いのちのものがたり外伝 老師編13

森の中を歩きながら、私はあの手紙のことを思い出していた。

パンドラの箱を開けたのは私だ。

あの箱に、この世界が出来た時の影の感情を仕舞ったのも私だ。

それは閉じ込めたとはいえ、常に裏で動いていた。

そうしてこの世界の歴史が動き、この世を創ってきた。

その封印を解いたのだから、誰もが醜いものを見るだろう。

それは元々あったものだ。

言いようのない開放感と胸騒ぎを感じながら私は歩いた。

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