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在宅介護16〜介護離職と孤立感~

皆さん、こんにちは♪
梅雨の晴れ間、夕陽が綺麗で、近くの高台まで写真を撮りに行きました。
昔、黄昏の人って映画?があったなあ・・・
しかし、蒸し暑さは半端なく、チョッと動いただけでジトっと汗ばんできます。

さて、父は入院して3ヶ月、誤嚥性肺炎でときどき熱を出しているようです。そろそろルート確保も難しくなってきたとか・・・昨年8月にグループホームにお願いし、コロナ対策のために面会できず、3月にコロナに感染したところから、病院に入院しています。
やはり施設入所後から、急激に認知症も進行し、あれよあれよという間に、今は寝たきり・・・覚悟はしていますが・・・なんとも複雑ですね。

先月からようやく面会が一部解除されたのですが、それでも平日の13:30~16:30と制限があり、まあ、病院なので致し方ないのかなと思ったりしています。寝たきりとは言え、きれいにしてもらっていて、ニオイもありませんし、毎日、お昼の食後に起こしてもらって車いすでお散歩させてもらっているようです。

我が家にはもう一人高齢者(母)がいて、こちらは食べすぎるくらい食べるのですが・・・困ったことに、虫歯及び歯周病菌により、奥歯がないんですね。前歯も入れ歯ですし・・・厚揚げでも「硬い」という始末・・・
先日久しぶりに呼子に言ったのですが、お刺身はあまり食べないので、てんぷら定食を頼んだのですが、烏賊の天ぷらが硬いと・・・
少々噛み応えがあるものは認知症にいいから・・・と言って食べさせたものの、煮物も炒め物も、くたくたになったものしか食べず、久しぶりの外食も、あまり満足できなかったようです。
毎日の食事にも、少々てこずっています。インゲン豆もピーマンも、茄子の皮も硬いとか・・・食事作りに困っています。

さて、父の入院先の医療機関では、平日の昼間しか面会は許されず・・・私も仕事をしている関係でなかなか面会に行くことはできません。
残された時間は少ないだろうと、できるだけ面会に連れていくようにしているのですが、行っても、元気にしとかなね、さあ帰ろうか?と、5分とその場にはいません。そのくせ、会えないと、帰ってきてからも泣く始末で・・・自宅に連れて帰るかどうか、迷っています。

自宅に連れて帰れば、また、できないことに対し、責め立てるのはわかっていますし、私も仕事がありますので、四六時中相手をするわけにはいきません。それでも、母は自分の時間で行動するので、私とは時間が合わず・・・どうしたものか・・・

こうして、介護離職になるんだろうな・・・とつくづく感じています。
上司も会社全体も、トータルでお客様に迷惑がかからなければ、また、仕事に差し支えなければ、時間は融通してくれますし、理解してくれているから何とかなっていますが、通常の会社勤務であれば、とっくにクビなのではないかと思います。

それと介護をしてみて気付くことがもう一つあります。

介護者の孤立感です。
私は仕事に行き、そこでいろいろな話をきくこともできますが、これが仕事もなくなれば、社会とは隔絶されてしまうわけです。うちの母も、私が5分でもどこにいるかわからなければ、そして、行き先がわかっていても、帰ってくるまで、ウロウロと探し回っているようです。
ある休みの昼下がりに、母が昼寝をしているときに、息抜きに散歩に出たのですが、20分ほどで、妹から、「今どこにおる?」と電話がかかってきました。目が覚めて私がいないことに気付いたようで、探していると・・・。
本当に息がつまりそうです。

昼間の仕事に出て、夕方帰るとだけ伝えていると、16時ごろから、ウロウロと探し回っているようです。
遅くなるから寝ててね、と言っても、暗くなっても道をウロウロと歩き回って・・・ギョッとしたことも何度もあります。夜は猪さんもお散歩しているので、あまり出歩かないように言っているのですが・・・
休日の朝、お散歩に出ると告げて、11:30には戻るから、と言っていても、10時過ぎから、近所を探し回り「出て行った切り、帰って来ん」と・・・
本当に気が休まる暇も、仕事をしている間もない感じです。

こんな感じが続くと、本当に仕事はできないし、普通の人の神経だと家庭を第一に考え、引きこもる生活になるのは目に見えていて、家の中だけで、社会とは隔絶され、孤立していくのでしょう・・・。
まあ、私は少々冷たい人間かもしれません。なるようにしかならないからと、ある程度割り切って、仕事に出かけていますし、ある意味仕事が気分転換にもなっています。
まあ、良い悪いは別にしても、この現実から逃げていきたい気持ちはよくわかります。

そして、このどうしようもない現実に、社会はなんと冷たいことか・・・
表立っては相談ができる窓口があっても、またそういう在宅介護に力を注いでいるように見える医療機関でも、実際にふたを開けてみると、「できない」といわれることが多く、戸惑うこともしばしば・・・
これでは地域を支えることはできないでしょうし、本人以上に介護や医療を「業」としている人たちも、覚悟ができていないのではないかと感じてしまします。実際に加算を算定していても、強化型の在支診であっても、夜間対応ができない、医療処置ができないところはたくさんあります。

在宅での「看取り」をするとなれば、家族以上に、支え手・・・つまり医療機関や介護事業所の支援が必要になります。なにせ、家族は素人ですから、療養者の体の変化に戸惑い、不安になるわけです。そして、核家族です。私も、一人で、2人の高齢者と1人の障がい者を看ていますので、不具合が重なった時はどうしようもないわけです。そうした時に、的確に寄り添っていただける人材がどれほど大事か・・・ということを痛感します。

看取りをするというグループホームや在宅の先生方でさえ、熱が出た、咳が続くといったことで、入院を勧められるのですから・・・。
そして、これまで、入院が7日以上たつと家庭での受け入れが難しくなると思っていましたが、医療者が家へ帰せなくなる、自宅では無理でしょう!ということもあるのではないかと思い始めました。

グループホームをはじめ施設では喀痰吸引等の研修を受け、加算も取っていますが、実際は「受け入れられません」といわれますし、「こんな状態でどうやって看ていかれますか?」「どうなっても責任は取れませんよ」といわれると、それを振り切ってまで家庭に連れて帰るということはなかなかできないもの・・・。また、そうしてしまうと、その後何かあった時に診てもらえないかもしれないという不安がつのり、躊躇してしまうのが現状です。
なんとも悩ましい・・・
こんな状態では、いくら診療報酬をつけてもらったところで、在宅の看取りは増えないのではないかと思うこの頃です。

命の灯が消える頃って、こんなに切なくて、どうしようもないものなんでしょうか?病院時代に「患者さんの最後に寄り添う医療提供を!」と考えて、訪問看護師やケアマネジャーと話していたのは何だったのか・・・と思う週末のひと時です。皆様はどんな週末でしょうか?
また、私自身の終いかたも考えるこの週末でした。

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