押し付け

仲のいい同僚がいた。一緒に仕事をしたことがなく、友達のような同僚だった。
その同僚とこのたび仕事をすることになったので、通院していること・自社が怖いことを伝えた。なるべくなら行きたくないから、自社に行くのは休めるよう上司と調整していると、上司の前で伝えた。
人が多いところは怖いし、人と話すのも怖い。以前のように働けないことや薬を飲んでぼーっとしてしまうことがあるけれど、このプロジェクトはお客様に恩があるから、休職や退職を選ばずやり遂げたいと、上司の前で同僚に伝えた。

結局自社の強制イベントは休むことはできず(現場は行ってるのに自社のイベントだけ休むことに不安を覚えたし、何より突発的に休むことは根本の解決策ではないから、ここで社長に怪しまれるほうが面倒だと思った)、自社に行った。
が、事前に薬を飲んでいるにも関わらず呼吸が早くなる、動悸、手が震えるということがあり、自社のイベント終了後、同期とご飯に行った。

彼はいう。
「忘れろ」「運動しろ」「趣味を持て」「その考え病んでるよ」「怖い」、挙句「不幸とは」を語り出した。
わたしはいう。
「忘れることは根本解決にならないから解決したくて悩んでるし上司にも相談してる」「ランニングシューズを買ったけど、人目を気にして外に出られなかった」「7万円のカメラを買ったけど、綺麗なものも撮りたいものも分からないから趣味にできてない」「病んでるから通院して薬飲んでるんだよ」「わたしも怖い」「定義じゃなくて、今不幸を感じてる」
病んでいないあなたが考える全て実践した上で、今のわたしなんだよと言ったけど、彼は自分の考えを語っていた。
最後に、「上司に相談してるけど上司はわたしがイベントを休むことに積極的じゃない。そんなにいうあなたが責任取ってくれるなら休みたい」というと彼は言った。

「休みたいなら休めばいいじゃん」

わたしの言葉なんて、一ミリも届いてないんだと思った。
帰路に着く途中でLINEをした。

「休んでいいっていうなら、もう休職したい」

彼の答えは「そういうつもりで言ったんじゃない。ただ、気が軽くなればと思って」だった。

わたしが悩みすぎで忘れなさすぎで気にしすぎで、1人で思考が堂々巡りしているのはわかってる。怖いやり遂げたい恩返ししたいでも怖い、そんなことの繰り返しだ。
わたしが悪い。いくら薬を飲んでもその思考は消えない。
わたしが悪い。そうやって気にし過ぎてきたおかげで仕事の評価を得てたとしても、考え方を変えられないわたしが悪い。
わたしが悪い。辞めることを決断できないわたしが悪い。
わたしが悪い。友達みたいな同僚だったから、一緒に解決策を探してくれると勝手に期待してた。

わたしが悪い。ぜんぶ、せいしんをやんでるわたしが悪い。


わかっちゃいるけど君には少しでも声を聞いて欲しかった。

価値観の押し付け、お互いにだったな

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