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川のまち・弥富で橋めぐり〜明治期の産業遺産を目指す〜

11月3日(金)文化の日に「川のまち・弥富で橋めぐり〜明治期の産業遺産を目指す〜」が開催されました。
ガイドは近代建築愛好家の杉田義也さんです。

まずは近鉄弥富駅を出発し、近鉄とJRの線路に沿って西に進み、木曽川を目指します。
弥富駅周辺は、東西に走る近鉄・JRの線路と、北へ向かう名鉄の線路があり、複雑な線形をしています。
川も多く道路をつくるには限られた場所しかないため、細い道でも交通量が多いことが印象的でした。

線路を見ながら、100年余の鉄道会社の変遷や線路の掛け替えについての解説があり、参加者のみなさんは興味津々。
素通りしてしまいそうなよくある路地にも、橋や線路の名残がひっそりと残っていました。

木曽川に到着すると、歩行者しか入れないルートを通って堤防の上へ。
よく見ると、きらきらと光が反射する川の中に等間隔に並ぶ杭が見られます。実はこれが、かつての鉄道橋の遺構なのだとか。
大潮かつ干潮のタイミングだと全貌が見られるそうなので、ご興味のある方はぜひ幻の鉄道橋を探してみてくださいね。

木曽川を離れ、一行は南へと向かいます。
目指すのは、輪中公園の中にある「立田輪中人造堰樋門」です。

木曽川の東岸に並行する筏川や海部幹線水路に沿って歩いていくと、古い時代の橋脚や渡し舟の跡地、明治時代に竣工した橋も見つかりました。

このあたりは河口が近いため、満潮時には流れが遡ることもあるそうです。この日はほとんど流れもなく、穏やかな川面が見られました。

輪中公園を進んでいくと、大きな煉瓦作りの構造物が見えてきました。
こちらが今回のゴールの「立田輪中人造堰樋門」です。

「立田輪中人造堰樋門」は明治期の治水事業により上流部の立田村から排水を流すためにつくられたものですが、残念ながらほとんど活躍しなかったそうです。

しかし、明治の貴重な煉瓦の構造物として、現在に至るまで公園の憩いの場として大切に残されています。

今回は前半が鉄道橋、後半では川と橋を巡り、時代の変化をお聞きしながらのまち歩きとなりました。大変暑い日でしたが、ホワイトボードを用いての杉田さんの説明を熱心に聞き入っている参加者さんの姿が印象的でした。

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レポート:イトウユキコ  写真:ゆか
■レポートしたプログラム

■まち歩きなごや

■やっとかめ文化祭

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