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2023年EPTプラハ Eureka参戦で振り返るヨーロッパのプレースタイル

今回初めてEPT(European Poker Tour)へ参戦してきました。
ヨーロッパのポーカーのプレースタイルがわからなかったのですが、色々と試行錯誤しながらチャレンジして分かったことをまとめておきます。

ちなみに現時点での私YD_Pokerのポーカー歴と戦績を掲載しておきます。

過去の戦績

2021年12月よりポーカーをスタート。
2022年5月 mPTJ初代チャンピオン ITM(参加者総数:名)
2022年1月 JOPT Season 21 Grand Final Tokyo Platinum 6位 ITM
2022年11月 WPT Tokyo 19位 ITM
2023年8月 APPT Manila Super Stack Freezout 1位 ITM
2023年11月 WPT Tokyo 26位 ITM
2023年12月 EPT Eureka MainEvent 622位 ITM

めちゃくちゃ強いわけではないのですが、それなりに成果を出せている方だと思います。
普段からGTOwizardを活用し、プレイはしっかり振り返り、このnoteでも掲載しているように海外の記事を翻訳して勉強しているほどに、座学もしっかり行なっています。

このレベルの自分がどうEPTでプレーしたのか、そしてヨーロッパのプレースタイルはどんな感じだったのかについてまとめていこうと思います。

今回のEPTではEurekaという大会が開催されていました。EPTの中でも前哨戦という感じです。
このEPT Eurekaの結果を踏まえた内容なので、プレイヤーのうまさには多少のズレがあるかもしれません。
しかしこれからEPTにチャレンジしたい方や、チャレンジするための情報収集をする方にとっては参考になると思います。

EPTプラハ Eureka戦績

今回のEurekaでは以下の通りの戦績となりました。

2023年12月7日 Eureka Main Event Day1/C 1リエントリー敗退
2023年12月8日 Eureka Main Event Day1/E リエントリーなしDay1通過&ITM決定
2023年12月9日 Eureka Main Event Day2  622位で終了
2023年12月9日 Eureka Cup Day1/A リエントリーなし敗退
2023年12月10日 Eureka HighRoller Day1/A 1リエントリー敗退

最大の成果はメインイベントのITMですが、Day1通過できたのには、初日12/7にあったDay1/Cの2エントリーがきっかけでした。
ここで敗因を分析し、プレイヤーにアジャストできたのが大きな成果です。

Main Event Day1/C の敗退

まず今回の遠征に向けて仮説を立てていたことがあります。それは以下の通りです。

  • GTOに沿ったプレーが基本になるだろう。

  • ブラフも十分に使ってくるだろう。

  • プレイの質は日本よりも高くアグレッシブで、打ち合うスタイルになるだろう。

そして目標は、100位以内に入ることとしていました。

上記仮説をもとにDay1/Cのプレーを開始したのですが、実際にプレーしてみると全くうまくいきません。
この時点では、バリューヘビーなのかな?としか思っていませんでした。
しかしどうやってもポットが取れず、ポットをとっても小さいサイズしか取れません。
ブラフはことごとくキャッチされ、シンバリューを狙ってもことごとく負けます。
そして一度目の敗退を迎えます。

悔しい気持ちでしたが、各Day1で1リエントリーが可能なので、切り替えてすぐにリエントリーするものの、ここはプリフロップのAIで負けました。

Main Event Day1/C の敗因分析

このなんとも言えない状態でホテルへ帰宅します。
ヨーロッパは強いとは聞いていたがここまで太刀打ちできないものかと愕然とし、また焦りも感じていました。

しかしこのままでは同じ轍を踏むので、気持ちを切り替え、翌日のDay1/Eに向けて冷静に敗因を分析することにしました。

すると印象に残っているプレーや、プリフロップからリバーまでの様々なプレイヤーのアクションを振り返っていると、いくつかの違和感に気づきます。
その違和感を整理し書き出すと以下の5つにまとめられました。

