サステナジーでのこれまでの仕事のこと その2

その1の続き

2018年秋に宮城から東京へ異動
ここからシェアハウス暮らしになる
シェアハウスの事はまた追々。

サステナジーの恵比寿のオフィスに通う日々が始まる。

太陽光発電所の開発は、土地を紹介してもらったり公有地の公募に応募したりして、自分達でFITの認定を取りに行った30円台/kWhの案件はほぼ全部が運転開始、私が担当していた最後の1つを東京から宮城に通って仕上げていく段階だった。

最後に残るにはそれなりに理由があり、長期戦。
じっくりゆっくり時間をかけて一つずつ問題を解決しながら進んで行く案件だった。

時間が薬になることもあるし、全くの想定外のところからポンと道が開けている…、、
というのもあって、ここらへんはいつも説明が難し…できない…。

2018年までの宮城での仕事では直接会って話をする事が本当に重要だった。
メールやメッセージで済むこともあるが、
基本対面+電話
(エリアが広く車で2時間かかるとかもざらなので、電話も多用する)

特に個人の土地の持ち主の方々には何度も直接訪ねて行ってはお茶を飲み、お漬物を頂き、
時には酒席もご一緒した。

私たちはご希望があれば土地を購入することもしたが、
大半の案件では地上権契約か賃貸借契約だった。
お会いしにいくと、ご先祖さまから受け継いだ大切な土地を売るつもりはないが、使ってくれるなら貸してもいい、という意向の方が多かった。

ご一族の大切な財産を20年の長きに渡って貸すわけなので、信用していいのか、きちんと管理してお金を払い続けてくれそうな会社なのか?
を会うたびに確認されている感じ。

私の知る限りでは土地を所有する事は結構な責任を持つことでもあり、ご近所に迷惑にならないよう、きっちりと管理しなければならず、草ボーボーにするなんてとんでもないこと!と皆さんお考えだった。
なので管理をどのように考えているのか、は繰り返し問われた。

事業なので、絶対のお約束は難しいけど、現時点ではこのような考えで、その意思は契約書のこの部分にこのように書いています、と説明して納得して頂ければ、契約がまとまる。

私の担当した案件では着工前には必ず工事と発電所の安定稼働を祈って、私たち発電事業者、工事業者、地権者、その他関係者にお集まり頂いて、地鎮祭や安全祈願を行った。

やらない会社もあるようだけど、関係者が一度に集まる機会など他にないから、よい顔合わせの機会になるし、
私はある工場長さんの言葉を聞いて以来、必ずやろうと決めたのだった。

そのある工場長さんは、初めて大きな屋根をお貸し下さった会社の方で、契約や調整を進めて着工時期が見えてきた頃にこんな会話をした。
(雰囲気記憶なのでご了承を)

工場長「そういえば安全祈願の神事はやるのですか?」

私「こういう時は、やったほうがいいんでしょうか?」

工場長「そりゃやった方がいいと思うよ。稼働中の工場の上にパネルをあげる大規模な工事で、パネルの工事側と工場側が協力しなきゃいけない事がたくさん出てくるわけだし。
大規模な工事では大なり小なり、事故は付きものなんだよね。
事故が起きた時に、大きくても小さくても、安全祈願しておいたからこの程度で済んでよかったよね、って納得できるんだよ。やってなくて事故が起きると、ほら、やらなかったからこんなことになったんだ!ってなっちゃうんだよね」

私「それは絶対にやったほうがいいですね!」

工場長の言葉には色んな要素が含まれている。
神事には、神様にお願いをして、やれるだけの事はやったのだ、と、結果を納得して受け入れるための儀式という側面もあるのだと思う。

そしてこんな会話はメールとチャットのやり取りでは生まれなかったか、ここまで深まらなかったのではないか、と今振り返ってみて思う。

結果、この発電所の工事では小さめのトラブルは起きたものの、大きな事故はなく完工できた。
めでたい。

また、つらつらと書いていきます

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