いのちのものがたり28

目がさめるとそこは、草原だった。

私は心地よい風に吹かれ、眼下には海が広がっていた。

私を呼ぶ声がした。

「今日は、ローズマリーを摘んだの」

女の子が茎束を私に差し出した。

「あら、こんなに硬いものをよく摘んだわね」

「ちゃんと剪定したのよ」女の子が微笑んだ。

その子は私の娘だった。

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