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麻酔が効かない人間

前歯の治療のために歯医者に行った。予約するときに特に何も言われなかったのでいつも通り2,30分で終わると思って、そこそこ腹が減っていていた午後四時だったが何も食べないで歯医者に向かった。自分の名前が呼ばれ、歯医者でしか見たことない絶妙に硬いリクライニングチェアに座った。院長先生が来て開口一番「じゃ、塗る麻酔していきますねー」と言った。

ぬ、ぬ、塗る麻酔!???なんじゃそれ。麻酔って塗れるんだ。じゃあ医療ドラマとかで麻酔を注射したり吸入させたりするけど、あれって演出ってこと?冷めるわ。サメサメの実の全身冷め人間になるわ。いやサメサメの実ってそれほぼアーロンじゃん。そんなことを考えていたら

ジンベエと肩を並べた(?)男 アーロン
集英社発行『ONE PIECE』(著)尾田栄一郎


「麻酔注射していきますねー」と言われた。結局するんかーい。どうやらさっきの塗る麻酔はこの注射の痛みを軽減するためのものらしい。恥の上塗りは嫌だけど麻酔の上塗りはそんなに嫌な気はしない。そんでその注射めちゃくちゃ痛い。歯茎を針で刺されているような痛み。痛すぎて例えになっていない。ワクチンよりも献血よりも全然痛い。長男だから我慢できたけど、次男次女なら痛みに耐えきれずドンキに売ってるニワトリのおもちゃのような情けない声で泣きわめくはずだ。

情けないニワトリ


あとめちゃくちゃ注射長い。体感30秒。いつもだったら時間盛って1分とか書いてただろうけども、ガチで30秒。30秒間歯茎に針。「泣きっ面に蜂」の泣き部分と蜂部分両方こなせる痛み。
やっとの思いで注射が終わり、麻酔を効かすために5分くらい放置されたあと、崖の上のポニョでそうすけのお母さんが使ってた発電機みたいな装置を持ってきて、それについてた小型電動ノコギリで歯を削られた。削られているというよりもハンマーで砕かれてる感じ。社会の資料集に載ってたベルリンの壁を嬉々として壊す人々の感じ。そんなバイオレンスな感じで治療してもらってるのだけども、こっちは麻酔があるから全然痛くない。余裕余裕。「痛かったら言ってくださいね~」とは言われたものの、こっちは全盛期のマンチェスターユナイテッドくらいの無敵感でいるので、軽ーく無視していたら、

痛~い!いたいいたい!いたすぎるわ。いたいいいい。信じられない痛み。準備体操なしで持久走走った時の横っ腹くらい痛い。やめてくださいよ。」と思わず叫んでしまった。麻酔関係なく全然痛かった。そりゃ歯削られてるんだからっていう痛み。どうやら麻酔が効きにくい人間らしい。


追加でもう一本麻酔注射してもらい(一本目の注射のおかげで全然痛くなかった)、麻酔のせいでよだれがだらだら垂れ流しになったり、そのよだれを吸入する機械のパワーが強すぎて口の中カラッカラで日本三大砂丘に僕の口内が選ばれかけるハプニングもあったが、無事に歯の治療は終わった。夕方に治療をしたのに麻酔の効果が深夜まで続いていて、その長く効く分最初にもってこいや、とか、めちゃくちゃお腹すいてたのに日高屋の餃子全然味しねえとか、でも麻酔のせいかわからないけど普段よりすぐ眠れたわ、ありがとう、とか思った。






途中マンチェスターユナイテッドの全盛期がなんちゃらとか書いてますが、海外サッカー全く知らないです。海外の選手メッシとカカくらいしか知らないです。なんか知ってたらかっこいいなあと思って書きました。すいません。お詫びして定時制入ります。

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