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雲の上にはお天道様が!〜私が「#医療系事務職員応援隊」になったわけ⑤

皆さん♪こんにちは。「#医療系事務職員応援隊」の長幸美です。

今回は、レセプトなど、医事の基本業務のお話をしますね。

いま、紙のレセプトを印刷して点検をしている医療機関は少なくなってきたかもしれません。しかし、私が医療事務を始めた頃は、保険別に色がついたレセプトを印刷していました。
集計や編綴など、面倒なことがたくさんありました。
レセコンこそありましたが、紙のレセプトを目視で点検している時代です。病名やコメントもワープロ入力して、かなり自由に作っていました。審査も目視だったので、閻魔帳片手に、鉛筆舐め舐め仕事をしていたわけです。今のようにレセプトチェッカーなどなかったのですが、それでも色々な工夫をしていました。

■日常点検
日々の会計終了後に、算定漏れがないか、薬剤と検査・画像診断・処置など、病名漏れがないかを点検します。

昔は、カルテを見ながら、検査や画像診断、処置・手術などは伝票をもとに入力していましたので、新入職の職員が入ると、入力方法やカルテの見方、医学的な基礎勉強のために現場に入って何をしているのかを見て診療内容を学んでいきました。

今現在は、診療所も病院も電子カルテやオーダリングが入っている医療機関が増えています。
事務職員にとって、楽なようですが、ある程度の事務レベルがない場合、ザルのように算定漏れが起こります。誤請求にもなります。医療知識もない新人であれば尚更です。

最近の仕事で関わる、ごく普通の整形外科や内科の診療所で月30〜40万円、在宅医療を行う診療所で.月100万円単位の算定漏れが見つかります。
カルテを読んで請求をしていた人間にとっては、びっくりするようなことですが、「え?取れるんですか?流れてこなかったから~」と平気で言われます。年間に直してみてください。数百万~1千万単位で、収入が入ってきていないわけです。事務職員のスキルアップがどれほど大事か・・・これだけでもお分かりになるのではないかと思います。

■月末のレセプト点検の今昔
1ヶ月経ってみないと算定できないものもあります。
例えば・・・
在宅医療の場合、在医総管など、1ヶ月経ってみて点数を調整する必要が出てきますね。がんの末期かそうでないか、在宅医療支援診療所であるかそうでないか、によって、同じことをやっていても、収入が1.5倍から2倍違うわけです。亡くなる前30日以内かどうか、でも変わるわけです。
腫瘍マーカーなども確定診断がついたら算定方法が変わります。
外来患者が入院した場合も、調基や判断料など調整が必要な場合があります。
このような場合は、レセコンから算定一覧表を抽出し、点検・修正する必要があります。

レセプトチェッカーでも、チェックがかからない場合がありますから、ICTが発達した現在でも、チェッカーの特性を確認して、いくつかの手法を組み合わせていくことが必要でしょう。

■レセプトチェッカーの迷信
はじめてレセプトの状態で、レセプトチェッカーによるチェック内容を見たときに、「なんて画期的なんだろう!目視点検はいらないかも!!」と喜んだものですが、大きな落とし穴があります。
レセプトチェッカーは、入力している状況でチェックをすることしかできない・・・ということです。機械は万能ではありません。
電子カルテを入れるときに、もしくはオーダリングを入れるときに、これらを意識して、検討することが必要です。

私の過去の失敗談ですが、オーダリングを入れる際に、オーダーとレセプトの厚労省マスタを紐づけるときに、換算式を誤って登録したことがあります。・・・というか、突貫で導入したため、薬剤マスタの管理者が間違えていることに気づかなかったのです。電カルとレセコンが一体型の場合このような間違いは少ないのですが、追加マスタなどではこのような間違いが起こりやすいので、注意が必要です。
幸い、手技や実際の使用量がわかっていたため、誤請求には至らなかった(レセプト点検で見つけました)のですが、ひやりとした記憶があります。

■「請求期」という罠
皆さんの医療機関、「請求期だから・・・」と言って医事課を甘やかしていませんか? 請求期だから残業は仕方がないよね・・・請求期だから医事課はできないよね・・・請求期だから・・・

私はこの「請求期だから・・・」という言葉が大嫌いでした。
皆さんの医療機関も、この「請求期だから・・・」という言葉に惑わされてはいませんか?

日常業務の作業とレセプト時期の作業は重複しているものもあります。
実際に1か月たたないとわからないこともあることは先に述べました。しかし、請求期だからどの医療機関も忙しく、残業をしているわけではないのです。ほとんど残業がない医療機関もあります。
医事課に入ると、残業が多くて、休みも取れないし、長く続けられない・・・そんなことはないと思っています。

■日常業務を見直しませんか?
2か所目の医療機関に就職した時に、「月末月初の日曜日は出勤ですから、そのおつもりで・・・」といわれてびっくりしました。二次救急の病院でしたから、日直業務もあるわけです。それなのになぜ?

答えは簡単です。
日常的に、会計の点検作業を行わず、1日から始めて点検を始めるのですから、日常業務+レセプト点検となると、大変なのは目に見えています。
レセプト請求の時に必要な作業や日常業務を洗出し、毎日できることと月末にすることを整理したらいいわけです。

その日のうちに病名漏れをチェックして、先生にカルテ記載の不備や病名をつけてもらえれば、月末に病名チェックをする必要はなくなります。
しかも、新人さんが計算間違えをしていた・・・なんてことがあっても月末に見つけて、電話をかけ、誤ったり未収金の報告をしたりする必要もないわけです。レセプトチェッカ―が入っていても、使い方によってはとてももったいないですね。

つまり・・・ICTを活用するためには、いまの作業のどの部分をICT化するのか、ということが明確でないと、手間がどんどん増え、逆に仕事の精度は落ちていく・・・こういうことも、経験値として伝えていきたい・・・という思いがあります。

このレセプト作業の話をし始めると、つい熱くなってしまいます。
この続きは次回・・・


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