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◼2024/25ACL出場チーム紹介 上海海港

◼2024/25ACL出場チーム紹介 上海海港

昨年の紹介記事はこちら  


・クラブ概要


■上海海港 Shanghai Port Football Club (昨年リーグ戦優勝)
 2000年に元代表監督徐根宝(Xu Genbao)が私費投じ、上海北郊の崇明島に創設した上海東亜が原点、中乙(3部)からスタートし12年中超(1部)昇格。
 本来育成型クラブだったが、国有企業の上海国際港務グループ(略称上港集団、SIPG)が資本参加してから金満化。バブル絶頂期の16年に4700万£でフッキ、監督ビラスボアス、年末にオスカルを6000万£で獲得し世界に名を轟かせた。18年リーグ制覇し初タイトル。
 とはいえ育成も充実しており、現トップチームも武磊、張琳芃ら多くの主力は生え抜き、年代別代表にも多くの選手を常時輩出。
 21年上海上港→上海海港にクラブ名変更。クラブ名にスポンサー企業名を使用できなくなったため。

・ホームスタジアム

 長く上海体育場(八万人体育場)を使用していたが、20年源深体育中心に移転(コロナで1試合しか開催出来ず)
 そして22年に待望の専用スタジアム浦東足球場が完成。中国開催予定だった2023アジアカップに向け建設された専スタ群の一つ、23年ゼロコロナ政策終了しホーム&アウェイ復活後、漸くホームとして稼働。
 立派なスタジアムだが、上海市郊外にあり辺鄙。地下鉄駅からはすぐだが周囲に売店もあまりないのが難点か。

上海市地下鉄14号線・浦东足球场站(Pudong Football Stadium Station)下車5分


・過去戦績、監督、移籍市場

・ACL戦績

出場9回目。16.19年8強/17年4強/18年.20年16強、そろそろ更に上の成績が欲しい。昨年23年はプレーオフでバトゥム(タイ)に敗退。
ゼロコロナ政策の影響で21年はリザーブ派遣でGL敗退、22年は上海ロックダウンで出場辞退。21年はノーカウントとしても、初出場から6回連続決勝T進出は立派

・監督

ケヴィン・マスカット(Kevin Muscat/オーストラリア)

73年オーストラリア出身。現役時代同国代表DFとして活躍。指導者としては昨年までの横浜Fマリノス、それ以前にもメルボルン・ヴィクトリーやシントロイデン(ベルギー)指揮。就任1年目で圧倒的な攻撃力を見せている一方で、選手に恵まれている感もあり、ACLで真価が問われる

・移籍市場の動き

期待外れの外人FW4人が退団、ブラジル人MF2人を獲得。

・2024年シーズン状況

序盤からずっと優勝争い、同じ町の宿敵・上海申花とデッドヒート中。堅守の申花と対照的に、26節で87得点と驚異的な得点数。5得点以上が8試合。まあ海港が強い一方で、下位陣との実力差が大きい。

・予想フォーメーション


       グスタボ
ヴァルガス  オスカル  武磊
    チッタディニ ジュサ
李帥         魏震 蒋光太     王燊超
                      顔駿凌

・選手紹介

選手のスタッツは、24年国内リーグの数字(9月21日・25戦終了時点)

GK

1顔駿凌(Yan Junling)26試合出場 91年

上海出身。下部組織から一筋の不動の守護神。今年クラブで公式戦400試合出場を達成。191CMの長身ながら反応も鋭い。代表57キャップ、近年代表でも守護神だったが今年に入り代表ではスタメン落ちしている。

12陳威(Chen Wei) 0試合 98年

陶器で有名な江西省景徳鎮出身。U23代表では正GKでU23アジアカップ出場。FWとしてトライアルし不合格だったが、GKならどうか?ということでGKになったらしい。17年ACL準決勝(VS浦和)で顔の出場停止によりプロデビュー。20年ACLも顔の負傷で奮闘。顔の壁が厚く、今季もカップ戦1試合出場に留まる。そろそろ外に出てもいい

DF

2李昂(LiAng) 10試合1得点 93年 CB/LB

漢王朝の祖・劉邦を輩出した江蘇省沛県出身。長く江蘇でプレイ、チーム解散後21年海港へ。187CMの高さ、強さに加え左足のフィードや直接FKも魅力。一方で重くスピードは欠ける。代表8試合出場も今季はCB4番手か。
インスタやってます @2li_ang

