いのちのものがたり外伝 老師編6

「うむ、手紙、とな、わしにも分からん」

「?!」

「ははは、どの様なことにも、手順と言うものがあろう。あの手紙はあなたがわしに授けたものだ。そなたは自分の言葉をわしに聞かせ、手紙を書かせたのだ。夢の中で」

「そうでしたか、しかし、私にはその自覚はありません」

「それはそうであろう、あなたは今、目が覚めているからな、いや、こちらが夢とも言えるが」

老師の話といえば常にその様なもので

会話という会話は全て、示唆に富んだものだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?