雑記 184 森川花はす田

画像1 ある日の事でございます。お釈迦様は、極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。(芥川龍之介『蜘蛛の糸』より)
画像2 泥の中にある根や、花が終わった後に出来る実の無骨さに比べて、蓮の花はひたすら美しく気品に包まれ、高貴な佇まいである。釈迦が早朝ゆったりと散歩されている姿に引けをとらない花の優雅さ。釈迦も蓮の花も、どちらも天からの賜り物。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?