3蒋光太(Jiang Guangtai/Tyias Browning)25試合1得点 94年 CB

英国・リバプール出身。地元のエバートンで育ち、主に英下部リーグでレンタル暮らし。年代別イングランド代表歴あり。母方の祖父が広東省出身の中国系三世と発見され19年広州恒大へ&中国国籍取得。広州の財政難で22年海港へ。クラブ&代表で不動のCB、代表のDFリーダー

4王燊超(Wang Shenchao)25試合3得点 89年 RB/LB/CB/DMF

上海出身、下部組織から生え抜き。オスカル不在時はキャプテンも務める重鎮。クラブでの出場は500試合を超えた。今季は主に右サイドバックだが、DFライン全般に加えボランチや両WBこなすマルチロール。安定した守備、武磊ら幼馴染との連携に加え、ファーに飛び込むヘッドも武器で得点力も。代表19試合出場。インスタやってます@alex_wang4

5張琳芃(Zhang Linpeng)12試合1得点 89年 RB/CB

山東省済南生まれ。代表歴代6位の96Cap、広州恒大黄金期を支えた「中国のセルヒオ・ラモス」、元々は崇明島時代からの海港生え抜き。広州の財政難で22年に復帰。今年に入り怪我がち&コンディション不良で代表引退状態&クラブでも出番が減った。クラブではCB起用が多い。そのフィジカルや前線へのフィードは大きな魅力。ACL出場通算73試合、優勝2回の経験は貴重。インスタやってます @victoryzhanglinpeng

31李帥(Li Shuai)23試合 95年 LB

遼寧省瀋陽出身。長春下部組織→マフラ(ポルトガル)→大連で花開き、19年リッピ時代に代表デビューした左サイドバック。22年海港に加入後、1年目は試運転状態だったが、今季は不動の存在に。スタミナ豊富で、マスカットの元で攻撃時は中に絞るアラバ的な動きも。ただ技術面やクロスは粗い実力者だが代表招集のたびに負傷離脱が多く、「わざと代表サボってる」疑惑がある。

13魏震(Wei Zhen) 17試合 97年 CB DM

安徽省六安出身の生え抜き。19年頃から主力に定着し、23年3月A代表デビュー。188CMの高さにスピードもそこそこ。張琳芃の負傷でスタメン定着、健闘し代表復帰も果たしたが、上海ダービーの退場などやらかしのイメージも。

19王振澳(Wang Zhen’ao) 13試合 99年 RB/RM

湖北省武漢出身。10代の頃にスペインへ渡り、その後デンマークのVejleでデンマークリーグ2試合出場。帰国後大連で活躍、大連解散後今季新加入。ウイング出身だが、近年は右サイドバックに定着。華奢だがそのスピードや技術が認められ6月にはA代表デビュー。しかし代表で負傷後長期離脱している。

23傅歓(Fu Huan) 8試合 93年 RB/LB

上海出身、下部組織から生抜きのサイドバック。18年初優勝時も不動の存在だったが、22~23年は戦力外になり2部へレンタル。今季は両サイドバックの控えとして貴重な戦力に。第1節ジョホール戦では途中投入後、彼の仕掛けから同点弾に繋がった。一方かつてACLで、相手に交わされた後に追わず失点したり、昨年レンタル先で勝手にチーム離脱罰金処分食らうなど、態度面に難あるイメージ。

MF

6蔡慧康(Cai Huikang)4試合 89年 DMF

上海出身。王燊超/武磊/呂文君らと共に生え抜きの長老格。「中国のガットゥーゾ」とも称されたぽっちゃり気味のボランチだが、今季はブラジル人ボランチの加入もあり影薄い。15年アジアカップなど代表22試合出場。

8オスカル(Oscar/ブラジル) 25試合11得点 91年 AMF

今季既に11得点18アシスト、相変わらず絶対的存在のキャプテン。今年末での退団が決定的で、今季が中国でのラストになるだろう。彼ほどの選手が8年もいたことに感謝だが、彼が去った後の海港が想像できない。中国で通算約2億ユーロ稼いだようだ。

