■2021ACL出場チーム紹介 山東泰山(出場取消)

(2021/3/1更新)

*以前在籍したドイツ人コーチへの給与不払により、ACL出場権剥奪。でも折角書いたんで残しておきます

https://web.gekisaka.jp/news/detail/?323920-323920-fl

■山東泰山 Shandong Taishan (カップ戦優勝)

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・概要

ホームは中国東部の山東省済南市。1956年に成立した山東省チームが源で、94年にプロクラブ山東泰山として成立(泰山は山東省にある聖地的な山)98年地元山東の国有コングロマリットである魯能グループが資本参加し山東魯能泰山、以降「魯能」の名称が定着。その間にも何度か微妙なチーム名変更はあれどプロリーグ創設からほぼ変わらず存続している中国では稀有なチーム。99年の二冠以降リーグ優勝4回、カップ戦優勝6回、スーパーカップとリーグカップ優勝各1回とカップ戦に強め。2000年代は「中国のレアルマドリード」と称され中国最強だった時期も。広州恒大登場後は3-5位くらいが定位置か。下部組織が充実しバブル化以前から多くの選手を輩出。ブラジルにも育成施設があり、多くの選手がブラジルやポルトガルで武者修行を経験。21年初の年代別代表合宿でU18-U22に21人が選出されている。
今オフは協会の「中性化」要求、即ちチーム名から会社名を外す命令でチーム名変更を余儀なくされた。山東の対応は
・筆頭株主の魯能グループがクラブの株40%を済南文旅集団に売却し、後者が筆頭株主に。魯能は30.69%、山東省電力公司が29.31%に。(背景には国有企業の不動産や娯楽系への出資を減らす方針が影響している?)
・新チーム名「魯能」を外さざるを得ず「山東泰山」で申請したが1月11日に一度却下。理由は済南文旅の子会社の「泰山」を含む社名があったため
・そこで済南文旅は子会社の社名を変更!し却下の翌日再申請、山東泰山が確定。愛着ある魯能は無くなったが、泰山の名が残っただけ満足だろう。

http://www.lnts.com.cn/newsdetail/848.html

・2020年シーズン

2020年は第1ラウンドで広州恒大に勝利もグループ3位、李霄鵬が退任し郝偉が監督就任した第2ラウンドは北京国安に敗退、その後河北と重慶を下し5位とイマイチ。一方で過去2年連続準優勝だったカップ戦では順調に勝ち上がると、準決勝で対戦した武漢(5-0,1-0)、決勝の江蘇(2-0)は共に相手に外国人選手が不在だったこともあり、割と順当な優勝。

・ACL戦績 

現行ACL出場は2年ぶり10回目。2005年に横浜マリノスを下しベスト8もそれ以降はGL敗退が続いたが、直近2回(16,19年)はいずれもGL通過している。前回出場時のチーム紹介もご参考下さい。

・監督

郝偉(Hao Wei)1976年生まれ。地元山東省出身で下部組織出身で02年まで在籍したクラブOB、現役時代は代表5capの地味なDF。07年引退後は長沙金徳、女子代表監督、広州恒大アシスタント、U23代表監督などを経て古巣へ復帰。アシスタントコーチへて20年シーズン途中に監督就任

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・移籍市場

・2016年から活躍した元イタリア代表FWペッレ(Graziano Pelle)が契約満了で退団。在籍期間中133試合66得点と素晴らしい活躍だった。

https://www.instagram.com/p/CJlvgR0hg0D/?utm_source=ig_web_copy_link

・不在だったAFC枠に、全北現代からKリーグMVPの韓国代表MFソンジュノ(Son Junho)を獲得。移籍金450万ユーロ。クラブ史上初の韓国人選手。

https://www.the-afc.com/news/afcsection/k-league-mvp-son-jun-ho-leaves-jeonbuk-for-shandong-luneng-taishan

DF石柯(Shi Ke)をフリーで獲得。上海海港(旧上港)と各年代の代表で活躍した実力者の獲得は大きく、手薄だったCBが強化される。
浦和レッズからFWレオナルドを205万ユーロで獲得、移籍金意外と安いが、移籍金や年俸制限、コロナの影響もあり近隣のJやKからコスパのよい外国人を引っ張る流れが増えるだろう

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http://www.lnts.com.cn/newsdetail/864.html


また元日本代表の黒崎久志氏がアシスタントコーチに就任。

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・予想フォーメーション

-----------Leonardo(Fellaini,郭田雨)--------
呉興涵(劉彬彬)-----Fellaini-------Guedes(段劉愚)
-------Son(金敬道)蒿俊閔(Fellaini、Moises)
劉洋-----鄭錚----Kadar----王彤
-----(石柯 劉軍帥  Moises)------
---------------王大雷(韓鎔澤)--------------


