■ACL出場チーム紹介 上海上港

■上海上港 Shanghai SIPG (リーグ戦1位)

・概要
2000年に元代表監督徐根宝が私費投じ創設した上海東亜が原点で、中乙(3部)からスタートし2012年に中超昇格。その後国有企業の港湾業者である上海国際港務グループ(SIPG)が資本参加し2位に躍進。2016年は4700万£でフッキ、新監督にビラスボアス、そして年末にオスカルを6000万£で獲得し全世界に名を轟かせた。年間支出は既に広州恒大を上回っておりながらタイトルに縁遠く揶揄されたが2018年ついに初タイトルを獲得した。
金満化してしまったが元々育成型クラブ。現トップチームのうち外国人と于海,石柯,孫楽以外全員下部組織出身。他クラブにも多く人材を排出。


・ACL戦績 
3年連続3回目、16年ベスト8、17年ベスト4、18年ベスト16。いずれも優勝チームに敗退。初出場から4大会連続決勝T進出は立派。今年こそ更に上の成績が欲しい。

・監督
ヴィトール・ペレイラ(Vítor Pereira)
2018年就任、ポルトガル出身の50歳。かつてFCポルトでビラスボアスのアシスタント及び後任を務め、オリンピアコス、フェネルバフチェ、サウジのアルアハリ等でも指揮経験がある。昨季はフッキを主将に任命し彼の独善的プレーを改善、選手固定で批判さらされることもあったが初優勝に導いた。

・移籍
2018年リーグ得点王&MVPの武磊(Wu Lei)がスペイン・エスパニョールへ。戦力的には勿論痛いが、目先の結果や自らの利益を鑑みず彼を欧州に行かせた決断は評価したい。以外に主だった選手のIN/OUTはなし。しいて言えばDF魏震(Wei Zhen)2017年にACLも出場した有望株だが移籍関連トラブルで2018年は出場なく「復帰」と言える。U23枠でDF全般こなす貴重な戦力に。 

・外国人
FW フッキ(Hulk)元ブラジル代表
その能力の高さ故の自己中心的プレイがブレーキにもなっていたが、キャプテン就任後はエゴを捨ててチームプレーに徹した。得点はやや減ったが、武磊得点王、オスカルアシスト王などチームへの貢献度はアップ。改めて不可欠な選手であることを証明した。

MF オスカル(Oscar)元ブラジル代表
16年末にアジア各国リーグ歴代最高額で加入、1年目は乱闘騒ぎで8試合出場停止になるなどネガティブな話題も多かったが、2018年は12得点19アシストでアシスト王に輝くなど本領発揮。

MF オディル・アフメドフ(Oil Ahmedov)ウズベキスタン代表
ウズベキスタン代表主将。攻守の潤滑油として貢献度が高く、アジア枠が撤廃された中でエウケソンを追いやってスタメンに定着し大きく評価を上げている。優勝決定した北京人和戦では先制点を決めた。

FW エウケソン(Elkeson)ブラジル
広州恒大時代から名を挙げたストライカーが、国内リーグでは外人枠削減もあって出番を大きく減らし評価を下げた。武磊が去ったチームで彼の必要性を再度証明する必要がある。


・その他注目選手

アジアカップ代表のGK顔駿凌、DF石柯は以下参照

DF王燊超(Wang Shenchao)
生え抜きの副キャプテン。メインは両SB,CB更にボランチも対応するマルチロール。クラブレベルのパフォーマンス見る限り中国屈指のDFだが、なぜか代表でのパフォーマンスがボロボロ。更にネックレスを付けたまま試合出場したことで協会から1年間代表締出しに。
MF/FW呂文君(Lü Wenjun)代表歴ないが、ウイング、CF、中盤と複数ポジションこなし、先発でもサブでも力を発揮。昨季は7得点を記録し大きく貢献した。原田泰造に似てる説があるが、個人的には世紀末リーダー伝のたけし、メガネだとひょっこりさんに似ていると思う。



・フォーメーション

    エウケソン(李聖龍)
呂文君(陳彬彬)    フッキ
  オスカル アフメドフ
     蔡慧康
王燊超 石柯 賀慣 傅歓
(于海) (魏震)
     顔駿凌

武磊の代役は順当ならエウケソン、呂文君といった既存のベテランか、リザーブリーグ得点王のFW李聖龍にも期待。例年主力の固定、選手層に悩んでいるが国内リーグではU23枠(国内公式戦は毎試合3人以上、1996年以降生まれ選手起用)もあり下部組織の若手を嫌でも起用せざるを得ない。昨年A代表入りした陳彬彬のような新星出現を期待したい。

*3/2追記

超級杯、開幕戦(4-0申花)では3バックを採用。


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