10ヴァルガス(Matías Vargas/アルゼンチン)25試合11得点 97年 RM/LM/AM

小柄な(168CM)ウイングで、18年にアルゼンチン代表1試合出場。その後加入したエスパニョールで武磊と相性が良く、それもあって22年夏に武磊の復帰から2週間後に彼も海港加入。今季から10番を背負うと、過去2年4得点→既に11得点11アシストと爆発。2列目全般に対応。

11呂文君(Lü Wenjun) 18試合0得点 89年 LB/RMF/LMF/FW

上海出身、生え抜きの重鎮。元はFWで攻撃的ポジション全て対応、昨季は手薄な左SB、今季は本職のウイングで途中投入が多い。どこで起用されても計算でき、また幼馴染の武磊らとの連携も◎で歴代監督の信頼も厚い。原田泰造または世紀末リーダーたけしに似てると思う。昨年クラブ通算100ゴール達成、今年500試合出場を達成。インスタやってます@lvwenjun19890311

16徐新(Xu Xin) 22試合1得点 94年 DMF

遼寧省瀋陽出身。アトレティコマドリードの下部組織育ち。16~21年広州恒大で控えに甘んじたが、21年山東で大活躍し以降A代表にも定着し、カタールW杯予選やアジアカップにも出場。23年加入した海港では本領発揮できておらず、技巧派だが守備面や高さで不足あり、今季もブラジル人MF2人の控えに甘んじている。

20楊世元(Yang Shiyuan) 7試合 94年 DMF/RMF

吉林省長春出身。朝鮮族らしくスタミナ豊富で献身的な守備的MF。上海中邦(解散)経て加入、19年から台頭したがその後負傷で伸び悩み気味。守備固め要因としての途中投入が多い。

18チッタディニ(Leo Cittadini/ブラジル) 24試合3得点 94年 DM

イタリア国籍もつブラジル人。今季バイーアからレンタルで加入。オスカルら強力攻撃陣を後ろで支える。アトレティコパラナエンセ時代にスルガ銀行杯優勝経験。

22マテウス・ジュサ(Matheus Jussa)24試合1得点 96年 DM

今季新加入。ブラジル国内やカタールでプレイ、昨年はクルゼイロで主力としてプレイしたボランチ。183CMで体格に恵まれ、中盤でより守備的な役割を担う。

FW

7武磊(Wu Lei)26試合31得点 91年 FW/RW

江蘇省南京出身。下部組織生え抜き。スペイン・エスパニョール挑戦経て、22年に復帰後も国内では1試合1点ペースでまだまだ無双。今季はリーグシーズン最多得点記録更新、30点超え。代表でも歴代得点ランキング2位に、もう32歳だが依然中国有数の点取り屋。スピードや嗅覚は相変わらず。オスカル同様フル稼働しており、怪我や疲労が心配。

9グスタボ (Gustavo/ブラジル)24試合20得点 94年 CF 

昨年まで韓国・全北現代で活躍。強力攻撃陣の最前線で得点を量産、決定力が高いフィニッシャーでごっつぁんゴールが多い印象。189㎝の高さだがヘディングもそこまで。

14李聖龍(Li ShengLong)6試合0得点92年 FW

上海出身の生え抜き。外国人FWや武磊に阻まれずっと控え暮らし。嗅覚で勝負するタイプのスーパーサブだが、献身的な守備も魅力。今季は殆ど出番なしHIPHOP好きでシングルリリースしたことも、マイク持つFW。インスタ@li_sheng_long

27馮勁(Feng Jin)23試合2得点 93年 FW/WG

重慶出身、地元重慶でデビューし「重慶のメッシ」と称されたウイング。重慶解散後22年から海港へ。強力攻撃陣で殆ど途中出場だが、突破力やスピード生かしスーパーサブとして貢献、19年以来の代表復帰を求める声も。

30ウィリアム・ポップ(WilianPopp/ブラジル) FW/WG *ACL専用

昨季はタイ・ムアントンで17得点、今夏にレンタルで加入。国内リーグでは外国人枠超過で出場できず、ACL専用で獲得したブラジル人アタッカーだが、第1節ジョホール戦では先発&1得点と期待に応えた。17年にはアビスパ福岡にも在籍。2列目の起用が予想される。

33劉祝潤 (Liu Zhurun)7試合 01年 FW/WG

安徽省阜陽出身、下部組織生え抜き。今年U23アジアカップで1得点決めた期待の若手、高さも技術もそこそこだが、競争が厳しく全然出番ない。レンタルで出た方がいいかも。

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