お笑いっていいよねの話

気づけば師走である。
時の流れは残酷でこの前おせちをつついていたかと思えばもう年越しそばの準備をしているのである。
年末といえば僕の中ではM1である。去年のミルクボーイ、ぺこぱ旋風は記憶に新しい。今年は在宅とかで外出する機会がないから例年よりもM1関連の動画が伸びているような気がする。みんなこんな時だからこそ笑いたいのである。

そんなお笑いの話。

僕はお笑いが好きである。
嫌いな人は当然いないと思うが、時たま劇場にも足を運ぶくらいには好きだ。去年くらいまでは単独ライブの映像が見たくて1人でラブホテルに通っていたこともある。
1人で入って特殊なサービスをしてくれるお姉さんを呼ぶでもなく、酒を飲みながらVODでばいきんぐの単独ライブを見ていた。
その話を友人にしたら、U-NEXTでたくさん単独ライブの配信がされていることを教えてもらった。
鈍器で頭をかち割られたような衝撃を受けた私は、VODも結局インターネットを利用しているにも関わらず「やっぱこれからはインターネット、サブスクの時代だなあ」なんて一人ごちて、VOD信仰からサブスク信仰へと改宗した。ラブホテルに行くメッカ巡礼はほどなく終わりを告げたのである。

僕が小学生のころといえば、エンタの神様が全盛期な時代でテレビがすごく盛り上がってた時だと思う。その当時には、お笑いライブを見に行くなんてことは毛頭選択肢にもなくて、唯一行った経験のあるそういうのといえば、近所のショッピングモールに小梅太夫とですよ。とヒロシが同時に来たときくらいである。
そのショッピングモールは、1階のエスカレーター前にステージがあり、3階まで吹き抜けになっているのだが、3階までビッシリ人がいて、一目見るためだけに何度もエスカレーターに乗っていう人がいたのを記憶している。

今の若い子が聞いたらなんでこの人たちのために!?と驚くかもしれないが、この頃は本当に大人気で、当時の小学生の挨拶が全部あーいとぅいまてーんに代わるくらいには人気だったのである。

そんな僕が劇場に足を運ぶようになったのは、恥ずかしながらここ数年の話である。
きっかけは、僕の幼馴染がNSCに入ったからだ。NSCライブなるものがあるから見に来てくれと言われ恐る恐る行ってみたのが一番最初である。
特に期待はしておらず、幼馴染が夢に向かって頑張っている姿を一目見れればいいと思っていた。どこかまあ芸人の卵だしと低く見積もっていた部分もあったかもしれない。
この場を借りて謝罪したい。本当にすごくおもしろかった。
これを契機に生で見るお笑いってめちゃくちゃ面白いじゃん!ってことに気づき、幼馴染が出てる回は勿論、好きなNSC生を見に行くために、幼馴染が出ていない回まで足を運んだりもした。

極めつけは生でミルクボーイとうるとらブギーズと金魚番長を見たことだった。NSC大ライブというNSC生の1年間の集大成となるライブを見に行った。
確か昼頃から開場し、その期のNSC生が総勢100組以上はネタをやった気がする。
ぶっちゃけ幼馴染と何度か通った中でおもろかったから目当てにしてきましたという組は全体の1割くらいしかいなかったし、それだけ人数がいりゃ当然あまり面白くないな、合わないなという人もいるから、4時間くらいぶっ通しで見続けるのはかなり疲れた。
NSC生の人からしたら集大成な大会になるわけで、演者のエネルギーがとにかくすごいのである。それを見てるこっちもそれをじりじりと感じるので、ドッと疲れるのである。

そんな感じでもうお笑いって何?もう当分笑わないでいいわ・・・ってなってるところに上述した芸人さんたちのネタ時間が始まった。
大ライブはNo.1を決める戦いなので、投票の集計の時間がある。その幕間の時間でネタをやってくれたのだ。

やっぱりプロは違うなと。
客の疲れを吹き飛ばすほどの笑いに感動した。

生で見るお笑いとTVで見るお笑いの大きな違いってのは
ネタ中の表情ひとつひとつの所作がわかるところだと思う。
芸人さんはここまで意識してネタ作りをしている。(多分)

そんなこんなで生のお笑いに脳の髄まで痺れた僕は、「やっぱ生で見るのが純度100%のお笑いだわ」「生じゃないと本当のお笑いの良さはわかんねーよ」なんて、SEXを覚えたてのクソガキもといビールが飲めるようになった大学生みたいにイキりちらしていたのである。たった1回の経験で。

こんな世情なので、なかなか生で見に行くのも難しいかもしれないが、落ち着いたらぜひとも劇場に足を運んでほしい。そしてこの衝撃、笑いで脳汁が出る感じを味わってほしい。だからこの時期にお笑いで元気をもらった人は還元しよう。
きっとそのころにはあなたもお笑い沼にハマっているはず。


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