猫日和 402 北野の黒

画像1 夫が抜き足差し足でやって来て、小声で「猫が来ている」と言いに来た。行ってみると、縁側ギリギリに大きな黒猫が寛いでいた。雨が激しく叩きつけても、この場所だけは、庇があって、濡れないので、きっと特等席なのだろう。
画像2 それにしても、どこの猫だろうか。大きくて、とても野良には見えないけれど。悠然とお昼寝中。いつまでも起きないから、硝子戸をそっと開けたら、ビックリして飛び退いた。
画像3 北野天満宮の猫だろうか。7月にも境内に黒い猫は2匹いた。「新しく飼うのは無理だけど、外猫ならいいな」と私は言った。居着いてくれたら嬉しいのに。縁側を飛び去った後、しばらく経って外に出たら、今度はクーラーの室外機の前で寝そべっていた。声を掛けたら、ものすごい勢いで、走り去った。身体が大きいから、迫力がある。
画像4 外猫の夢は潰えたが、東京と違って、また北野天満宮近辺には、路地に普通に猫がいる。それが自然だと思うけれど。帰りの新幹線から富士山を見る。天候は常に悪い3日間だった。
画像5 帰りの都バスの中でアブラ蝉を捕まえた。熱中症になったかのようにひっくり返っていたくせに、捕まえたらビービー鳴いて喧しかったが、降りたバス停で、欅の幹に止まらせてやった。七年もかけて地上に出て来たのなら、あと少し達者で暮らし給え。玄関では、12輪目の時計草が待っていてくれた。

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