奇説無惨絵条々書影

【天狼院書店初心者短編2020年2月コース受講者向け】②思い出深い小説を読んでみよう

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【注意】
 こちらのエントリは、天狼院書店さんで開催中の「短編小説100枚を二ヶ月で書いてみる」講座参加者の方向けのエッセイです。参加していない皆様にもなにがしかに気づきがあるかもしれませんが、このエッセイは基本的に「初心者の方が小説を書き切る」という目的設定をした講座に向けたものでありますので、中級者、上級者の方がご覧の際にはそうした点をご注意の上ご覧ください。
【注意ここまで】

 皆さん、構想、プロットは如何でしょうか。進んでらっしゃるでしょうか。
 進んでらっしゃる方は何より、進んでらっしゃらない方は……まだ全然焦るターンじゃありませんので、じっくり考えていきましょう。けれど、わたしの講座を受けてくださった皆さんは既にご存じですね。考えあぐねるよりも、手を動かして紙に書き出すほうがはるかによいですよ。

 さて、今回も皆さんに小説を書く際のヒントを差し上げたいと思いますよ。
 構想が浮かばないあなた。
 そう、そこのあなたです。
 自分が好きな本、思い出深い本を読んでみてください。
 小説だと一番いいですが、漫画や戯曲でも結構です。ただすみません、できればフィクション作品でお願いいたします(実在の人物を扱った小説は可)。

 アウトプット(=己の心を外に出す)の際、最も大事なことは「自分の好きを理解する」ことです。「何かが好き」「この作品が好き」という好悪感情は、あなたを形作る、もっとも大事な羅針盤なのです。

 どういうことか。

 小説というのは、本質的には作家の好悪感情に支配されているものです。もちろんバランス感覚に優れた方であったり、実力を有している人であったりするとその辺をきっちり管理する人もいますが、皆さんの多くは初心者です。そんな器用なことができていたら、たぶんわたしの講座なんて聞きに来ないはずです(笑)。
 特に最初の小説を書く際の原動力になるのは、結構この好悪感情であったりしますし、これを核にして書き進んでいただけると挫折もしにくいです。

 すごく俗っぽいことを言うと、恋愛小説が凄く好き! という初心者の人が、がちがちの本格ミステリを書こうと志すと途中で飽きちゃう可能性が高いのです。なんでかというと、あなたは別にそこまで本格ミステリのことが好きではないからです。なら、好きな恋愛小説を書いてみましょうよ、というのがわたしのご提案なのです。

 そして、案外小説のジャンルというのは(一部のジャンルを除いて)曖昧だというのもお話しましたね。
 なので、そこで「あなたの好きなフィクション作品を読みましょう」となるのです。
 あなたの好きなフィクション作品には、あなたが書きたい何かがあるはずなのです。もしご自分の書きたい何かがはっきりしない方は、そうやって自分の好きなものを探してみてください。

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