完敗した太郎さんは不機嫌でロッヂに入るなり両足をぼーんと投げ出し「足の爪が伸びて痛かったせいだ」と、敏子さんに足の爪を切らせた。敏子さんはにこにこしながら足の爪を切ってあげた。私は生まれて初めて、男女の間にある愛というものを目の当たりにした。それはあまりにも美しすぎる光景だった。

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