・選手紹介

GK

14王大雷(Wang Dalei) 2020年リーグ戦4試合出場-7失点。
89年生まれ。16歳でデビューし10代でA代表招集、U16アジアユースMVP、U17W杯ベスト8と早くから経験豊富なGK。16年山東加入後守護神として君臨したが、1ケガもあり昨年は控えに甘んじた。代表27cap、15年アジアカップではボールボーイのアドバイスでPKストップ。ロングスローやセットプレーの攻撃参加でたまにアシストも記録。安定感というより印象派。

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18韓鎔澤(Han Rongze) 16試合出場-17失点 93年生まれ、下部組織からの生え抜きで長年控えだったが、王大雷のが手術でケガ増えて19年から出番が増え、20年は正GKとして見事なパフォーマンスだった。

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DF

3劉軍帥(Liu Junshuai)12試合 95年生まれのCB兼守備的MF、CBの控えが濃厚。青島中能の下部組織出身でポルトガル下部で5年経験積み17年から加入。カップ戦決勝では出場してないのになぜかトロフィーを掲げる役割をし、その後父から優勝祝いにベンツを送られたらしい。

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4カダール(Tamás Kádár)15試合 90年生まれ、ハンガリー代表としてEURO2016など57キャップ誇る。188cmの左利き、元々は攻撃的左SBのようだが山東ではCB起用が濃厚。ディナモキエフから昨年4年契約で加入したが、デビュー戦途中出場後数分で退場になるなど1年目は外人DFとしては正直期待外れだったが、2年目以降に期待。高く強いだけでなく、パスや攻撃性能にも期待。

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5鄭錚(Zheng Zheng)17試合出場 
89年生まれで左SB兼CB。下部組織から山東一筋で08年デビューからもうすぐ公式戦300試合。高さはそれほどないがポカも少なく安定した守備、攻撃性能が高い。代表19capに留まっているが有数の実力者と思う。本職左SBだが2020年はCB起用も多かった。

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6王彤(Wang Tong) 14試合1得点
93年生まれ右SBのレギュラー。生え抜きで17歳でデビューしており年齢よりキャリア長い印象。カップ戦決勝では右サイドから切れ込み先制点を挙げた。CBや中盤にも対応、そこそこテクニックもあるはず。個人的にはSNSでプライベート写真流出していたのが印象に残っている。代表3Cap

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11劉洋(Liu Yang)13試合 
95年生まれ、主に左SBを鄭錚と争いMFやCBにも対応するマルチロールだが器用貧乏感も。2019アジアカップになぜか召集され、怪我人続出でなぜかスタメンになるなど代表11Cap。生え抜きで2016年までポルトガル下部リーグでプレイ経験あり。

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13張馳(Zhang Chi) 16試合 87年生まれ、下部組織から生え抜きで山東一筋。近年は右SBでの起用が主だが、サイドMFやボランチにも対応するマルチロール。華や技術はあまり無いが献身的なプレーが持ち味で歴代監督やサポーターの支持も厚い。それ故か2011年にラフプレイで足を折られたり何度か大けがをしているが復活、気づけば息の長い選手となった。

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35戴琳(Dai Lin)3試合 
87年生まれ、191cmの体格を生かし高くて強いCBで代表1Cap誇る実力者。以前はラフプレイ気質で、昨年ACLでFC東京サポ怒らせた秦升らと共に「中超四大悪人」(or五大)に含まるが近年は年相応に落ち着いたか。そもそも出番も減っているが。遼寧出身で08年ボスニアのクラブに移籍しているが、実際はプレイせずそのまま上海申花に加入、移籍金ゼロ実現のための隠れ蓑で批判されたことも。
↓の写真で中指立てたとして出場停止処分を食らうも、サイコパス臭あり

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石柯(Shi Ke)14試合(上海海港*旧上港) 
93年生まれ、アジアカップ2019で代表レギュラーだったCB。上海海港(旧上港)で長く活躍したが契約満了で退団。足元に不安ありポカ癖あるが、代表クラスの即戦力CBの加入は大きい。かつて杭州緑城で岡田武史によって抜擢された世代。(山東加入はACL出場権も一つの要素だったはずだが、剥奪になり古巣海港が繰上げになるとは・・)

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MF

ソンジュノ(Son Junho)25試合2得点(全北現代)
92年生まれの守備的MF、2020年はKリーグMVP&韓国代表にも定着。山東初の韓国人選手はAFC枠として申し分無さすぎる実力者。

