8.22/sun. イベントが人を殺さないように

おとといのフジロック配信1日めを観たあとに、イベントの開催の是非と自分の行動についての日記を書いた。だけど一番大事な目線が抜けていたのかもしれないなと配信を3日間観て気付いた。Twitterなどでは、いま、イベントを開催することは正しいのか?ということが議論の中心に据えられていたと思う。私のその答えは、率直にいうと、どちらでもない。

政府からは経済活動を回すことが推奨されている。また、政府・自治体発行のイベント開催ガイドラインが存在し、フジロックはそれをクリア、遵守の徹底をしていれば開催自体に問題はないことになっている。民間企業がやるべきことって、残念ながらこれ以上のことは定められていない。

民間企業が自主的に経済活動を止めることは、会社の死を意味する。去年の春頃はどの会社にもある程度はキャッシュがあり、状況好転への期待もあった。「いまを耐えればまた金が入る」。しかし耐えても耐えても状況は好転しない。だけど未来でも継続的にイベント文化をおこなうために、会社が死ぬことは避けなければならない。会社が死ぬと失業者が生まれ、生活保護を受けられない人は貧困の末の死を招くこともある。イベント開催中止という選択もまた、別ルートで人を殺す可能性がある。よって、民間企業はイベントを開催する舵を切らざるを得ない。

イベントを開催する=店を開けることと同義なので、店を開けたからにはたくさん売り上げがあって、途中で中止になることなく成功してほしい、というのは私個人の思いだ。途中で中止になることも、それはまた金がかかる。予定通りに済むことが最も余計な金がかからない。要は、金の話が透明化されていることが問題なのだと私は捉えている。国により経済活動を強制的に止めることはできるはずだ。その場合に国による休業補償等をしてもらえるのなら、どの業界だってリスクを背負ってまで営業したりしないだろう。

だけどコロナウイルスはどんどんどんどん近くにやってくる。病床が埋まっている。搬送先がない。人工呼吸器もない。必要な手術ができずに待機している人が増えている。自宅で死んでいる。祝福されれるはずの命が誕生できなかった。東京では世界中の選手・関係者を招いてオリンピックがおこなわれた。同様にパラリンピックも控えている。全国の球児や応援団が一箇所に集まる甲子園も開催している。きょうも通勤している。お盆の東京は人が少なかった。夏の旅行に行く人は絶えない。修学旅行は中止・延期をお願いされている。デルタ株は1人から5〜9人のペースで拡大する。そうしてコロナウイルスはきょうにも明日にも近くにやってくる。

政治が先を見通し、先手先手の対策を打たなければならないことはすべての初めからわかっていたはずだ。デルタ株の拡大・ラムダ株とともにオリンピックがやってきた以外に、なにが変わった?市民の死では、この国は変わらない。1995年阪神大震災の時にも「震災に遭った人は自己責任」と私たちを切り捨てようとしたのも、この国の総理だった。どれだけ平和ボケしているのだろう?命は無限のリソースではない。命がそこかしこにあるからこそ、経済活動ができるのではないかしら。

私はこの2週間後以降に感染が拡大せず、イベント会社がイベントを開催しなくてもよいように、居酒屋が営業しなくてもよいように、各関係者・取引先が困らないように、休業要請と休業補償を即時セットで求める。人の動きを封じることと、企業の経済活動を維持するにはこれしかないでしょう。

おとといも書いたけど、イベントは演者も観客も可視化されやすいため、槍玉に挙げられやすい。だがそこが会社なら仕方ないというのでしょう?イベントが仕事場の人もいるため、私はやる気があるなら開催こそして欲しいが、個人的には当面遠征はしないというスタンスだ。なんなら基本的には週1回の出勤と家族との用事以外は人に会ってない。もう1年以上この生活だよね。なので、少なくとも自分は罹らないように用心して生活を続けて、ワクチンを接種して、もし人に会う用事がある時は前後2週間(通算1ヶ月)の体調を観察する、としている。通常の生活を続けている以上、それより多くのことはできない。感染症学会のお知らせがわかりやすいので以下に貼っておく。これ以上感染が拡大して国民の何割かが病院に行けず路上で死んでしまう前に、1日でも早く政治が動くことを要請したい。

感染症学会HP:
https://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31

一般の方へ(8月6日付)PDF:https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_tameni_210806.pdf


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