青春みたいな男

槙島(仮名)と連絡が取れなくなって、
半年が経った。



最初に会った時、
彼は俺より年下だったから敬語で話しかけてきた。

敬語なんて使うなよ
ってキレたら、そこからタメ口になり、生意気な事を言われまくることになった。

最初はやずさん。と呼ばれていたが、
次第に、やず→ゴミ→肌荒れゴビ砂漠→チャバネゴキブリと、
あだ名が酷い方へとエスカレートしていった。


彼と夜会った時は、アルコール摂取量の限界を数十回も迎えて、気がついたら次の日の夕方まで時間が飛んでいた。


本当にくだらない事を、
あそこまで全力で共にやりきれる奴は、槙島以外知らなかった。

彼は根っからの嘘つきだった。
きっと、沢山の人達を傷つけてきたんだろう。
俺が知らないところでも、沢山。

でも俺は正直、
そんなことはどうでも良かった。傷ついた人達には悪いけど。

ただ、彼と過ごす時間。それが楽しくって、本当にどうでも良かった。

だから、
またどっかでバッタリ会ったら、

酒でも飲もうよ。



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