見たりとかはめちゃくちゃやります。
 通しで走れるようになってタイムを見れるようになってきたら、自分が目標にしているタイムを出している人の自己ベ動画を見てみましょう。一応出来はするけどまだ安定しないバグ技を使うかどうか、どの部分で思いっきり攻めて、どこで安定取るのか。タイムのやりくりをするうえできっと参考になります。
 真似するわけではなく、それを見たうえで自分の得意な箇所、苦手な箇所に合わせて最適化して自分なりに試行錯誤していきましょう。そうして縮まったタイムは何にも代えがたく嬉しいものです。それがたった1秒でも、0.1秒でも自分で削り出したタイムはかならず自分の自信になります。誇るべき自己ベストなんです。

 最後に、ゲームによって練習用のツールであったり練習用ソフトだったりみたいなものがあったりします。この辺は先駆者に聞いてみるとよいでしょう。

最後に

 以上がRTAをやってみたいあなたへと向けた僕なりのアドバイスです。体系的にまとめようとした結果随分と長くなっちゃいました。一部分でもお役に立てたなら嬉しい限りです。
 読まれた方にお願い。もしこの記事があなたの役に立ったなら、リプでも引用でもDMでもNoteのコメントでもなんでも、どうか一言いただけると嬉しいです。
 どうやったら人の役に立てるものかと頭を悩ませながら書き上げたものです。出したはいいものの反応がないとやはりさみしいのです。参考になった!とかこれみてRTA始めました!とかもう一言でスーパーハッピーなのでどうか。

 また、これを読んでもっとこの情報が欲しい!とかこれはどうすればいいの?なんて質問などがあればそちらもぜひぜひお寄せください。どうしても慣れている人間が書くと初心者が躓く点などを見落としがちになるので、そういったご質問も記事の完成度を上げる貴重なご質問なのです。お願いします。

ご意見、ご感想、ご質問はこちらから↓
https://peing.net/ja/rocked_clown

この記事を読まれた走者の方へ

 ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。
 こういった記事を公開するとSNS上で意見が非常に多く飛び交うことは百も承知なのですが敢えて申し上げたいことがございます。
 もしこの記事の中に「誤った事実」があれば直接ご指摘ください。直ちに事実を確認の上修正をいたします。
 もしこの記事に「考え方や意見の相違」があるのならば、ぜひ後進のためにもブログやNoteの記事などアクセスが容易な媒体であなたの意見をちゃんと残してあげてください。入門を志す方々にとって資料や考え方の例はいくつあっても良いものです。どうかご協力ください。

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