消費するだけでは幸福感は得にくい

 今思えば完全に心の甘えと油断だが、一時期人生がしんどすぎて1年間ほど自費で引きこもったことがある。幸い家賃が1万円台だったので1年ほどは引きこもれた。良くも悪くも、家賃が一番の搾取だと分かったいい例だったなと記憶している。

 家賃が3万5千円のところから、家賃1万8千円の賃貸に移り住んだ。
 それだけで年間の搾取42万円が⇒21万6千円になり、20万分自分の所得が増えたことになる。20万分働かなくていい。これだけで家賃制度がどれだけの搾取なのかが分かるだろう。ちなみに更新料とか無意味な大家にとってのボーナスも搾取されるからほんとクソ。
 
 強欲な人間が家賃と言う搾取制度を造った為に、多くの人は強制的に家賃分働かざるを得なくなった。本来全ての人間に平等に歩く権利があるただの地面に、寝転がる権利があるただの地面に値段を付け、家屋に値段を付けた結果、搾取する人間と搾取される人間が出来上がった訳だ。それがいいとも悪いとも言わないが、少しでも金を搾り取ろうとする、強欲な人間を性根を考えると狂っているなと思うよ。

 ゴミ賃貸だったので住環境は最悪、上の人間は精神障碍者の騒音モンスター。慣れるまで酷く苦労した。住めば都とは良く言ったものだが、徐々に慣れる様になる。

 引きこもっていた時期は特に何もしていなかった。何故なら何かをする気力もなかったからだ。社会不適合者なりにせめて稼ぐ手段は何とかしようと、ユーチューブでなんの役にも立たない社不が稼ぐ手段などや、HSPが稼ぐ手段を探していたりもした。結果から言うと何の意味もなかったけど。とにかく分かった事が、どんな事情があれど何も積み重ねて来なかった人間には、何の権利も与えられないということだ。せいぜいが奴隷労働で酷使されうくらいが関の山だろう。

 その間、現実逃避で一日中YouTubeばかりを見ていた。なんせグーグルが脳科学者を雇ってまで、人間の脳を効率よく搾取する為の設計が為されたサービスだ。無限に時間を吸われる。気が付いたら一日が終わっていた。

 消費、消費だけをする。消費をさせられる毎日。ゲームをいくらしていても何も満たされない。会社員時代にストレスで休日に無限にゲームをしていた時期もあったが、忌憚ない本音を言えば何一つとして満たされなかった。それよりも、無。ただひたすらの虚無。

 この喜びが無い状態が何なのかと考えれば、文字通りただ消費させられ続け、自分の状況に何一つとして変化も刺激も無く、何かを生産する訳でもなく、ただ同じ事を繰り返し続けたからだろうと思う。

 そう考えると人生のライフイベントをネットの声を何も視ず、聞かず、考えず、自分の心の赴くままに性欲の赴くままに実行し、家族、家のローンの為に愚痴を言いながらも奴隷の様に働く生き方も、それはそれで刺激のある日々を人生の前半に達成できたので、却って幸せなのかもしれない。本人はそれが幸せである事に気づいておらず、むしろ飼われている会社を年数経過毎に憎悪し始めるのが皮肉なことだけど。

 まぁ会社員も会社員で、無目的になんの楽しくも無い、欠片も興味の持てない奴隷労働を続けると、人生の後半には無意味な事を続けている現状に耐えきれず、何かしらメンタルの病気になるリスクを抱えていると思うので、実際何が幸福なのかは自分で決めるしかないんだよな。

 ただ少なくとも、消費だけをし続けた先に待っているのは、大体の人間にとって、喜びの感じられない虚無の日だけだと自分の経験から伝えたい。

 人間は自分の人生に変化や刺激、それか創作物の生産や、自分自身の成長を感じられる事をし続けないと、停滞する現状に脳が耐えきれず死んでしまう生き物だからさ、ほんと面倒だよな。