廉太郎ノオト書影おびあり

そろそろ和服に戻ります

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 この前のサイン会でも多くの作家さんや書店員さん、お知り合いの方から

「あれ? 谷津さん、和服じゃないの?」

とびっくりされてしまいました。
 参考までに。

 このお写真のコアラ(佐藤青南先生)の右で顎に手をやっている眼鏡若作りおじさんがわたしなのですが、そう、最近私服で歩き回っていました。
 もちろん遠方という事情もありましたし、取材に行っていたということもあったのですが、実は新刊の『廉太郎ノオト』のプロモのためでした。とはいえ、ぼちぼち『廉太郎ノオト』発売から三か月、もうプロモ活動もおわりということで、この合同サイン会を最後に、公の場での洋服姿はしばらく封印です。

 それにしても……。洋服って疲れませんか(爆)
 男の和服は楽なんです。
 もちろん正装の場合は違いますが、普段着レベルなら腰帯一つしか体を縛るものがありませんし、全体にゆったりしています。でも洋服は基本的に体に密着しているので、熱いわ肩がキツいわでいやなんとも。体を縛ることでカッコよさを演出する洋服は、やっぱり和服とは設計思想が全く違うのだなあと再確認した次第です。

 でもまあ、実は寂しさがこみ上げまくっております。
 この二か月余り、サラリーマン時代に使っていた革靴や腕時計(わたしは和服の時には腕時計をはめないんです)を持ち出し、本当に久々にネクタイを締めて人前に出ていたあの日々は、なんかありえたかもしれないわたしのもう一つの人生をなぞっているようで。
 いえ、わたしが和服生活をしているのは、「サラリーマン時代の自分と決別するため」でした。でも、和服生活が板につくようになって、むしろサラリーマンっぽい恰好こそがコスプレになってしまったというこの現実。

 二か月余りの洋服生活は、専業作家という生き方への愛着をより強く意識させるものとなったようです。

 何が言いたいって?

 楽な格好で作業できる作家万歳! ってところです。

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