韓ドラ「女神降臨」見て思ったこと
なかなか観進まなかった「女神降臨」(2020〜2021 tvNにて放送、U-NEXTでは2021年11月〜配信)…意外にも後半楽しくなり、観終わったらいろいろ考えてしまった。そんなこんなについて書いてみます。
■最初の数話がしんどい…けど、後に山月記?
3話目までたどり着くのに正直時間がかかった。ウェブトゥーンが原作だから?原作もあんな感じ?と思いLineマンガで数話読んだがいやいや、始まり方が全然違う…。ドラマオリジナルの主要キャストの出会いのシーンの作りが古めでしんどかった。。コンパクトにかつ印象的にって思うとあーなっちゃうんですかね…。しかしその違和感を乗り越えてしまえば、メイクという剥がれやすい仮面をかぶって‘女神’と呼ばれるようになった主人公の苦悩に話がシフトしていく。そこからは俄然面白くなる。そう、高校生の頃って自意識が最高に過剰になる時期ですよね。修学旅行に何着てくか、バックはどれがいいか、死ぬ思いで悩んだ記憶とか、わーっと蘇ってくる感じもあり、今の学生たちはもっと大変なんだろなとしみじみ思わずにはいられなくなる。自意識過剰、自尊心、自己肯定感…「山月記」にも通じる普遍的なテーマを丁寧に扱ってるところが好感を持てる作品です。
■ガオー
脇役も含め、演技が皆さん素晴らしくて没入感がありました。原作の世界観をビジュアルでも完全再現してるチャ・ウヌ、ムン・ガヨン、ファン・イニョプはほんとすごい。王道ラブコメって、表情・しぐさ・声、どれかに違和感があると気になって見るのがしんどくなりますが、ムン・ガヨン演じるイム・ジュギョンの「ガオー」は今作の全キャラクターの超絶技巧ぷりを象徴する素晴らしい表現だと思う。(当時30歳にしてナチュラルに高校生演じてたイニョプさんも凄すぎるけど…)
■気になるyaongyi(ヤオンイ)作家
‘美しすぎる’というワードには収まりきれない独特のオーラを放つ、今ドラマの原作ウェブトゥーン作家yaongyi様…全然知らなかったのですが沼にハマるようにいろいろ検索してしまいました…。私が子供の頃の日本の漫画家さん(女性は特に)はあまり素性を明らかにしない方が多かったせいか、なかなか現代っぽくってパンチあります。※日本のLINEマンガでは主人公の名前がイム・ジュギョンではなく、谷川麗奈になってます。
■PPLとか、止まらない関連グッズとか…作品と資本主義
日本人の私でもコンビニでこんな食べにくそうなもの買って食べるかな?と思った謎のインスタントがあったんですがインスタント火鍋だったんですね。韓ドラおなじみのPPL、他国のものもバンバン入り込んでいるみたいで↓記事見ていろいろ考えてしまった。作品はずっと残るものだからなぁ…。
そしてイム・ジュギョンになれるグッズの数々が今年になって日本に続々登場してるそうで…えーコスメに…
コテまで…
なんか昭和アニメの魔法のコンパクトを思い出します…作品の波及っぷりすごいな…若者はどう受け止めてるんだろう?
■まゆげの話
オ・ウィシクさん演じるハン・ジュヌ先生はまゆげが薄い(ない?)のがコンプレックスで厚い前髪で隠し、学校での存在もどことなく薄く暗い。しかし、ジュギョンの母が営むビューティーショップで眉のアートメイクを施術してもらうと、美しい眉とともに不思議と自尊心を回復していく…みたいなサブストーリーが個人的に大好きです!全然関係ないですが、TBSアナウンサーの井上さんもアートメイクしているという話をラジオで偶然聞き、ドラマの中だけの話ではないのねと、ニヤニヤしながらNスタを観ています。いや、ほんとに美容で得られる自尊心は女性だけのものではないのよね、としみじみと思った次第です。
■親友は一体なぜ…
アイドルとして活動していたセヨン(チャニ)はなぜ死に至ったのか…。その真相がこのドラマの重要な要素なんですが、ちょいちょいアイドルや彼らの音楽を商品としてしか見ていない企業側の利益優先的なあくどさを感じさせるシーンがでてくる。セヨンと仲が良かったスホ(チャ・ウヌ)は彼の死について思い悩むシーンも結構あり、2023年の今このドラマを偶然見ただけですが、、ウヌさんが現実世界でアイドル活動をしていること、グループ(ASTRO)の仲間が亡くなったことについて、もすごく考えさせられる。
真摯にファンの悩み相談にも向き合っていた↓彼の心がどうか健やかであってほしいと思うばかりです。
■そしてロケ地巡りポイントを探す
街の景色が変わらぬうちに、また韓国行きたいです!
原題 여신강림
脚本 イ・シウン
監督 キム・サンヒョプ
OA時期 2020年12月 - 2021年2月
放送 tvN
話数 16話
配信 2023現在 U-Nextで観られるようです