こんな静かな雨の夜は、徹底的に孤独であり、この世界にはそもそも私以外誰も存在しないのではないかとさえ思えてくる。おそらくこの心境こそ、私が「在る」ことの無根拠性であり、それゆえ「出逢わないでもあり得たものが逢ふ」ことの驚くべき奇跡というものが、沁みじみと感じられるのかもしれない。

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