いのちのものがたり外伝 老師編5

「ここへはどの様に来たのだ」老師が尋ねた。

「成り行きに任せて」

私がそう答える前に、老師はすでに笑っていた。

分かっているのなら無駄な質問をしなければいいのに。

「そうむくれないでおくれ、人は会話をするものだろう。私とあなたの様に、たとえ言葉を発する前に分かったとしても、会話は楽しいものだ」

「ところで、あの手紙の真意は何なのですか」私は間髪入れずに尋ねた。


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