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嫁VS姑&小姑100年戦争⑤

本編②~少し寄り道したが、嫁いでまもなくの義父の葬儀まで戻る~焼場へ向かう霊柩車の中で、息子を亡くし、うなだれている大舅大姑を横目に、姑が嫁の私に、突然「この中で血がつながっとるのは◯◯(夫)とわしだけじゃ。」と言った。どういう意味で言ったのか、今なら嫉妬だとわかるが、当時若い嫁の私には理解できなかった。

焼場から戻り、仕上げ膳で近所の人にお礼を言い、近所の人が帰り、片付けも済ませ疲れたので帰りたいところ、まだ残っていた叔父や妹、私達の前で、姑は限りなく義父の悪口を言い出した。姑は夫である義父が大嫌いだったと言い、夫のおじで姑にとって義弟は、「耳が痛いね、おばあさん。」と母である大姑の方を向き、苦笑いした。
いくらなんでも、亡くなった夫の悪口を
葬儀当日に皆の前で話すなんて、しかもなくなった義父は何の申し開きもできない。面白おかしく話す昔話ではなく、全部シビアな悪口…黙って聞いてはいたが、情けないものを感じると同時に、義父を気の毒に思った。

なので、夫が亡くなったというのに、姑は全く泣かなかった。いや、泣けなかったのというのが正しい。堪えているわけではなく、本当にさっぱりしたという感じで、むしろ笑顔が増えた。

それなのに、近所の大姑の妹の主人が亡くなった時に、おかずを持って行き、
「私の時も涙が出て涙が出て、何もする気が起きんかったけーね。」と話した。毎日一緒に居たけど、泣いてなかったのに…嘘も平気で言うんだと思った。~つづく~