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Beck『Mutations』

リリース日:1998年11月3日

これまで新作を中心に書いてきましたが、過去作も含め、お勧めしたい作品についても書いていきたいと思います。

米出身のアーティストBeckによる通算6作目のアルバム。
私が初めて聞いた彼のアルバムはこの作品でしたが、最初に聞いた当時はすごく変わった音楽だと、良さがあまり理解できず、そこまで熱中していませんでした。その後、偶然買った前作にあたる『Mellow Gold』を聞いて衝撃を受け、ベックに夢中になるのですが、その際に改めて聞き返してみると、物凄く良いアルバムだったと気づきました。

彼のディスコグラフィーを大きく2つに分けると、ギターの弾き語り、メロディが際立つ歌モノの作品と、ビートやダンサブルなリズムが際立つ作品に分けられると思いますが、今作は前者に当たる作品です。
今作の音楽性は彼のルーツであるフォークやブルース、カントリーが基礎にありつつも、曲単位で同じものはないと言っていいほど多種多様です。アコースティックギターの弾き語りに、スペイシーな音が重なり浮遊感を感じさせる「Cold Brain」、シタールの響きが印象的で音数は少ない中で、とてつもない広がりを感じさせる「Nobody's Fault But My Own」など。
『Mellow Gold』のライナーノーツに書いてあったと思いますが、彼の祖父はコラージュ作品を作ったりする方で、彼もその影響を受けているのか、様々な音楽性をつぎはぎして、唯一無二の音楽が生まれているのだと思います。

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