いのちのものがたり8

音がする、ここはどこだろう。

ねっとりとした空間だった。空を身体に入れるらしい。

何とも言えない異物感に、わたしはむせた。

とにかく苦しいのだが、ここではこうらしい。

歌が聞こえた。やさしい唄が。寂しく、儚く、あたたかい。

わたしは誰だろう。

眩く、儚い、この世の歌。それは赤子へのレクイエムのようだった。


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