通路越しに一瞬見たのは偶然なのか私には 車窓と本と貴方を交互に移り変えて さっきまでの難しい夫婦が通り過ぎる お互いにきっかけを探りあいながら 装丁をタイトルを翳し合って最初の会話が始まる 可笑しな返事に空気がいつのまにか胸を騒めかせて 考えてみれば当然のように食事をしながら口角が上がる 洒落たジョークを見定めて深いSexyな内容に次第にときめく 物憂げだったさっきから突然のルート変更 楽しい時間はふたりを離さない何かで捕まえてしまうから 途中で降りるか迷って世界が笑って手招
止められない歪んだ心 立ち上がり何処へ行くのか 曖昧な感情にそっと方向性を委ねられて尋ねるのか 不安定な長い細い だがしっかりと渡された足場に ゆっくりと添寝のような遠慮が抱きついて離れない強情 宙を徘徊する無数の塵を飲み込んで中核の果て 淀みない汗と降臨せずとも速力を推進に ゆらゆらつま先に どうしたの どうもしないさ 分かるの 分かるってどうしようもない 頸が悲鳴を、効力を野ざらしに肺が叫んで遠くに舞い 共存の右手が黄金色に発光して見届けるまでに 雄大な白い髪が瞬時に若く
この世界は段々と住みづらいですって 愚かな過ちを許せない自分に苛立たないで あなたなら強引に行方を眩ませて袋小路に追いつめて 何度でも、 この世が続く限り、 放物線を想い描くなんて思春期でもあるまいし 果てしなく永遠の言葉を借りるのなら荒野に無数の星を 一瞬で滅亡させる光のサイコパスを風で頬を貫くの 号泣して泣き叫んで躰が自由を失っても まだ終わらない 刹那に希望の頂きが地平線の一片に眩い柔な機会を越えて 螺旋の源流に淀みない来るをこじ開けあなたは背に抱えて 億回から、 転生
他人ならどんなに辛くはないのか知りたくもない 憚られるなら 記憶の断層をひとつだけうまく抜き取って 果てしないリアリティーを音速で書き換えてしまいたい 孤独より上品な成り行きで夜が明けてしまっても どうしようもない点線が足場を象り負け戦に仕向けたって ちょっと強引じゃない 不細工な関係ならそのまま走りきらないと 揺り動かした奇跡のような想いくだりは トーンダウンしたあなたの背中に微笑が月に似て不自然よね いやしいなら見つめ合って 恥ずかしいなら手を握って 腹立たしいなら頬に口
ぶっ飛んだ 理解の越えた行いが常態化した 惑わされて自分の事を棚に上げて世の中を否定しまくって まだ分からないのあなたは? 乗り込んだ 同化した連帯責任が心を蝕んでも 紐づけられた孤独と空が地続きの荒野まで そんなんじゃないpunch lineの手前で思い直せば 言葉を上回る暴力なんて存在しないし壊してしまえ だって歯向かう事を恐れているじゃない 平然と嘘をこきまくって 手に負えない力ですべて物憂げな現実にさよなら言いたい これでも頷けるのあなたは? 悟られた 一途な戸惑いに
元彼が残した言霊 幾夜も脳裏を行き交って 何て言い訳すればいいか フラフラと呼ばれたみたいに 記憶のない変更線を許可なく回答していたのが快感になって 吐露させろくでもない仕掛けに何の躊躇もなくルールを作り上げて どうせ 何を言ってもムダだから 結局可愛いのは自分だけで何も変わってはいないから そうね可笑しくなったんでしょう? やっぱり失敗なんだろうと気づいてしまったイマジナリー 歪んだ迷路にひとり彷徨うのは嫌なんでしょう 止まったままの文章 削除の勢いで指が滑って 正当化した
大通りの反対側で似た人を見た ゆっくりと眠っていた記憶が歩み寄っては 呼吸を焦らずに整えようと細胞が震えた 何度となく覗いていた思い出の断片が 横殴りの激しい状況下で突然抗い始めた、私はどこへ行くの 忽然と情緒が乱高下したと感じて隣があなたではないと分かった 狂いゆく午後に 思わせぶりな今の人は冷たい視線を浴びせて カタチだけの家族を苦しくこなす窓辺の洗濯物に 静まりかえった夜に飛びだして 自尊心と彼からの見下された温度に吐き気がする 戸惑いながら映る景色が逆撫でしながら 後
