呉少聡、トルコリーグ移籍

呉少聡、トルコリーグ移籍

1月10日、広州FC(旧広州恒大)の中国代表DF 呉少聡(Wu Shaocong/ウ.シャオツォン)の、トルコスーパーリーグ·イスタンブール.バシャクシェヒル(İstanbul Başakşehir F.K)移籍が発表された。2年半契約、背番号4で、移籍金はゼロ。


■経歴

呉少聡は2000年3月2日生まれ、河南省鄭州市出身。ユース時代は北京北控(現北京北体大.2部)に在籍し、2018年3月清水エスパルスに加入。7月に京都サンガにレンタル移籍。しかしまだ若く、怪我もあり日本での公式戦出場はない

鄭大世と

2019年広州恒大に加入(2019年は京都にレンタルで在籍)
2020年広州恒大に復帰し、コロナ禍へて8月の江蘇戦でデビュー。初年度は控えだったが、チームの財政難で主力流出し2021年以降はスタメンに。広州ではリーグ戦通算57試合2得点3アシストを記録した。

U16から年代別代表に選出され、2016年には日本戦で得点。

2016年U16日本戦(1-5)のゴール

2022年7月のE-1選手権でA代表初選出。日本戦(0-0)でA代表デビュー。(とはいえこの大会は実質U23代表だったが)23年3月のニュージーランド戦で正真正銘のA代表に招集&出場

■どんな選手?

192cmの長身左利きCBだが、広州でチーム事情により一時期左SBに定着。CB兼LB。高さを生かしパワープレー要員にも。

2021年広州ダービーの同点ゴール

■移籍の背景

まだ若く中国期待の選手であるが、今回欧州移籍を実現した主要因は彼自身のポテンシャル以外に広州の財政難の影響も。
今回は移籍金ゼロだが、22年に呉少聡は給与未払があった可能性が高い。
因みに22年広州から上海海港に中国代表主力級の张琳芃(ZhangLinpeng)蒋光太(JiangGuangtai/TyiasBrowning)が移籍したが、両者とも未払給与を放棄する代わりに移籍金フリーで移籍したとされる。23年末まで契約あった呉も同じと推測される。でなきゃ財政難の広州が移籍金なしで放つ理由がない。

■トルコでの展望

トルコリーグ初の中国人選手。バシャクシェヒルとしては呉個人のポテンシャルのみならず、中国市場を意識した獲得であろう。あわよくば北京国安からフェネルバフチェに加入し、ナポリに羽ばたいた韓国代表DFキムミンジェの2匹目のドジョウを狙っているかもしれない。

ただバシャクシェヒルでのポジション争いは容易ではない。新興クラブだが、19/20シーズンにトルコリーグ制覇。翌年欧州CLではマンチェスターUに勝利。今季も1/10時点で3位とタイトル&欧州カップ戦を狙える強豪だ。
因みに監督はエムレ.ベロゾグル。インテルやアトレティコマドリーなどで活躍したレジェンドで、2002日韓W杯で中国と対戦している。

ポジション争いも熾烈、CBにはブラジル人選手に加えトルコ、モルドバ、アルジェリア、コンゴの代表経験者。LBもトルコ代表歴あるベテランとブラジル人がおり、出場機会を得るのは容易でない。他チームへレンタルの可能性もある。

#55と ♯6は冬に退団、#32はレンタル移籍。#5レオと♯59トゥバがスタメンか

いずれにせよ、久々に中国資本関係ない欧州クラブへの移籍であり、呉の挑戦に期待したい。
そして呉以外にも何人か欧州移籍の可能性があり、後続を期待したい。

呉自身のSNSの投稿、広州のスタッフ、サポーターたちへの感謝を綴る

(追記)
加入後すぐベンチ入りはすれど、主力CBが鉄板だったり、トルコ地震による中断や本人の怪我もありなかなか出番を得られずにいた。
5月18日、第34節ユムラニイェスポル戦(1-1)で80分から途中出場。加入4か月後にして漸くデビュー。開始早々にDFが退場した試合で守備固め要員として及第点だったかと
シーズン通じて3試合出場(1先発)


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