見出し画像

うさぎの気持ち

動かないうさぎ

我が家にうさぎの「つくね」が来てから1年が経ちました。

小諸市の動物愛護センター「ハローアニマル」からやってきたうさぎです。

2017年1月生まれなので6歳。人間の52歳に相当するそうなので、実は我が家で一番年上なのでした。

歳だからなのか、もともとの性格なのか、あまり動かない。ほとんどずっと、ケージの中にじっとしています。

うちに来て1年&誕生日のお祝いに、娘が藁とラタンでできたボールをプレゼントしたときは、あっちからツンツン、こっちからカミカミ……と、めずらしくよく動きました。

ボールの中に牧草を入れています

これは運動になっていいなぁ、と思ったのだけれど、一晩明けたらボールは跡形もなくなっていました(笑)。

バラバラになったボールの残骸とつくね(牧草入れの網が放り出されているのはいつものこと)

ケージに引きこもりがちなつくねですが、1日に何度かはケージの前庭(?)に出てきます。

そこに好物の野菜があるときのほか、何もなくてもときどき出てきたくなるみたい。

でも、スッと出てくることはなくて、「出ようかな、どうしようかな」とだいぶ逡巡してから、「エイッ」と決心したように出てきます。その後、誰かがガラッと扉を開けて部屋に入ってきたりすると、慌ててケージの中に逃げ帰ります。

ケージの外にある小松菜が気になるつくね
外に出ようかどうしようか迷うつくね。迷った末に出てこないことも

怖がりなうさぎ

これでも以前に比べれば、だいぶ動くようになったんです。

うちに来たばかりの頃は、まっすぐ座った姿勢のままほとんど動かなくて、「大丈夫かしら」と心配になったものです。気になるので、ちょっとでも動くとついそちらを見てしまうのですが、そうすると「見られた!」という表情で固まってしまう……。


我が家に来たばかりのときは、ケージの奥から動こうとしなかった

環境が変わって、恐怖や緊張と戦っていたのでしょう。主食の牧草も、朝と夕方やってくださいと言われていたラビットフードもあまり食べず(朝入れたフードが夕方になっても残ってる)、その結果、歯が伸びすぎたりお腹にガスが溜まったりで入院沙汰にもなりました。

そんなつくねの様子を見て初めて、「うさぎって、犬や猫とは違って”食べられる側の生き物”なんだ」と気づきました。

飼い始める前は「うさぎを膝の上にのせて、なでなで」なんて想像をしていたのですが、そんなことをしたら怖がらせるだけ、ということが分かりました。

うさぎの飼い主さんのブログなどを見ると、ケージを抜け出して部屋中を走り回ったり、飼い主のあとを付いてきたりするうさぎもいるようです。生まれたときからその飼い主さんと一緒で慣れていれば、そうなるのかもしれません。

本来、うさぎというのは天敵に襲われてしまう側の動物。臆病なのが自然な状態なのだと思います。

小さな変化が見える

それでも、1年経つ間にだいぶ我が家に慣れてくれました。

今は私が見つめていても動きを止めることもないし、前庭に出てくる頻度や「出ようかどうしようか」と逡巡する時間も少し短くなりました。

完全に横になることはないものの、身体を伸ばしてリラックスしたり、半目でウトウトしている様子も見られます。

娘に撫でられるのが好きで、「なでてなでて〜」と首を伸ばしてきたりもします。

撫でてほしくて首を伸ばすつくね。でも、ケージの外には出てこない
来たばかりの頃は人間の手からエサを食べることもなかった(今も、パッとくわえたらケージの奥に引っ込んで食べる)

うさぎなのに、亀の歩みのようにゆっくりと、私たちに慣れてきたつくね。

犬みたいに大きなアクションがないことを、最初は少し物足りなく思ったりもしました。でも今は、とても静的な彼女だからこそ、小さな変化に気づけるようになりました。

ほとんど変わらない表情の中に「緊張してる」「リラックスしてる」「食べたがってる」のような「気持ち」を感じられる。それがとても嬉しい今日このごろです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?