突然の再会に期待したのは嘘じゃない 刹那、曖昧な関係に逆戻りは不確かな記憶を 今日に限って迎えが来ないこんな帰りに 自然な振舞いでふたりきりのエレベーター 流れ落ちる景色に会話何てある筈もないし 急に狭くなった空間で躰が触れたら息が続かない あなたはただ前を見つめて表示を追うの 小糠雨が切なく夜をゆっくりと押し進めて もう終わったことを繰りかえすのは意味のない日常 ただ、ひと言でも声が聴きたい私の想いが深く距離を遠ざけて 孤独ではない新たなパートナーに嘘をつく 書店であなたが
見覚えのあるアウター あの日の街ですれ違ったの 連絡もないこの二年ですっかりと変わった あなたがいるのね もし寂しくなってあの頃を思い出すと 悲しくなりそうで何だか切なくなりそうで 嫌な気持ちや変な罪悪感を勝手に纏って きっともう私との時間なんて消えてしまって 新しい家庭を大事にしているのを 遠くからどういう想いで それぞれの形に収まってもういい加減 分かりあえたと言えるの それが何もなかったかのように薄らいで もう終わった日常を未練が襲うの ふたりでよく行った場所 今となっ
違和感が目の前を通り過ぎて モールの人混みで視線を巡らせると 誕生日に贈った冬物の服があなただと分かる 真っ先に楽しかった二人だけの生活が胸を締め付け 若かった私はあなたを苦しめた 本気で過ごした時間が鮮やかに蘇り違う人を迎える こんな日がお互いに訪れるなんて私が馬鹿だったのね 幸せそうで良かった本当に 遠くであなたを追うのを切なさが奪う もう覚えていないの 最低な女で自分勝手な女で何も言わずに消えた女なんて 出来るなら私が不幸になれば良かった 小さな子が駆け寄りあなたはあの
頭痛が今朝もまた目覚めよりも早く 目の疲れが抜けきらない衰えの中で 今日もまた、前を見つめて行動するのはとても大変な事 出来るならもうこのまま静かに 出来るならもう何もしたくない 出来るならこの痛みを無くして 躰のあちらこちらが悲鳴をあげて 敏感で繊細で免疫が薄らいできたこの頃 明日もまた、分かりきった生活を継続するのは可笑しな事 出来るなら外へ駆け出して行きたい 出来るなら思いっきり走り回りたい 出来るならこの日常を否定したくない ああ、すべては誰の命でもない たった一度の
協調性なんてない 無自覚に遮断を繰り広げ 都会に紛れた孤独の彼方に 見ぬ光景が襲いこのままどこへでも飛んで行けそうで 小さな世界で陰湿で曖昧で脳が退化する行程を 大きく燃え尽きる覚悟があるのならば 孤独と別れる決意があるのならば 恥じらいや自己中心的な考えを取り払うのであれば 毎日の憂鬱と混沌と日常化した鈍行さを押し上げ引きあげ 遥かな明るい地上の運命共同体 生きることを自らの手で苦しめてやしないか 空が、高く青く 山々が、大きく赤い どこまでも変われる日を待っている すべて
近づいてはよく知り 調子を合わせてはその存在が仇となり 無理に組織に馴染もうとする気持ちが 孤高の頂きで当然受け入れるべき結果として 何よりも 自然で謳歌できて あなたはその道を進めばいい 離れて行くひとを止めるような真似はするべきではない ああ、天から眺める景色は遥か彼方に偽善を見定める ここは何よりも正直で己の感情を優先する 何よりも 周りと協調 何よりも そうでなくては 何よりも 恥ずかしい事 そう何よりも、あなたが見失うのは自分の本当の気持ち 高く舞い上がれ 群れない
真夜中の外来に 見覚えのある男がひとり佇む 知る訳もないのにナゼか今日に限って 違う人を想うの 普段なら安易に流されたりしないのに今日に限って 何日も会話が無いなんてどうかしてたわ 去り際にあなたが優しくするから こんな気持ちにさせるのなんて いつも通りに買い物する自信がないわ 手が触れた事実をこんなにも複雑な関係にさせるなんて ああ、大人な関係とは誤魔化す答えばかり ああ、余計なお世話かもしれないけど 言葉じゃなくてあなたともう一度触れあいたい もう帰る時間 ふたりは違う景
恋はいつだって突然襲いかかり 恥じらいを捨て相手の顔を数秒見つめれば 燃えるかそうでないかは 瞳のカタチさえ曖昧で強引な辻褄の合わない予定を口にする 二度と来ない瞬間に 最初で最後の光景 きっと、私がバーキンを自慢げに裏持ちして あなたには不運だった 夜の風が少し逸れて距離が近づく 曖昧な態度はいらない 今すぐ口説き落として この街から遠くへと手を繋いで導いて