  • プリフロップのオープンサイズがポジションに関わらず大きく変化する

  • プリフロップの3ベットが非常に少ない

  • フロップCB率が40-50%ほどと低い

  • CBサイズがポットの50%と大きい

  • ターンとリバーのチェックアラウンド率が高いのでショーダウンへ向かいやすい(これは数値化できておらず肌感です)

ここからわかることは、GTOと大きく乖離しているということです。
そしてその乖離に気づけなかったこと、またこの乖離に適応できなかったことが一度目の敗退の原因だと結論づけることができました。

要は、初心者の多いリング/キャッシュゲーム卓でエクスプロイト戦略を展開せず、GTOでプレーしているに近い感覚です。
そのため、降ろせているところを降ろせていないのでブラフはキャッチされるし、CBを打っても降りられてしまってポットが小さいままになっていたのです。

Main Event Day1/E へ向けての戦略変更

卓のほとんどのプレイヤーがGTOから乖離しているのであれば、そこに対する戦略変更は簡単です。
その日に整理した戦略変更は以下の通りです。

  1. プリフロップのオープンレンジと3ベットレンジは硬い。そしてオープンサイズと3ベットサイズも強さに比例したサイジングになる。逆にプリフロップコールは非常に弱い。

  2. 人によってはプリフロップオープンレンジは広いが、全体を通してスーテッドであれば広くオープンしている。なので、こちらの3ベットレンジを若干広くしてしっかりしておろしていく必要がある。

  3. 強いハンドをフロップのチェックコール、チェックレイズにまわす。「ポストでヒットしなければチェック」というプレーを行なっているプレイヤーなので、こちらのチェックも同様にヒットしていないと考え、次のストリートで雑なブラフを打ってくるのでそこをキャッチする。

  4. 常にナッツを考え、ナッツ形成がされた場合はアクションを抑え、チェックコール、チェックフォールドにする。

  5. ポストの相手の強いアクションに困った場合は、1を利用し、プリフロップでどのサイジングでオープンや3ベットをしていたかから考え直すと、どこまでの強い役を形成したかがわかる。

  6. ポストのベットサイズは強さに比例する。基本的にCBはヒットした時で、1/2ベットを使ってくる。ドローのときなどは弱いベットかチェックをしてくる。

  7. ドローでのチェックレイズはほぼない。(のちに判明するが、このチェックレイズのほとんどがセット)なお、ベットに対するリレイズや、リレイズコール後のチェックは弱い。

  8. フロップは何かしらヒットしていればコールをもらえるので、ターンでしっかり打てば下ろせるし、強いときはターンで1/3うてばコールをもらえる。

要は、プリフロップはレンジポーカーで戦い、ポストフロップはハンドポーカーに切り替えるという戦略です。
極端にブラフやこちらからの無駄なベットを減らし、相手のミスベットに徹底的につけ込もうと考えました。

Main Event Day1/E の成果

以上の戦略をもとにプレーすると、スタックの損耗が極端に少なくなりました。
そしてスタックの損耗が少なくなると、相手のプリフロップAIを受けることができ、スタックを増やすことができました。
相手のプリフロップAIは勉強がほとんどされていないようで、非常に広いハンドでアーリーポジションからAIをしてきます。
そのため通常のレンジより少し広げてもAIを受けることができ、その結果EQを維持して吸収することができました。

最後ITMバブル10名の際に非常に大きなミスをしてしまってスタックをほぼ全壊させてしまいましたが(この話は別の機会に)、無事Day1を通過しITMが確定したという流れになります。

まとめ

以上がEPTプラハで得られた内容となります。
もちろんプラハという場所や、Eurekaという前哨戦という条件があるかもしれませんが、今後初めてEPTに参戦する方にとっては知っていると得な情報になったのではないかと思います。

また中級レベルの方には、敗因から戦略変更をどう行なっていくのか?という点について具体的に説明できたのではないかと思います。

今後もこういった経験をまとめていこうと思いますのでご期待ください。

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