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30歳になった俺たち

3年前、彼は僕に言った。
「俺たちもうすぐ30やから、この残された20代は本当に重要だと思う。」

気づけば2022年で。
30歳に僕たちは本当になった。

ウイルスによって世界がこんなことになるなんて知らなかったし、まさか北海道のすぐ隣にある国が侵略戦争をするなんて思っていなかった

だけど僕にとってもっと重要なのは友達が結婚したことや、友達が友達と喧嘩して地元に帰ったことだったりだった

30歳。
友達で小学校と大学がおんなじで10年以上同じ学校に通ったやつがいて、彼は誰もが一目を置くカリスマ性とその頭の良さを持ちながら、大学を卒業しなかった。
何がそうさせたのかは知らないけれど

19の頃からずっと同じ彼女と付き合っていて、30になってついに来月彼女と結婚することになったらしい。
大学は卒業しようが卒業しまいがどっちでもいいが、あの彼女と彼が結婚することは僕にとっては嬉しいし、大きなことだ。

30歳。
僕と中学高校大学と10年間以上同じ学校に通ったまた別のやつがいて、彼は学生時代は世界一周したりして独特の世界観をもちながら、とにかくいいやつだった
彼は広島に行って自動車メーカーに入った
それでこの前連絡が来て、
「僕、自動車メーカーやめて、経営コンサルタントになりたいねん」と言った
僕は新卒から経営コンサルタントだったので、色々と情報を伝えた
界隈のことならよくわかっているし、知り合いも多いから
その後、「僕、広島で出会った女の子と結婚するねん、結婚式来てや」と言われた

それで彼は経営コンサルタントになって、広島から出てきて結婚した
中高男子校で女なんかと全く接点もなかったあいつが経営コンサルタントになって結婚して、本当に優しくていい男なところは変わらないまま大きく世界を変えていた

僕はといえば、友達が20代の残りの重要性を教えてくれたあの当時は
日本の大企業で働いていたが
そこをやめて、外資系の社員数名の会社に移った
福利厚生も年収もすべて捨てて
そして苦しみながらも自分のやるべきことがなんだったのかを思い出しながら自由な環境で日々挑戦しはじめて
また来月から東京に戻るんだが祖母2人が僕が大阪に帰っている1年間の間に関西で死んだ
タイミングを合わせたかのようだった

30歳。
確かに彼が言ったように20代までやってきたことの環境が大きく変わり始めるタイミングなのかもしれない。
20代である程度人生の方向性が決まることが多いのかもしれない。
例えば今から僕が建築士になることはありえないし、プログラマーになることもありえない(建築のイノベーションやDXの仕事には携わっているが)
そのジャンルで僕はなんの努力もしてこなかったのだから

そして今まで地道に黙々と少しずつ積み上げてきたものが今まで水中で見えなかったのが、ようやく地上に姿を表し、みんなに見えてくるタイミングが30歳なのかもしれない

人を愛し、愛され続けた人は幸せな家庭を築き上げるタイミングで
仕事で人に与えることを努力してきた人も回りから尊敬されはじめ、メディアが注目しだす頃で
もしくは今までなんのために生きているかわからずに哲学書を読みふけり人生の意味を探し続けた人が、自らの生きる道を見つけ生き生きとしだす頃なのかもしれない

努力した人が報われだす素晴らしい歳なのかもしれない

だから彼が言った残された20代が重要というのは本当だったんだと思う

でも30代からでも遅くないだろう
そして同時にこれからの30代については、今まで積み上げてきたものは荒削りな努力の結晶を成長させていき、熟成させて円やかにしていく期間に入りつつあるのだと思う
だからこれからも20代とはまた違う意味で非常に重要なんだと思う。これまで頑張ってきたから怠けていいというものでもなくて
これからはこれからの人生の歩み方を考えて日々精進していくことが必要なんだろう

この30代をどう生きるか 
人生を楽しみながら少しずつ歩んでいきたい

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