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10モイゼス(Moisés Magalhães)20試合4得点
88年生まれのブラジル人ゲームメーカー、プレースキックも大きな武器。10番背負うが184cmと上背もあり時折CBにも対応する。ずっとブラジル国内にいてパルメイラス時代の2016年ブラジル全国選手権ベスト11。19年山東に加入

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17呉興涵(Wu Xinghan)16試合 93年生まれの生え抜き、両ウイングとFWに対応。10代で当時監督のテンカテに抜擢され、「中国最高の選手になるだろう」と期待され案の定そこまではいかなかったが、約10年トップチームで定着しそこそこ出番を得続けてるのは立派か。スピード、得点力があり1月の代表合宿に召集されており、A代表デビュー近い。

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21劉彬彬(Liu Binbin)13試合1得点 
93年広東省出身で下部組織から生え抜きのウイング。172cmと小柄なテクニシャンと広東省っぽい選手。10代から頭角を現して2015年アジアカップのメンバー入りもし期待されたがその後伸び悩んでいる印象。20年は途中出場が大半でスーパーサブ的起用が予想される。

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22蒿俊閔(Hao Junmin)14試合 
87年生まれで、クラブと中国代表でもキャプテン務める重鎮。2010年からシャルケに在籍しラウル、内田篤人らとプレイ。天津泰達出身で元々ウイングだったが、シャルケ時代にサイドバック、2011年山東加入後はボランチに定着。ゲームメーカー的な役割だがシャルケと山東で鬼軍曹マガトの指導を受けたからか守備面も手抜きなし。ただ年齢的にフル稼働が厳しくなってきた。右足のセットプレーやミドルはチームの武器。

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25フェライニ(Marouane Fellaini) 18試合5得点         
エバートン、マンチェスターU等でプレイし御馴染の元ベルギー代表。2019年中国に来てからアフロじゃなくなった。代表でアフロコンビだったヴィツェル(元天津権健)はアフロ貫いていた。2020年は新型コロナ感染で心配されたが、開幕戦ではヘッドだけででハットトリック決めるなどシーズン通算8得点と得点源にも。基本中盤起用だがペッレの後釜としてCF起用かもしれない。

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33金敬道(Jin Jingdao)1992年生まれ
朝鮮族、見た目も朝鮮族っぽい純朴な感じ(中田カウス似?)170cmと小柄、豊富な運動量で相手のチャンスを潰すいかにも朝鮮族って感じの選手。元々はボランチだったが攻撃面も評価されシャドウストライカーや右MFでの起用も増えた。20年は怪我もあってイマイチ。1月の代表合宿にも召集されている実力者。

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36段劉愚(Duan Liuyu)20試合3得点 
98年生まれの期待株、トップ下か右MFで起用、中盤の組立てや右サイドに流れてのアシストが印象的で中U23代表でも主軸に。地元深圳の名門高校から北京体育大学に進学しているインテリで、中国人選手にしては視野が広く「頭を使える」選手として期待される

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FW

23ロジャー・ゲデス(Róger Guedes)11試合6得点 
96年生まれのブラジル人でFWか右WGで起用。18年アトレチコミネイロで一時得点ランク首位の活躍見せ、同年夏に山東入り。20年前半戦はケガもあり登録メンバー外だったが、シーズン途中から復帰すると結果を出し、カップ戦でも準決勝ハットトリック等6得点。スピード決定力共に申し分なくペッレ退団後の得点源と期待される。まだ若いし早く欧州行きなさい
コロナで中国入国が遅れており、21年シーズンの参戦が微妙

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7郭田雨(Guo Tianyu)16試合4得点 
99年生まれ192cmのCF。ポルトガル下部リーグや武漢へのレンタル経験あり。20年は主にペッレの控えで途中出場が多かったが広州恒大戦で決勝点をあげ、9月にはA代表合宿に召集、2020年金童賞(最優秀若手選手)。年代別代表でも常連だったが19年にU22代表でスタンド観戦時の態度が悪かったため半年間出場停止処分、携帯いじって遊んでたのを協会のお偉いさんに見られたと言われている

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レオナルド(Leonardo)28試合11得点(浦和レッズ)浦和から加入、鳥取→新潟→浦和→山東と毎年ステップアップは凄い(浦和→山東は少なくとも金銭的には↑なはず)因みに昨年もブラジル人FWレオナルド(元全北、アルジャジーラ、天津天海等)在籍したがインパクト残せず。新レオナルドは活躍を期待

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多くのクラブがコロナ禍の影響から経営不振で解散、破産、投資抑制を余儀なくされる中、山東は国有企業の傘下ということもあり、積極補強を敢行。だからこそ、ACL出場権剥奪の件は諸々残念。







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