3食食事付きの牢屋

 会社に行きたくない、今の仕事が嫌だ、今の現状が嫌だ、学校に行きたくない、そもそも勉強をしたくないと思っていても、俺を含めて大体の人が現状をなかなか変えられない。と、言うよりも変えたくはない。何故なら面倒だから。やるべき問題が多過ぎるから。

 何かを変えること、何かを変えようとすることで、それに伴う膨大なエネルギー消費とリスクが付いて回る。特に収入の面。なら多少面倒でも億劫でも、文句や不満を垂れ流しながら、会社や学校でも飼われていた方がいい。

 だけど実際、外に出る門は開いている。出て行ける。だが出ようとしない。皆実際のところ門が開いているのは分かっているんだが、見ない振りをしているし、なんだかんだ理由を付けてその存在が分からない振りをしている。その方が楽だからだ。

 社会の倫理観を無視して言えば、学校に行きたくなければ行かなければいい。親は当然反対するだろうが、死ぬほど行きたくなければ行かなければいい。何故なら行けば死んでしまうのが分かっているからだ。

 ただ在る現実として、学校にも会社にも行きたくなければ行かなければいい。収入、学歴、選択の結果による孤独、全て引き受けるのは自分だけど、行かないと言う選択肢はあるんだよね。

 人間のこうした心理を支配層は分かっているので、社会不安を煽り、奴隷労働で人間の心を壊して逆らえないようにし、牙を抜き平均化する。そして資本家にとって効率の良い部品を造るのが学校でもあって。

 外に出る門は現実には見えない。だが見ようとしないだけで、実際はいつ何時でも開いている。だけど人間は諸々の不安やリスクを本当は引き受けたくないので、好むと好まざるにも関わらず、会社や学校という3食食事付きの牢屋に飼われたがる。それは病む人間が増えるのは当たり前だ。

 なんだかんだ分かってはいたが、何かしらを変えたいと言いながら文句を言い続けて特に行動しない人間は、本当は自分で今の状態を選んでいるんだよね。悔しいが本当の事だ。そう言われても仕方がない。結局今の状態は自分自身が選んでいる。

 現状を変えたいのなら、物理的な行動に移さないと良くも悪くも何も変わらない。現状に対する文句や不満を言い続けても、それでなにかした気になり、また来年も同じ状況を迎えるだろう。