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誘導灯について

誘導灯は火災発生時に視認しにくくなった避難方向を確認するために設置されている消防用設備の1つです。
扉の上部に設置されていることが多く、日頃から目にする機会がある消防用設備です。
一方で、この誘導灯について詳細を知っている方は少ないと思います。

ここでは、誘導灯について把握していただきたい点についてまとめています。
ご自身の利用する建物に照らし合わせながら、お読みいただければと思います。

誘導灯の種類

誘導灯は大きく以下の3種類に分類されます。
①避難口誘導灯
②通路誘導灯
③客席誘導灯

以下で各種誘導灯について大まかに説明します。

①避難口誘導灯

避難口誘導灯

緑色の逃げる人のピクトグラムでお馴染みの誘導灯です。
避難経路の扉付近、特に扉上部に多く設置されていることから「避難口」誘導灯と呼びます。
避難口が直接見えない状況となった場合は、このマークに向かって避難すれば出口に辿り着くことができます。

また、たまに下の写真のように矢印付きの避難口誘導灯がありますが、こちらは矢印方向すぐの位置に避難口があることを示しています。
写真の場合は誘導灯のすぐ右側に出口があるという意味です。

これも避難口誘導灯(矢印付)

②通路誘導灯

通路誘導灯

こちらは白地に緑色の矢印が目印です。
避難方向を指し示していて、矢印の先には避難口誘導灯=出口があります。

先の矢印付きの避難口誘導灯との違いは、出口の近さです。
この通路誘導灯は避難経路を示しているだけで、近くに出口があることは通常ありません。
また、建物規模や部屋の大きさなどによっては①の避難口誘導灯しか無い場合もあります。

③客席誘導灯

映画館や劇場などの客席部分に設置されている誘導灯で、暗い館内において照度を確保するために設置されています。
事務所ビルや共同住宅には設置されていません。

誘導灯の距離

誘導灯には有効範囲が定められています。
誘導灯の大きさ(※下記「ちょっと豆知識」参照)にもよるのですが、避難口誘導灯は15m~60m以下、通路誘導灯は10m~20m以下の距離に設置されています。
多くが少し移動すれば十分視認できる場所に設置されています。

誘導灯の点灯時間

誘導灯は蓄電池が設置されているため、停電しても点灯します。
その際の点灯時間は通常20分間、避難に時間を要す大規模ビルや地下街等は60分間点灯する設備となっています。

つまり、避難経路がわからない暗がりの環境下では、避難が必要な場合には上記時間内に避難しなければ誘導灯を目印にした避難は出来なくなります。

誘導灯があるに越したことはないですが、初めて訪れた場所では避難経路を確認することをオススメいたします。

以上、知っておいていただきたい誘導灯の基礎知識でした。

ちょっと豆知識

・階段に設置されている電灯も誘導灯と呼ばれる場合があります。その場合は階段通路誘導灯と呼びます。
階段通路誘導灯は見た目は普通の照明器具と変わらず、停電時にバッテリー等で点灯し続けることで照度を確保する役割があります。

・現在の誘導灯は最も小さいC級、中間のB級、最も大きいA級の3段階に区分されています。

・誘導灯は常に点灯している必要があるため、他の設備とは電源を分け単独回路で設置します。監視カメラの電源やパソコン回路と一緒にしないようご注意ください。

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