映画ドラえもんを全作見る

映画ドラえもんがアマプラでかなり見られるので、僕が人の心を取り戻すには全部見るしかありません。

2023年5月、「のび太の恐竜」から、「空の理想郷」まで全部見て行きたいと思います。

第1作「のび太の恐竜」※見た覚え なし

のび太の恐竜2006は多分子供の頃に見たので、話の流れはうっすら覚えていた。

久々に旧ドラ映画を見た。ところどころ演出が古っちくて面白い。
のび太とドラえもんの顔がめちゃくちゃ真顔で2秒くらい止まる謎の間があったり、急にネガ反転したりする。
タイムマシンに乗っている時の背景が、お馴染みの時計ぐるぐるのやつではなく、やたらと赤黒くて不気味で、目がおかしくなりそう。

ドラえもんの「暖かい目(のつもり)」とかのび太が卵を見つけて持ち帰った時の変な動きとか、可愛いシーンがたくさんですごくいい。
大山のぶ代さんのドラえもんの演技はやっぱりいいなぁと思う。

ストーリーや演出はやっぱり大昔のアニメだなぁと思うけど、無難にドラえもんらしくていい話かな。

第2作 のび太の宇宙開拓史 ※見た覚え 微妙

ところどころ、展開や場面に覚えがあるが多分見た事はないはず。おそらく漫画で似た様なアイデアがあったか、大長編ドラえもんで読んだのかも。
畳と宇宙船が繋がるというアイデアや、重力の弱い星ではのび太でもスーパーマン、というロマンはやっぱりいいなぁ。
ゲストキャラがいて、のび太が別の世界に行ってそこでのトラブルを解決しちゃう系の話はこれが初代か。
コーヤコーヤ星人との別れのシーンとか、あードラ映画だなぁって感じする。
そこまで記憶には残らない作品かなぁ。

第3作 のび太の大魔境 ※見た覚え なし

この映画はかなり面白かった。
犬の国であるバウワンコに着くまでの冒険で作品の大半が占められていて、ゲストキャラであるペコはどこか怪しい雰囲気だけれど、喋り出すまで相当溜めるので驚きはそれなり。
基本的にジャイアン主軸の話なんだけど、やっぱり初期映画は子供向けというか、徹底してのび太達が子供として描かれていて、子供にも気持ちを理解しやすいように出来ている気がする。
過剰なほど酷い目にあってしまうジャイアン、ちょっと可哀想だったけど、主題歌とともにペコを助けに歩き出すシーンは名シーンだな。
自分たちを助けにこれから行くぞ!のシーンで終わるのも、トリッキーでいい。

ここまでが、最初期の3作品。この後の第4作から、芝山努監督が20作近くを担当するので、作風はそれなりに安定するんじゃないかと思う。

自分がよく見ていたのはこれ以降の作品なので、最初の3作はどこか古臭く、そして過剰に分かりやすくある気がした。
「大魔境」はこの中でも特にお話の面白さがあり、演出も優れていると感じる。
ツッコミどころは多いものの、夢に溢れた3作品で、「大昔の動物との交流」「異星人の優れた文明との交流」「現代の地球にある魔境」と、それぞれ違ったロマンを見せてくれたこれらの作品は、当時の子供たちを喜ばせたんだろうなと思う。

第4作 のび太の海底鬼岩城 ※見た覚え なし

この映画、見た覚えは無いが、あまりに有名すぎてバギーが身を呈してみんなを助けるということだけ知っていた。
ジャイアンとスネ夫がテキオー灯切れで死にかけた時のバギーの感じはかなり残酷で、藤子・F・不二雄節が効いているなと感じる。
漫画だとそれなりに自然だけど、アニメで見るとちょっと怖い。
今作から芝山努監督の作品。動きや全体的な間の表現なんかが一気に洗練されたように感じる。
所々にアイコニックなカットがあって、全体的な絵の完成度が高い感じがするのと、「教育ドリーム」なる異空間の表現なんかは、割と今後の映画ドラえもんで沢山出て来たように思う。
個人的には、ラストどこでもドアで帰っていくシーンなんかが、絵としてかなり決まってて好きだったかな。
みんながやられちゃって、バギーが最後に助けてくれるところはちょっと感動。ワンピースのメリーみたいな感じだね、バギーだけど。

第5作 のび太の魔界大冒険 ※見た覚え 微妙

新・魔界大冒険は、恐らく映画館で見た記憶のある初めてのドラ映画だと思う。
すごく好きな作品だったがほとんど覚えていなくて、びっくり。お話としては何度も驚きがある展開で、この作品が芝山努監督の続投を決めたという評判にも納得だ。
「大魔境」「海底鬼岩城」は、ジャングルや海底を探索するシーンにかなりの尺をとっていて、所謂冒険メインといった感じだったが、今作からは一気に「ストーリー」を意識した構成になったように思う。
魔法の世界なんかは沢山冒険して欲しいものだが、のび太は魔法の世界でも落第生で、ほんなら元の世界に戻ろうと初っ端からガッカリしてしまう展開は意外性がある。
擬似的な「おしまい」のシーンでは、のび太の「向こうの世界を放っては置けない」という決意がのび太らしい。F先生の作劇は本当に自由ですごい。なんならここがクライマックスで、ラストはそこまで盛り上がらず終わる。
旧ドラは割と大長編ドラえもんの漫画的な表現に引っ張られて、映画的な見せ場を作ることにはそこまで成功していない感じはする。
そこの折り合いがどう着くかで、リメイク作品の出来が決まるような感じ。

第42作 のび太と空の理想郷 ※新作

久々に映画館で新作を見た。映画館に見に行ったのは「宝島」その前は「新 日本誕生」。
序盤の伏線を綺麗に回収する展開、ディストピアの薄ら怖さ、「完璧ではないそのままの自分でいい」という芯の通ったメッセージ性と、分かりやすく楽しめる作品だった。
個人的にはソーニャが「君たちはお互いに欠けてると言いあってるのに、お互いそんなところが好きなように見える」と言うシーンが良かった。
ドラえもんはロボットだから変わらない のび太はたまたま光の影響を受けにくかったから変わらずいられた。
あくまで子供向けに作られた作品だと思うけど、子供向けだからこそしっかり芯の通ったものを作るという気概が見える。
「ドラえもんは21世紀でのび太たちと暮らしている」みたいな発言があって、設定では21世紀なんだ!とびっくりした。ちゃんと現代になってるんだね、設定。

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